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§3

§3
 でも、その次の茜ちゃんの時でした。
 茜ちゃんは普段は私同様活発というか、お転婆な少女でした。ですが、
そんな子ほどこんな事には弱いものなのです。
 彼女はオムツに用を済ませ、私と同じように園長先生に抱えられて、
おまるのある場所へと移動させられようとしていましたが、どこか疳の
虫に触ったのでしょう。
 突然、激しく暴れて園長先生の両手から降りてしまいます。
 でも、その際……
 「うわっ!」
 自分がさっきやってしまったオムツの上に右足を下ろしてしまったの
です。
 「わあ、……あ~~あ、ばっちい子ね」
 大人たちが大慌てするなか、茜ちゃんは泰然自若として立ち尽くして
います。きっと、あまりの事に頭の回線が切れてしまったのかもしれま
せん。ぬちゃぬちゃウンチが白いソックスにべっちゃり着いてしまいま
した。
 「ピシャ!」
 園長先生の平手が茜ちゃんの可愛いお尻にヒットして乾いた音が部屋
中に響きます。
 「おとなしくしてないからでしょうが…」
 園長先生の叱責に茜ちゃんは無言のままでいましたが、心には響いた
みたいでした。
 すっかり正気に戻った茜ちゃんでしたが、大人たちはこの子にはこれ
では足りないと感じたのでしょう。再びオマルに跨り用を済ませたあと、
お股を綺麗に拭き上げてから薄いお布団に仰向けに寝かせます。
 「…………」
 茜ちゃんは言葉を発しませんでしたが、周りの雰囲気から、これから
自分が何をされるかわかっていたことでしょう。その無念さは私達の処
までも伝わってきます。
 「お注射するけど、動かないでね」
 茜ちゃんはお股をこれでもかというほど広げさせられて尿道口近くに
細身のお注射を受けます。
 お注射は局所麻酔のキシロカイン。今はゼリーで塗り薬ですが当時は
注射でした。
 「暴れたら大変な事になりますからね。わかってますね」
 なんて散々脅されたあげく震えながら大また開きを続けるのです。
 その目的は導尿でした。
 とたんに周囲の女の子たちが微妙にお股を閉じ腰をもじもじさせ始め
ます。もちろん今行われていることは茜ちゃんだけの問題、自分達には
関係のないことはわかっていますが、女の子たちにとっての『導尿』は、
その言葉を聞くだけで身の毛がよだつお仕置きであり、また胸の奥から
エロティクな気持ちを呼び覚ましてくれる魔法の言葉でもあったのです。
 女の子は赤ちゃんが出てくる場所とおしっこが出てくる場所がとても
近くにありますから、ウンチ以上におしっこをしている姿を見られる方
が恥ずかしいのです。
 しかも導尿はおしっこの穴からカテーテルと呼ばれる管を差し込まれ
て強制的におしっこさせられるわけで、先生しか見てない処でやられて
も消え入りたいほど恥ずかしいのに、それをお友達の前でやるわけです
からこんな屈辱的なお仕置きはありません。
 自分のおしっこが膿盆にたれていくのをぼんやり眺めている茜ちゃん
の心が尋常だったはずがありません。でも……
 「もしここで暴れたら、次は……)」
 茜ちゃんはそう思った事でしょう。そしてその先は、それは想像する
だに恐ろしい事だったのです。
 そんな茜ちゃんの様子を見ていて私の心は落ち着きを取り戻していき
ます。
 殿方には理解しにくいことかもしれませんが、女の子というのは自分
が人より恵まれていると感じる時より、自分より不幸な人がいると感じ
る時の方が安心できる生き物なのです。
 ですから、男性に「よくこんな悲惨な映像を正視できるなあ」なんて
感心されてしまいますが、女の子ならそれは当たり前のこと。だって、
私の方が『幸せ』で勝ってるんですから……
 そう、女の子は自分勝手で本当はとっても残忍な生き物なんです。
 それはともかく、茜ちゃんのおかげで私は息を吹き返します。
 「(私より不幸な子がいる)」
 そう思うことができたのです。
 あとはいつも同じでした。顔だけはちゃんと深刻そうに装っています
が、心の中はまるでバラエティー番組でも見ているかのようにお友達の
痴態をはしゃいで楽しんでいます。
 そこは子供ですから、すぐに落ち込みますが大人のようにネガティブ
に考え込むなんてこともありませんでした。
 「あら、今度は楽しいみたいね……」
 私は耳元でささやく女王様のために首を横に振りますがそこは女同士。
微妙な変化も見逃しませんでした。
 「いいのよ、それで…赤ちゃんは正直な方が良いわ。でもこれだけは
忘れてはだめよ。こんなお仕置きの最中に笑顔でいられるのも、あなた
たちには帰る家があるから、飛び込むベッドがあるから、安らげる大人
の胸があるからなのよ」
 彼女は続けます。
 「本来、孤児にはないこれらの物をお父様方が用意してくださったの。
だから間違ったことには一般家庭ににも負けないちゃんとしたお仕置き
ができて、社会に出ても立派な働きができて、それが亀山に還流して、
ここが孤児の楽園になったというわけ。あなたたちは分不相応なほどに
幸せ者なのよ」
 女王様のお話は亀山ではたいてい『このくそばばあ!お前、だいたい
説教が長いんだよ!』なんてお腹の中で思いながら聞いていましたが、
大人になると、その言葉の意味がわかります。
 赤の他人同士の社会では血の繋がりのある人たちのように『親だから
こんな事は当然してくれるだろう』という暗黙の了解事項のようなもの
がありません。ですから、これでもかというほど沢山のスキンシップが
常に必要になるわけです。『13の歳まで赤ちゃん』という人間関係も、
そういう関係でなければ子供の側が大人たちからの愛を素直に受け入れ
ないから、そうしているのです。
 お仕置きはそんな愛の一部として、大人たちがやる年中行事のような
ものですから、一見するとものすごく理不尽で厳しい事をしているよう
に見えるかもしれませんが、実際には『そのために心に深手を負った』
なんて子はいないと思いますよ。
 私だって、そりゃあお転婆でしたからね、厳しいお仕置きを山と受け
て山を降りましたが、だからと言って『あの時代が不幸だった』なんて
思った事は今まで一度もありませんでした。
 むしろその逆で、あの時代が一番楽しかったように思います。
 ま、そこにいた頃は、不満たらたらでしたけど……(⌒-⌒;)
 それはともかく、子供たちの列にはお浣腸を終えた子が次々と帰って
きて、それを女王様や樺山、藤田のお姉さまたちが慰めます。
 慰めるといっても膝に乗せて髪を撫でてお手々を揉み揉みする程度の
ことなんですが、これも亀山の習慣で子供達は何かお仕置きされた後は
必ず大人たちのよちよち抱っこを受けなければなりませんでした。
 中には「ほっといてよ!」と言いたい時だってありますがそれを拒否
するとお仕置きが増えますから大人たちの愛玩をおとなしく受けるしか
ありませんでした。つきりこれもまたお仕置きの一部だったのです。
 こう言うと、『嫌なことされてたのか?』と思う人もいるかもしれませ
んね。女の子はたまに虫の居所が悪い時があるというだけで普段はそん
な事ありませんよ。そりゃあぶたれてる時よりこちらの方がぐんといい
ですから。
 私なんて甘えん坊でしたからね「ほら、もう離れなさい」なんて言わ
れるまで大人たちの身体にセミみたいにくっついていました。 (⌒-⌒;)
 こうして、お浣腸のお仕置きが終わると、次はいよいよお尻たたきの
お仕置きが始まります。
 ところが、ここでなぜかお浣腸を受けなかった彩夏(さやか)ちゃん
や春奈(はるな)ちゃんが先にお仕置きを受けることに……
 その罪はお友達と一緒にいたのにその悪事を止めなかったから。
 二人とも園長先生のお膝にうつ伏せになり裸のお尻を平手で叩かれま
す。だいたい20回位でしょうか。終わり頃には手足がばたつき途切れ
途切れに悲鳴が漏れるという程度。世間の常識は知りませんが亀山では
軽い部類の罰です。
 そもそも最初からその程度で済ますつもりだったから二人にはお浣腸
をかけなかったのでした。
 ということは、私達はそれではすまない。そのことは他の子全員がわ
かっていたことだったのです。
 「さあ、おちびさんたち。これからがいよいよ本番ですよ」
 朝比奈お姉さまの笑みに全員の顔がこわばります。
 「大丈夫、試練は必ず乗り越えられるわ」
 近くにいた藤田お姉さまが私の手をとって励まして下さったのですが、
当時の私にすればそれは皮肉以外の何ものでもありませんでした。
 「清美さん、しらっしゃい」
 園長先生のご指名です。
 「はい」
 私は小さくご返事をして立ち上がります。視界の隅に陽光に包まれた
お庭が開け放たれたステンドグラスの扉の向こうに見えます。私は一瞬
そこへ駆け出したい衝動に駆られましたが……
 「どうしたの?」
 園長先生の声が再びします。
 もう、行かないわけにはいきませんでした。
 私は椅子に座った園長先生の足元で膝まづくと胸の前で手を組んで…
 「今回はお父様のサインを偽造してしまいました。どうかよい子に戻
れるようにお仕置きをお願いします」
 そう懺悔すると、園長先生はまず私を膝の上に抱き上げます。さっき
女王様や藤田のお姉さまとやっていたようにその膝の上に馬乗りになり
大きなお胸の中に顔をうずめて抱きつくのです。
 「いい子ね、ちゃんと懺悔ができたのね。亀山の子はこうでなければ
ならないわ。だってこれからもあなたはお父様の天使様として暮らすん
でしょう」
 「はい、先生」
 私はすでに体中が震えていました。園長先生はその身体をやさしく抱
きしめ頭をなでつけながら私の頭をご自分の胸の谷間へとさらに押し付
けます。
 「わかったわ。それでは辛いお努めだけど受けなきゃならないわね。
大丈夫、歯を食いしばって頑張ればすぐに終わるわ。そうすればあなた
はこれからもずっとずっとママやお父様から誰よりも大きな愛を受けら
れるはずよ」
 「本当に?」
 「もちろん、あなたのママやお父様は誰よりもあなたのことを心配な
さってるわ」
 「…………」園長先生はそう言って私の顔を覗き込みます。
 「子供は大人より沢山の悪さをするから大人より沢山お仕置きされる
けど、それが終われば、みんなもとの天使様。以前の綺麗な心のまま、
誰からも愛されるわ」
 「愛されるって大事?」
 「大事よ。特に女の子はどのくらい愛されているかでどのくらい幸せ
かがわかるの。どんなにお金を稼いでいても、愛されない人は幸せには
なれないわ」
 「…………」
 「さあ、では始めましょうか」
 園長先生はそう言うと私を膝の上でうつ伏せにして寝かせます。
 頭が少し下がってお尻がちょんと上がって、デニムのショートパンツ
がみんなの視線に晒されて自己主張しているはずです。
 そんなパンツを……
 「パン」「パン」「パン」「パン」「パン」「パン」
 園長先生は小気味よく叩きます。大きな音はしますが、厚い生地の上
からですからそれほど痛くはありません。
 次はモスグリーンのショートパンツが引き下ろされ白い綿のショーツ
が顔を出します。
 「パン」「パン」「パン」「パン」「パン」「パン」
 これも続けざまに6回ほど平手で叩かれましたが、足をちょっとばた
つかせただけで乗り切りました。
 でも、さすがにそりショーツまで取られて丸いお尻が現れると平常心
というわけにはいきません。
 「パン」
 たった一撃でそれまで跳ね上げなかった処まで足首が上がります。
「パン」
 思わず身体が硬くなります。両手両足は使えませんがそれ以外の部分
で園長先生のお膝を挟みつけようとします。
 「パン」
 「ぁぁ」
 小さな吐息と同時に握りこぶしを固めていました。
 「パン」
「いっ……」
 腰が小さくはねます。
 「パン」
「ひぃ」
 たった裸のお尻にたった5発命中しただけでもう悲鳴。
 これでは先が思いやられます。ですから、やせ我慢をして次を待ちま
した。
 「パン」
 「……」
 覚悟を決めて臨んだその1発だけは悲鳴を上げずにすみましたが……

 「パン」
 「いやあ~」
 最初の悲鳴が上がると後はぐずぐず……
 「パン」
「いやあ、だめえ~~」
 「パン」
 「駄目じゃないでしょう。さあ、お手々を戻して……」
 先生は私のお尻をかばった手を元の位置に戻します。
 「パン」
 「痛い、先生、痛い」
 「当たり前でしょう、お仕置きなんだから……さあ、お尻をさすらな
いの」
 「パン」
 「だめえ~~~」
 「駄目じゃないの。これから効果がでるんですからね」
 「パン」
「ひい~~」
 この時から朝比奈のお姉さまが私の右手を押さえてしまいます。
 ですから、私のお尻は園長先生の右手の独壇場。
 「パン」
 「いやいやいややや」
 お尻を叩く乾いた音と言葉にならない私の嬌声が部屋中に響きます。
 「パン」
「ぎぃあ~~ぎゃあ、ひぃぃひひひひひひひどい」
 「ひどくなんかありません。このくらいまだ序の口よ」
 「パン」
 「パン」
 「パン」
 あとは何回叩かれたか覚えていませんが、園長先生のお膝から降りた
時、顔が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていたのは確かでした。
 そんなひどい顔を樺山のお姉さまがタオルでぬぐってくださいます。
 おかげでその間は真っ赤になっているであろうお尻を沢山さすること
ができたのでしたが……
 「さあ、お父様の写真の前で懺悔なさい」
 ただその後は、そのままの格好、つまりショーツも脱がされた格好で
お父様の写真が飾られた壁の真下に膝まづき亀山流の乙女の祈りを捧げ
なければならなかったのです。
 「私はお父様のサインを偽造してしまいました。どうかもとのよい子
に戻れますように厳しいお仕置きをお与えください」
 お尻の痛みはすぐに引きましたが、涙は次から次にあふれて止まりま
せん。こうした時、子供たちは同じ懺悔の言葉を延々繰り返さなければ
なりませんでした。
 むき出しのお尻の方は数回懺悔の言葉を口にすると「パンツを上げて
いいわよ」ってお許しがでますが、懺悔の言葉は相変わらず繰り返さな
ければなりません。もちろんそんなこと子供達とっては苦痛ですから、
次第に声が小さくなったり、言葉が不明瞭になったりしますが、そんな
ことをしていると、見張りの先生にその場で四つんばいになるよう命じ
られ、またパンツを下ろされて、革のパドルでお尻をぶたれるはめにな
ります。
 今回はそのお努めを樺山のお姉さまがなさっていました。
 革のパドルはせいぜい5、6回。沢山ぶたれればそりゃあ痛いのです
が、このくらいならそれほど痛みはありません。ただ、四つんばいにな
るということは、またしても大切な処が丸見えになっちゃいますから、
その意味で辛いお仕置きだったのです。
 私の周りには次第に最初の平手打ちを終わった子たちが周囲に集まり
始めます。それは私以上に泣き叫んだり暴れたりした子ばかりでした。
 『ちっ、意気地のない子』
 私は心の中でちょっぴり場違いな優越感に浸ります。
 えっ?どうしてそんな事がわかるのか?(^◇^;)
 いえ、わかりませんよ。私が勝手にそう思ってるだけです。ひょっと
したら私より我慢強い子がいたかもしれません。でも、そんな事はどう
でもいいんです。女の子というのは、どんなにつまらない思い込みでも
それを心の支えにして過酷な試練も乗り切れるのでした。
 女の子が男の子以上に打たれ強いのはこの思い込みがあるからでした。
 やがてすべての子のお尻叩きが終わり、私の背中では何やら舞台装置
が整えられているのがわかります。最初にお浣腸までしたんですから、
きっとお馬を用意しているのでしょう。
 その覚悟はもうとうについていました。
 亀山では、小学三年生までの子にはほとんどのお仕置きが平手だけの
スパンキング。鞭を使っての厳しいお仕置きというのはありません。
 それが四年生になると、お仕置きに鞭が登場し、同時にお浣腸もやら
なければならなくなります。とりわけ小学五年生から中学一年生までの
三年間は厳しいお仕置きの最盛期で、この時期に鞭とお浣腸とお灸をい
っぺんにやる『トリプル』と呼ばれるお仕置きを経験しない子はいなか
ったと思います。
 もちろん女の子ですから、男の子みたいに無鉄砲な事はしませんが、
女の子とはいえこの頃は体力的にも男勝りのの時期。大人たちが女の子
達が震え上がるようなお仕置きを言い渡すためのネタに不自由すること
なんてありませんでした。
 「駒田清美さん、こちらへいらっしゃい」
 また、私からです。もちろん振り返りたくもありませんが、今更逃げ
出すこともできませんでした。
 長い間膝まづいていましたから立ち上りぎわふらついてしまいます。
そうやって後ろを振り返ると、そこには椅子に座った女王様を取り囲む
ように園長先生や朝比奈、樺山、藤田の各お姉さま方が立ってこちらを
見ておられますが、私の方から見れば全員ふらふらと陽炎のように揺れ
ておられました。
 私はおぼつかない足で前へ進むと女王様の足元に膝まづきます。
 「本日はお仕置きありがとうございます。これからもこの地で幸せに
くらせますように厳しいお仕置きをお願いします」
 私は心にもない事をすらりと言いぬけました。だって、これは亀山の
ご挨拶。どのくらい悪い子だったか、本当にそう思ってるかなんて事は
この際、関係ありませんから。
 でも、大人たちの評価は違っていました。
 「まあ、素直ないい子じゃなくて…」
 「ほんと、目が澄んで美しいわ」
 「お父様もこんな子ばかりならお幸せにちがいないわね」
 三人のお姉さまたちはこちらの背中が痒くなるような事を口々言って
私を褒めます。そして、園長先生や女王様まで……
 「明るい子なの。勉強もできるし水彩画なんかここ何年も県展で連続
入選してるわ」
 「じゃあ、お父様も可愛がってくださるんじゃなくて……」
 「よく教室にいらっしゃるから、きっとお父様もこの子には目をかけ
られてると思うわ。……ま、私の立場で言わせていただくと、お転婆で
お調子者で、大人に取り入るのが上手だから、時々今回みたいにお友達
をそそのかしてよからぬ事をたくらんだりするから要注意人物だけど」
 「まあ、酷い言われようね。こんなにいい子なのに」
 「でも、男性って、そのくらいの方がかえって歯ごたえがあって付き
合いやすいみたいよ」
 園長先生とお姉さま方の会話の中に女王様も混じります。
 「これは正式に要請があったわけじゃないけど、藤山のお父様は中学
からこの子を男の子の中で学ばせようとお考えのようなの」
 「(えっ!何よ、それ!聞いてないわよ!)
 私は女王様の口から出た突然の辞令に戸惑いを隠せませんでした。
 亀山は基本的に女の子の世界です。小学校は一クラス6人から8人で
構成されていますが大半は女子。男の子はクラスに1人か2人しかいま
せん。その男子も中学になると男子だけで集まって授業に臨みますから
中学からは晴れて女の園で学べるはずだったのです。
 ところが、女の子であっても一学年に一人か二人、男の子のクラスに
編入される子がいて、そうした子は、以降男の子と一緒に全寮制の高校
へ進学、四年制大学を目指すことになります。
 そう、今で言うキャリアウーマンへの道が敷かれてしまうわけです。
 ここにいるお姉さまにしたところでつまりはそういうルートから今日
あるわけで、私も同じ道を進めと命じられたわけです。
 でも、それは私の人生設計からは大きく外れていました。
 私の予定ではこれからも他の女の子たちと一緒に中学高校を卒業し、
短大を経てお父様が用意してくださった方と結婚。子供ができたら……
びしびしお尻を叩いて育てようと思っていたのです。

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このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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