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§4

§4
 私は他人(ひと)にこそ言いませんでしたがお父様が大好きでした。
お当番の夜、真っ裸でお父様と一緒にベッドを供にできる幸せを失いた
くなかったのです。
 知らない人は素っ裸で里親とベッドインなんて言ったら強姦されてる
ぐらいに思ってるようですが、もちろんそんなことはありません。ただ、
幼い頃愛撫され続けてきた女の子達の中には強いエディプスコンプレッ
クスを持つ子が少なくなく私もその一人でした。ですから、結婚はして
も何か口実を見つけて離婚、子供達と一緒にこの亀山へ舞い戻りお父様
を独り占めにして暮らすという夢を幼いなりに描いていたのでした。
 「あら、元気がないわね。私達みたいになるのは嫌なのかしら?」
 「そりゃあ、嫌よね。いつまでもお父様の愛の中にいたいもの」
 「あら、あなたファザコンだったの?」
 「どうして?知らなかった?私、男子のクラスに入れられた時なんて
お父様に『絶対に嫌!みんなと一緒に勉強する』って泣いて頼んだのよ」
 「へえ~~そうなんだ」
 「他に何人の姉妹(きょうだい)がいても、お父様は私だけをみてる。
愛してると思ってたもの」
 「それはみんなそうよ。物心つかない頃から素っ裸で抱かれ愛撫され、
服を着せてもらい、お菓子をもらい、玩具をもらい、お膝の上で跳ね回
ってもお腹をあんよで蹴っても、ただ頭を撫でられるだけ。それでいて
他の人がどんなにお仕置きしてもお父様だけはかばってくれるんだから、
これで嫌いになるはずがないじゃない」
 「だから、そういう風に仕組まれてるの。子供が自分を愛するように」
 「あら、じゃああなたは騙されたと思ってるの?お父様や亀山の人達
に……」
 女王様が口を挟みます。
 「そんなつもりは……私だってお父様が大好きですから」
 藤田のお姉さまはまるで少女のように頬を赤らめました。
 「私は、たとえ事実はその愛が私だけに降り注がれたものでなくても、
私だけがお父様に愛され続けてきたと思ってきたの」
 「それはみんな同じよ。お父様は仮想の恋人、永遠の恋人なの……」
 「だからさあ、私が言いたかったのは『私こそはお父様に一番愛され
てきた娘なんだ』って信じられるなら、それが一番幸せなことなんじゃ
ないかってことよ。……自慢じゃないけど、私、お父様にフェラチオを
いたしましょうかって持ちかけたことがあるんだから」
 「えええええ」
 「うっそ~~」
 「本当よ」
 「で、お父様は?」
 「目を丸くしてた」
 「そりゃあそうでしょうね」
 「それでしばらく困った顔をなさって、間があって『できるのか?』
っておっしゃっるもんたから『えっ、たぶん……本で読みましたから』
って言っちゃったの」
 「で、どうしたの?やってあげたの?」
 「まさかあ。……『どこでそんな本を読んだの?』って追求されて…
(ハハハハハ)いやあ、五体がばらばらになるんじゃないかって思える
ほどの強烈なトリプルだったわ」
 「いくつの頃?」
 「だから、この子と同じ歳の頃よ。うちの場合、この頃が一番お仕置
きがきつい頃だから本当はもっと自重しなきゃいけないんだろうけど、
何しろ子供でしょう。何でも興味津々だったのよ。…でも一番辛かった
のは、それからしばらくはお床入りでパジャマを着せられたことなの。
何だかお父様との間に垣根ができてしまったみたいで……」
 「それからはずっとパジャマ?」
 「いいえ、数回したら、お父様の方から『嫌ならそう言いなさい』っ
て言って脱がしてくれたの。私、恥ずかしそうにはしてたけどとっても
嬉しかったわ」
 「わあ~~お惚気ね」
 「いいじゃないの。私のお父様だもの。私も普段はお友達に『まるで
熊みたいにのしかかってくるだもの。いつもベッドの端で震えてるのよ』
なんて言ってたけどやっぱりお父様の胸の中が一番安らげたわ」
 「かあ様(ママ)は?」
 「もちろん、ママは別格。私のお師匠さんだもん。ただ、色々教えて
もらって感謝はしてるけど『安らげる』とか『癒される』っていうのと、
それはちょっと違うのよね。それに比べてお父様は男性だからママより
遠い存在なのかもしれないけど、私達になくてはならない存在というか、
絶対的存在というか……」
 「とにかく、良くも悪しくも権威の塊だったわ。だから抱かれている
と絶対的な安心感みたいなものがあったもの」
 「『もう、何されてもいい』みたいな……」
 「そうそう、どっちみち裸だし(ハハハ)」
 周囲に笑いの波紋が広がります。
 「ま、考えてみれば、私達はみんな処女を奪われたわけじゃないけど、
心の処女は、遠い昔、お父様に捧げちゃったのかもしれないわね……」
 朝比奈のお姉さまはそこまで言うと、ようやく私の存在に気がついた
みたいで……
 「あら、あら、ごめんなさい。こっちの話に夢中になっちゃって……
いいこと、今のことは他所言って話しちゃだめよ」
 こう言って大人のおしゃべりに区切りを着けたのでした。
 「これからお鞭のお仕置きをいただくことになるけど……もう、随分
時間がたっちゃったから、また少しだけ、お尻を暖めた方がいいわね」
 女王様はこともなげにおっしゃいましたが、お尻を暖めるというのは
要するにもう一度お尻をぶつってことですから女王様のおっしゃりよう
はあんまりです。
 「(何よ、自分達で勝手におしゃべりしておいて、どうして私が余計に
ぶたれなきゃならないのよ)」
 私は大いに不満でしたが、広げられた両手の中へ飛び込むしか道はあ
りませんでした。
 「ピシッ」
 「いやあ、だめえ」
 私はいきなりパンツとショーツを下ろされてうろたえます。
 「ピシッ」
 「だめじゃないでしょう」
 「ピシッ」
 「ああ、痛い!」
 「ピシッ」
 「だめえ、やめて~~」
 私はお尻を振り振りあんよをバタバタ。
 だって、今度のは最初のスパンキングより痛いんですから仕方があり
ません。実際、同じお膝の上でのお尻叩きといっても微妙な手首のスナ
ップの具合で衝撃はいかようにも調節できるのです。
 「ピシッ」
 「いやあ~~~(どうして今度はそんな強くぶつのよ)」
 私はむくれていました。でも、そうなると身体を自分で静止できず、
手も足もばたついてしまいます。
 そうなると……
 「ほらほら、お譲ちゃん暴れないのよ」
 「もうすぐすみますからね」
 まるで幼女をあやす時のような猫なで声でお姉さまたちが応援に駆け
つけます。
 「ピシッ」
 「ひぃ~~」
 右手と左右の足を一本ずつ押さえられたら、あとはどうすることもで
きませんでした。
「ピシッ」
 「あっ~~~」
 完全に身体を押さえ込まれ裸のお尻を晒してただただ痛いのを待ち続
けるなんて、他人からみれば悲惨にしか映らない光景ですが、私はその
瞬間、ほんの一瞬ですが、胸の奥に塊る不思議な切なさを感じ取ってい
ました。
 「ピシッ」
 「うぅぅぅぅ(えっ?)」
 「ピシッ」
 「いぃぃぃぃ(何だろう?)」
 「ピシッ!!」
 「…………(これって?)」
 最後の三つは強烈でした。特にラストは女王様が放った衝撃の中では
一番強烈だったのですが、私はそれを悲鳴もあげず感じてしまいます。
 思えばこれが初めての肉欲、『女としての私』を意識した瞬間だったの
です。
 女王様による10回のスパンキングが終わると、次は園長先生。
 やり方は同じです。
 「ピシッ」
 「あなた、反省してますか?」
 「はい」
 「ピシッ」
「口先だけじゃないの」
 「違います」
 「ピシッ」
 「本当に……」
 「本当です」
 「ピシッ」
 「いやあ、痛い」
 「痛いのは当たり前です。お仕置きなんですから。あなた、亀山の子
じゃなかったかしら」
 「ピシッ」
 「亀山の子です」
 「だったら、ごめんなさいじゃなかったの?」
 「ピシッ」
 「ひぃ~~ごめんなさい。もうしません」
 「ピシッ」
 「ああっ、いやあ~~~」
 「嫌じゃないでしょう。ありがとうございますでしょう」
 「ピシッ」
 「ありがとうございます。先生」
 「ピシッ」
 「ほら、もう一回」
 「いやあ~、ありがとうございました」
 「ピシッ」
 「まだ終わらないわよ」
 園長先生は結局私をいたぶりながら20回もお尻を叩いたのです。
 それだけではありません。お姉さまたちも代わる代わる椅子に座り、
真っ赤になった裸のお尻をめでては、そこを10回ずつ平手で叩いたの
でした。
 ただ、それらはいずれも痛みと屈辱だけ。女王様がやってのけた芸当
を再現する人はいませんでした。
 「さあ、もういいでしょう。いつまで床にお尻をへばりつけてるの」
 園長先生はやっと終わった大人たちのスパンキングで真っ赤になった
お尻を冷ましている私をせき立てます。
 次はいよいよ鞭のお仕置きでした。
 「いらっしゃい」
 園長先生が両手を広げます。
 「(『ようこそ、地獄の入り口へ』か……)」
 私は園長先生の言葉の続きを呟きます。
 そして、覚悟を決めてその懐へ……
 「大丈夫、あなたはいい子だもの。きっとお父様の天使に戻れるわ」
 先生は私を抱き上げると少し広めのテーブルに腰を下ろして私を膝の
上へ抱きかかえます。頭を撫でられ、背中をさすられ、頬ずりをされて
……でも、いやいやをする気力もありませんでした。
 なされるままにしてやろう。それが一番楽にこの場を乗り切れそうな
気がしたのです。
 確かにその判断は間違っていなかったと思います。
 私は、やがて無言のまま園長先生がテーブルに仰向けになって倒れ込
むので、その上にうつ伏せに乗っかるのような形になります。
 そして、園長先生が膝を立て、私のお尻はそこで晒されて、私の顔は
先生の胸の中へ……万歳をした私の両脇から先生の太い両腕が伸びて、
私の背中は抱きかかえられます。
 亀山での鞭打ちは、通常、お馬と呼ばれる拘束台を使って子供を革の
ベルトで固定して叩くのが一般的ですが、幼い子や気の弱い子の場合は
こんな形で抱き合いながらというのも稀ではありませんでした。
 こうして教師が抱いてやることで心の負担を軽くできると考えられて
いたのです。
 「ほら、ここに頭を乗せなさい」
 園長先生がご自分の胸にクッションを乗せて体全体のバランスを取り
ます。ちなみに先生の立てた膝頭にはバスタオルが乗せられ、そこに私
のそけい部が乗っかかる形になります。
 体勢が整ってもまるでやじろべいのように不安定で私の両足はつま先
がテーブルに触れるくらい、踏ん張ることなどできませんでした。
 「さあ、いいですよ」
 園長先生の声に、当然のごとくパンツとショーツが脱がされ、お尻が
外の風に吹かれてすーすーします。加えてアルコールたっぷりの脱脂綿
でお尻が綺麗に拭き取られますから、その意味でも私の緊張はマックス
でした。
 「さあ、歯を食いしばって」
 朝比奈お姉さまの声がして最初の一撃が……
 「パーン」
 乾いた音が部屋中に木霊します。もちろんお尻は物凄い衝撃でしたが、
存外びっくりするほどの痛みはありませんでした。
 「一つ、お姉さまありがとうございました」
 私は朝比奈のお姉さまにお礼をいいます。自分をお仕置きする人にあ
りがとうだなんて変かもしれませんが、これは亀山のしきたり。礼儀で
した。そして鞭打ちの最中はこれ以外何も言ってはならなかったのです。
 「さあ、もう一つよ」
 そう言って次の一撃が……
 「パーン」
 やっぱり意外なほど痛くなかったのです。
 「二つ、お姉さまありがとうございました」
「そう、ちゃんとご挨拶できるのね。でも、まだまだよ」
 「パーン」
 「ぅ……」
 でも、このあたりから痛みがお尻に蓄積され始めます。
 「三つ、お姉さまありがとうございました」
 「感心、感心、亀山の子はそうでなくちゃね。さあ、次よ」
 「パーン」
 「いっぃぃぃ」
 私はこの鞭で初めて園長先生を頼りました。それまで軽く握っていた
だけの二の腕を痛みに耐えかねて強く握ったのです。
 私ははっとしてすぐに手を離しましたが先生はにこやかに笑っておい
ででした。
 「四つ、お姉さまありがとうございました」
 「パーン」
 「ひぃ~~」
 私は五回目で思わず悲鳴を上げます。
 「五つ、お姉さまありがとうございました」
 不安定な身体を自分で制御しながら、しかも園長先生に迷惑をかけて
はいけないという思いから先生の身体に思いっきり抱きつく事もできま
せん。
 「パーン」
 「いやあ~~」
 悲鳴は続きます。その鞭は、トォーズの衝撃そのものはそれほどでも
ないのに、とても辛いお仕置きとなったのでした。
 「六つ、お姉さまありがとうございました」
 「まあ、最後はちょっとあやしかったけどいいでしょう」
 朝比奈のお姉さまは私の苦し紛れの悲鳴を見逃してくださいました。
 「ほっ……」
 私は思わず胸をなでおろします。しかし、鞭のお仕置きがこれで終わ
ったということではありませんでした。
 「さて、次は私の番よ」
 朝比奈のお姉さまに代わって今度は樺山のお姉さまが私の後ろに立ち
ます。
 ということは樺山のお姉さまが終わっても、さらに藤田のお姉さまも
控えていらっしゃるということじゃないですか。もう目の前が真っ暗に
なりそうでした。
 樺山のお姉さまも始める前に私のお尻をアルコール消毒します。
 「いやあ、やめてえ~~」
 恥ずかしい声が部屋中に木霊します。きっと、お友達だってそれを聞
いたはずです。そう思うと顔が真っ赤になりました。
 普段ならそんなにうろたえないはずなのに、ちょっと環境が変わった
せいでしょうか、動揺してしまいました。
 「いいから、私の胸に抱きつきなさい」
 「…………」
 私は一瞬躊躇しましたが背に腹は替えられません。園長先生のお言葉
に甘えることにしました。
 無我夢中で先生の大きな胸を抱きしめたのでした。
 「パーン」
 クッションに顔をうずめ、園長先生の背中に手を回して抱きしめると、
先生もまた私の背中を抱いてくださいます。結果、体がさっきより安定
したせいかお姉さまの鞭も比較的楽に受けられます。おまけに園長先生
と抱き合うことで心までもしっかり先生から守ってもらっているような
安らぎを感じます。
 ひょっとしら、こんなことも予想して学校ではあまりやらないやり方
での鞭打ちを選択されたのかもしれません。
 「一つ、……お姉さま、……お仕置き……ありがとうございました」
 途切れ途切れの感謝の言葉。涙でくしゃくしゃの顔はどうにもなりま
せん。鼻水をすすりながらそれを隠すように園長先生の胸の上に置かれ
たクッションに顔をダイブさせます。
 「だめねえ、あなた、そんなつっかえつっかえの言葉じゃ、ちっとも
反省してるよう聞こえないわよ。さあ、やり直し、もう一度最初からよ」
 樺山のお姉さまはこう言って再びトォーズを私のお尻で擦り擦り。
 十分じらしてから二発目、いえ一発目がやってきます。
 「パーン」
 「一つ、お姉さまありがとうございました」
 「あれ、お仕置きありがとうございましたじゃなかったっけ?」
 「えっ!?」
 「お仕置きという言葉が抜けたわよ。じゃあ、もう一度最初から…」
 「えっ?えええええ」
 私は泣きそうになりました。本当は今の姿勢を翻して、樺山お姉さま
の胸倉へ飛び掛りたいくらいだったのです。
 でも、それはできません。できることは……
 「はい」
 そう答えてより強く園長先生を抱きしめることだったのです。
 「(あっ……)」
 またアルコールでお尻が清められ、トォーズの革紐がお尻を擦り擦り。
 「…………」
 「パーン」
 「あっ!…………一つ、お姉さまお仕置きありがとうございました」
 不意をつかれて感謝の言葉が少しだけ遅れます。
 でも、樺山のお姉さまはそれすら問題にするのでした。
 「どうしたの?どうしてすぐに感謝の言葉がでてこないのかしら?…
…ひょっとして、私達じゃ嫌なの?」
 「違います」
 私は思わず大声を出しましたが…
 「だったら、感謝の言葉がなぜ遅れたの?」
 「それは……」
 私は即答できずにいました。
 でも、そのうちに今度はお姉さまが私のお尻を開いて中を覗き込みま
す。
 「…………」
 女同士ですから、それほど強烈な羞恥心があるわけではありませんが、
それでも……
 「可愛い」
 樺山のお姉さまに小声でそう言われると、私の顔は真っ赤になるので
した。
 「パーン」
 「一つ、お姉さまお仕置きありがとうございました」
 「やっと、まともにできたわね。……ところで、私、いくつあなたの
お尻をぶったんだっけ?」
 「えっ?……」
 突然の質問に面食らいます。実際その時の私はそれどころじゃありま
せんでしたから数なんて覚えていませんでした。
 「あら、大事なことも覚えてないのね。真剣にお仕置きを受ける気が
ないんじゃないの?」
 「(そんなあ~~)」
 「今までに、私、あなたのお尻を四回ぶったのよ?覚えておきなさい。
……じゃあ、また最初からよ」
 「(え~~もういやよ)」
 私はもう絶望的な気分でした。

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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