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10/16 御招ばれ(7)
10/16 御招ばれ(7)
*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)
***************************
<主な登場人物>
春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
医者として独立、『茜』という養女をもらっているが、
春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。
高瀬先生……古くから大西家に出入りしているお医者様。特に
子供達へお仕置きがある時は浣腸や導尿などでお手伝い
もする。
明子さん……長い間大西家に仕えている女中さん
****************************
「お母さん、高瀬先生、お願いします」
茜さんは正座して両手を畳に着けて頭を下げます。
「やっと、素直になったみたいね。女の子がふてくされた顔を
人様にみせてはいけません。何度も言い聞かせてることでしょう。
あなたももう子供じゃないんだからそのあたりは分別をつけない
と……」
お母さんの言葉に、高瀬先生は……
「茜ちゃんも最近は恥ずかしいんでしょう。近くに女医先生が
おられればいいのだが、あいにくこの辺りは男医者ばかりだから」
「まさか、そんなこと。……お仕事でみえられた先生にそんな
失礼なことを思っていたら、今度あらためて、キツイお仕置きを
しなければなりませんわ」
お母さんの鋭い視線ときつい言葉に茜さんはひるみます。
誰だって家族でもない中年男に自分の大切な部分を見られたり
触れられたりするのは心地よくありません。…ましてや、これが
お仕置きに繋がる事となれば、茜さんに同情する余地は沢山ある
と思います。
でも良家の子女はそんな感情を一切表に出してはいけませんで
した。お医者様や学校の先生やもちろん親に対しても、反抗的な
態度は一切許されていません。
これもまた一つの厳しい現実(躾)だったのです。
お母さんは躾けた通りに振舞う茜さんの態度に満足したみたい
でした。
「では、ここへ来て、いつものように先生の健康診断をお受け
なさい」
お母さんは敷かれた薄いお布団を叩きます。
もちろんそれは否応なしでした。
ブラウスもスカートもスリップもそこで脱いで綺麗にたたんで
から布団の上に上がります。
身につけているのは、ジュニア用のブラとショーツだけ。つい
1年ほど前まではショーツだけでした。
「茜、先生の診察のお邪魔になるわ。ブラも取りなさい」
お母さんの声が聞こえましたが……
「大丈夫ですよ、お母さん。そのままで」
高瀬先生はそこはお母さんを制して茜さんを膝まづかせた姿勢
でご自分の前に立たせます。
最初は聴診器で心音を聞き、肺や内臓にも異常がないかをチェ
ック。お腹を揉んだり、背中に回って肩甲骨の下辺りを叩いたり、
そこにも聴診器を当てたりします。
そうやって型どおりの触診をすませた先生が次になさったのは、
茜さんの上半身のチェックでした。
頭の天辺から腰の辺りまで、傷はないか、湿疹、吹き出物など
できていないか、皮膚は健康な肌つやをしているか、そんな事を
細かく見て回ります。
そして、その最後に、茜さんに頭の後ろで両手を組ませると、
ブラをほんの少し捲り上げて、乳房の様子も確かめます。
「……(あっ~~、あっ~~、いや、いや、気持悪い)……」
茜さんは口にこそだしませんが、その瞬間は身体をよじりたい
気持で一杯でした。
決して長い時間ではありません。先生が触れていたのは、一つ
十秒ほど、二つあわせても三十秒と掛かっていないと思いますが、
茜さんは先生から自分の乳房を揉みほぐされ、さらには、もっと
敏感な乳頭までも先生の指先で刺激されることになります。
「……(あっ!いやあ!!)……」
その瞬間は、顔をゆがめ、思わず大声を出しそうになります。
できることなら先生の頭に空手チョップをお見舞いしたいとこ
ろです。でも、我慢するしかありませんでした。
こんなこと、今が初めてじゃないから我慢できるのかもしれま
せん。幼い頃から定期的にやられてきたことで諦めがあるのかも
しれません。
ただ、春の目覚めとともに茜さんには昔と同じ場所を触られて
いてもその心の奥底に微妙な変化が生じているのも確かでした。
もちろん、身体検査は上半身だけではありませんでした。
「上半身、どこも問題ないようですな。湿疹、吹き出物のたぐ
いもありませんし、触診による異常もありませんでした。いやあ、
綺麗な肌をしておられる。鮫肌の私などは羨ましい限りだ」
先生は水差しのお湯をご自分で継ぎ足して再び洗面器のお湯で
手を洗います。
「先生、茜は少しおっぱいの発達が遅いようにも感じられるの
ですが……」
「(はははは)それは心配いりません。乳房の発達には個人差
が大きいですから………そういえば、うちの大学なんか、女子の
学生は揃いも揃ってみんなAカップでしたよ。……比較的偏差値
の高い学校でしたから、『あいつら頭に栄養がいるぶん、胸には
まわってこないんじゃないか』なんて男どもが戯(ざれ)ごとを
言ってたくらいです」
「そういうものなんですか」
お母さんが真顔で心配すると、高瀬先生は慌てたように……
「いえいえ、戯ごとです。医学的な根拠があっての事ではあり
ませんよ」
部屋中に響くような高笑いで先生は打ち消します。
そんな大人たちの会話を聞きながら、茜さんは黙って上着だけ
を着始めます。
でも、下半身は相変わらずショーツ1枚。
いえ、茜さんにとってはむしろこれからが問題でした。
明子さんが用意してくれた二つ折りの座布団の上に腰を乗せて
仰向けに寝ると、高瀬先生の顔が急に真剣になります。
「お、準備できたかな……じゃあ、いつもの通りね」
高瀬先生のその言葉が合図でした。
いつも通り明子さんが茜さんの顔にタオルが掛け、お母さんが
ショーツを剥ぎ取ります。
普段風の当たらないところに当たる風は冷たく感じられますが、
お母さんと明子さんによって両足が高く持ち上げられ、さらに、
その足が左右に引き裂かれると、少しずつ芽生え始めた茜さんの
少女としてのプライドも、一緒にどこかへ飛んでいってしまった
ようでした。
真空状態の頭の中では何も考えられません。でも、茜さんは、
しばしの間こうしているより仕方がありませんでした。
「……………………………………………………………………」
高瀬先生が少女の奥の院を観察している間、大人たちは一様に
無言です。冷やかしも励ましも何もありませんでした。
柱時計の時を刻む音だけが部屋中に響いて、それだけが茜さん
の耳にも届いていました。
やがて……
「……(あっ、いやあ)………(だめ、くすぐったい)………
(あっ、冷たい)………(やめてえ~~)……(だめえ~~)」
ドーナツ状の丸い鏡を頭に巻いた高瀬先生が、茜さんの感じる
部分を次々と素手で触り始めます。今日からみると随分と乱暴な
ようですが、当時はまだこんな時にまでゴム手袋をはめる習慣が
ありませんでした。
「……(あっ、いやあ~出ちゃう)……」
一番最初に触れられたオシッコの出口は、ほんのちょっと触れ
られただけでオシッコが漏れそうでしたし……まだまだ未開発の
小さな突起も、先生の指が触れただけで電気が走ります。
「……(あっだめ、くすぐったい)……」
ウンチの出る穴には、先生の人指し指が無遠慮に入って来て、
これでもかというほどかき回してから出ていきました。
「(うっっっ、もうやめてよう、芋虫が入って来たみたいよ。
気持悪いんだから)……」
さらに、赤ちゃんの出口に拡張器が当てられると、その瞬間は
金属の冷たい感触に身体が反り、声が出そうでした。
「……(いや、冷たい)……(やめてえ~)……(だめえ~)」
苦行の時間は実際には5分程度です。
でも……
「もう、いいよ」
先生の言葉がなんと嬉しかったことか……
両足が布団の上に下ろされ、ショーツを引き上げます。
脱がされるときはお母さんでしたが、引き上げる時はたいてい
茜さん自身でした。
「お母さん何も心配いりませんよ。茜さんは健康そのものです。
13歳としては何の問題もありません。男の子は特にそうですが、
女の子もあと一年、14歳になる頃には劇的に変化しますから、
安心してください」
先生は例によって洗面器のお湯で手を洗いながらお母さんには
嬉しい報告をします。
「私は、茜が身体だけ大きくなっていくようで、ひょっとして
発達障害なのかと……」
「(ははは)それは取り越し苦労というものです。この程度は
遅れのうちに入りませんよ。人によって発達のスピードというの
は違うものです。問題はありませんから」
にこやかな大人二人の雑談は茜さんの耳にも届きますが、でも、
そんなこと、今の茜さんにしてみたらどうでもよいことでした。
『何言ってるのよ。私の体がいつ大人になろうとお母さんには
関係ないじゃない。そもそも、そんなことをお医者様まで使って
なぜ調べなきゃならないのよ』
茜さんは、お腹の中では苦々しくそう思っていましたが、例に
よって大人たちに向かってそんな事、声に出す勇気はありません。
いえ、そんな事より、茜さんにとっては、次に控えるお浣腸が
何より心配でしたから、今はそのことで頭が一杯だったのでした。
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*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)
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<主な登場人物>
春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
医者として独立、『茜』という養女をもらっているが、
春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。
高瀬先生……古くから大西家に出入りしているお医者様。特に
子供達へお仕置きがある時は浣腸や導尿などでお手伝い
もする。
明子さん……長い間大西家に仕えている女中さん
****************************
「お母さん、高瀬先生、お願いします」
茜さんは正座して両手を畳に着けて頭を下げます。
「やっと、素直になったみたいね。女の子がふてくされた顔を
人様にみせてはいけません。何度も言い聞かせてることでしょう。
あなたももう子供じゃないんだからそのあたりは分別をつけない
と……」
お母さんの言葉に、高瀬先生は……
「茜ちゃんも最近は恥ずかしいんでしょう。近くに女医先生が
おられればいいのだが、あいにくこの辺りは男医者ばかりだから」
「まさか、そんなこと。……お仕事でみえられた先生にそんな
失礼なことを思っていたら、今度あらためて、キツイお仕置きを
しなければなりませんわ」
お母さんの鋭い視線ときつい言葉に茜さんはひるみます。
誰だって家族でもない中年男に自分の大切な部分を見られたり
触れられたりするのは心地よくありません。…ましてや、これが
お仕置きに繋がる事となれば、茜さんに同情する余地は沢山ある
と思います。
でも良家の子女はそんな感情を一切表に出してはいけませんで
した。お医者様や学校の先生やもちろん親に対しても、反抗的な
態度は一切許されていません。
これもまた一つの厳しい現実(躾)だったのです。
お母さんは躾けた通りに振舞う茜さんの態度に満足したみたい
でした。
「では、ここへ来て、いつものように先生の健康診断をお受け
なさい」
お母さんは敷かれた薄いお布団を叩きます。
もちろんそれは否応なしでした。
ブラウスもスカートもスリップもそこで脱いで綺麗にたたんで
から布団の上に上がります。
身につけているのは、ジュニア用のブラとショーツだけ。つい
1年ほど前まではショーツだけでした。
「茜、先生の診察のお邪魔になるわ。ブラも取りなさい」
お母さんの声が聞こえましたが……
「大丈夫ですよ、お母さん。そのままで」
高瀬先生はそこはお母さんを制して茜さんを膝まづかせた姿勢
でご自分の前に立たせます。
最初は聴診器で心音を聞き、肺や内臓にも異常がないかをチェ
ック。お腹を揉んだり、背中に回って肩甲骨の下辺りを叩いたり、
そこにも聴診器を当てたりします。
そうやって型どおりの触診をすませた先生が次になさったのは、
茜さんの上半身のチェックでした。
頭の天辺から腰の辺りまで、傷はないか、湿疹、吹き出物など
できていないか、皮膚は健康な肌つやをしているか、そんな事を
細かく見て回ります。
そして、その最後に、茜さんに頭の後ろで両手を組ませると、
ブラをほんの少し捲り上げて、乳房の様子も確かめます。
「……(あっ~~、あっ~~、いや、いや、気持悪い)……」
茜さんは口にこそだしませんが、その瞬間は身体をよじりたい
気持で一杯でした。
決して長い時間ではありません。先生が触れていたのは、一つ
十秒ほど、二つあわせても三十秒と掛かっていないと思いますが、
茜さんは先生から自分の乳房を揉みほぐされ、さらには、もっと
敏感な乳頭までも先生の指先で刺激されることになります。
「……(あっ!いやあ!!)……」
その瞬間は、顔をゆがめ、思わず大声を出しそうになります。
できることなら先生の頭に空手チョップをお見舞いしたいとこ
ろです。でも、我慢するしかありませんでした。
こんなこと、今が初めてじゃないから我慢できるのかもしれま
せん。幼い頃から定期的にやられてきたことで諦めがあるのかも
しれません。
ただ、春の目覚めとともに茜さんには昔と同じ場所を触られて
いてもその心の奥底に微妙な変化が生じているのも確かでした。
もちろん、身体検査は上半身だけではありませんでした。
「上半身、どこも問題ないようですな。湿疹、吹き出物のたぐ
いもありませんし、触診による異常もありませんでした。いやあ、
綺麗な肌をしておられる。鮫肌の私などは羨ましい限りだ」
先生は水差しのお湯をご自分で継ぎ足して再び洗面器のお湯で
手を洗います。
「先生、茜は少しおっぱいの発達が遅いようにも感じられるの
ですが……」
「(はははは)それは心配いりません。乳房の発達には個人差
が大きいですから………そういえば、うちの大学なんか、女子の
学生は揃いも揃ってみんなAカップでしたよ。……比較的偏差値
の高い学校でしたから、『あいつら頭に栄養がいるぶん、胸には
まわってこないんじゃないか』なんて男どもが戯(ざれ)ごとを
言ってたくらいです」
「そういうものなんですか」
お母さんが真顔で心配すると、高瀬先生は慌てたように……
「いえいえ、戯ごとです。医学的な根拠があっての事ではあり
ませんよ」
部屋中に響くような高笑いで先生は打ち消します。
そんな大人たちの会話を聞きながら、茜さんは黙って上着だけ
を着始めます。
でも、下半身は相変わらずショーツ1枚。
いえ、茜さんにとってはむしろこれからが問題でした。
明子さんが用意してくれた二つ折りの座布団の上に腰を乗せて
仰向けに寝ると、高瀬先生の顔が急に真剣になります。
「お、準備できたかな……じゃあ、いつもの通りね」
高瀬先生のその言葉が合図でした。
いつも通り明子さんが茜さんの顔にタオルが掛け、お母さんが
ショーツを剥ぎ取ります。
普段風の当たらないところに当たる風は冷たく感じられますが、
お母さんと明子さんによって両足が高く持ち上げられ、さらに、
その足が左右に引き裂かれると、少しずつ芽生え始めた茜さんの
少女としてのプライドも、一緒にどこかへ飛んでいってしまった
ようでした。
真空状態の頭の中では何も考えられません。でも、茜さんは、
しばしの間こうしているより仕方がありませんでした。
「……………………………………………………………………」
高瀬先生が少女の奥の院を観察している間、大人たちは一様に
無言です。冷やかしも励ましも何もありませんでした。
柱時計の時を刻む音だけが部屋中に響いて、それだけが茜さん
の耳にも届いていました。
やがて……
「……(あっ、いやあ)………(だめ、くすぐったい)………
(あっ、冷たい)………(やめてえ~~)……(だめえ~~)」
ドーナツ状の丸い鏡を頭に巻いた高瀬先生が、茜さんの感じる
部分を次々と素手で触り始めます。今日からみると随分と乱暴な
ようですが、当時はまだこんな時にまでゴム手袋をはめる習慣が
ありませんでした。
「……(あっ、いやあ~出ちゃう)……」
一番最初に触れられたオシッコの出口は、ほんのちょっと触れ
られただけでオシッコが漏れそうでしたし……まだまだ未開発の
小さな突起も、先生の指が触れただけで電気が走ります。
「……(あっだめ、くすぐったい)……」
ウンチの出る穴には、先生の人指し指が無遠慮に入って来て、
これでもかというほどかき回してから出ていきました。
「(うっっっ、もうやめてよう、芋虫が入って来たみたいよ。
気持悪いんだから)……」
さらに、赤ちゃんの出口に拡張器が当てられると、その瞬間は
金属の冷たい感触に身体が反り、声が出そうでした。
「……(いや、冷たい)……(やめてえ~)……(だめえ~)」
苦行の時間は実際には5分程度です。
でも……
「もう、いいよ」
先生の言葉がなんと嬉しかったことか……
両足が布団の上に下ろされ、ショーツを引き上げます。
脱がされるときはお母さんでしたが、引き上げる時はたいてい
茜さん自身でした。
「お母さん何も心配いりませんよ。茜さんは健康そのものです。
13歳としては何の問題もありません。男の子は特にそうですが、
女の子もあと一年、14歳になる頃には劇的に変化しますから、
安心してください」
先生は例によって洗面器のお湯で手を洗いながらお母さんには
嬉しい報告をします。
「私は、茜が身体だけ大きくなっていくようで、ひょっとして
発達障害なのかと……」
「(ははは)それは取り越し苦労というものです。この程度は
遅れのうちに入りませんよ。人によって発達のスピードというの
は違うものです。問題はありませんから」
にこやかな大人二人の雑談は茜さんの耳にも届きますが、でも、
そんなこと、今の茜さんにしてみたらどうでもよいことでした。
『何言ってるのよ。私の体がいつ大人になろうとお母さんには
関係ないじゃない。そもそも、そんなことをお医者様まで使って
なぜ調べなきゃならないのよ』
茜さんは、お腹の中では苦々しくそう思っていましたが、例に
よって大人たちに向かってそんな事、声に出す勇気はありません。
いえ、そんな事より、茜さんにとっては、次に控えるお浣腸が
何より心配でしたから、今はそのことで頭が一杯だったのでした。
****************************
10/15 御招ばれ(6)
10/15 御招ばれ(6)
*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)
***************************
<主な登場人物>
春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
医者として独立、『茜』という養女をもらっているが、
春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。
高瀬先生……古くから大西家に出入りしているお医者様。特に
子供達へお仕置きがある時は浣腸や導尿などでお手伝い
もする。
明子さん……長い間大西家に仕えている女中さん
****************************
その人は、いきなりお母さんや茜さんがいる部屋へと現れます。
玄関の呼び鈴も押さず、誰にも声を掛けず、長い廊下をつかつか
と歩いて、茜さんのいる部屋に顔を出すなり、帽子を取って……
「こんにちわ」
と言うだけでした。
そして、お母さんもまたそんな失礼なお客様を咎めたりはしま
せん。
むしろ……
「まあ、先生。よくいらっしてくださいましたわ。ちょうど、
お迎えに上がろうかと思っていたところなんですよ」
お母さんは恐縮したように座布団を勧めます。
「ちょうど往診のついでがありましたから、立ち寄ってみたん
です」
茜さんは大人の会話に耳を傾けながらも、白衣姿の先生の顔を
見たとたん、血の気がうせて呆然と立ちすくんでしまいます。
こう言うのを茫然自失というのでしょうか、茜さんはお母さん
に……
「ほら、何、突っ立ってるの。先生にご挨拶なさい」
と言われるまでその場から一歩も動くことができませんでした。
「先生、こんにちわ」
ぶっきらぼうなご挨拶でしたが、気を取り直して茜さんが正座
すると、高瀬先生はそんな少女のあれこれに気を回すことなく、
笑顔で受け答え。
「はい、こんにちわ。茜ちゃん、元気だったかい。相変わらず
赤いほっぺして元気そうだね。今はどうですか?お腹の調子は?」
「…………」
茜さんが答えにくそうなので、代わってお母さんが答えます。
「それが、最近、また便秘がぶり返してきたみたいで……」
「そんなことないもん」
茜さんは、一旦正座して踵に着いていたお尻を浮かし、思わず
身を乗り出して反論します。
それは、この便秘がお浣腸へと繋がることを恐れたからでした。
「保健の先生が三四日なら問題ないって……」
「何言ってるの。あなたの場合は、一週間も出ないことがある
でしょう」
「そんなの、たまたまじゃない」
「たまたまなんかじゃありません」
「まあ、まあ、一度や二度ならそう問題ないでしょうが、毎回、
毎回となると、ちょっとやっかいかもしれませんね。茜ちゃんの
場合は習慣性になっているかもしれませんから……」
高瀬先生の言葉にお母さんはわが意を得たりとばかり、
「ほら、ごらんなさい」
と言うのでした。
「先生、今日で五日目なんで……そろそろ出してしまいたいん
ですが……」
「わかりました。……茜ちゃん、ここに寝てごらんなさい」
高瀬先生はいつものように茜さんを仰向けに寝かせると座布団
を腰の下に当てさせ、お腹を押してその張りをチェックします。
「なるほど、少し張ってるかな」
先生は茜さんのお腹を触診すると、用意された洗面器のお湯で
手を洗います。
そんな先生を見ながらお母さんは尋ねました。
「浣腸はどのくらいの量、やった方がいいでしょうか?」
「そうですねえ、30㏄から50㏄もあれば足りると思います
が、ご心配なら100㏄でもかまいませんよ」
「そんなに、大丈夫なんですか?」
「心配要りませんよ。茜ちゃんも、もう体が大きいですからね、
100㏄くらいは耐えられますよ」
高瀬先生とお父さんとは古くからの友人。この家にも茜さんが
生まれる前から出入りしていますから、大西家の家庭の事情にも
精通しています。ですから、部屋に入った瞬間の茜さんの表情を
見て、『今夜は、お仕置きだな』と悟ったのでした。
そして、もし、お仕置きとしてやるのであれば、30や50㏄
では親御さんも物足りないはずだから、どの程度が上限かを知り
たいはず。そう読んだのでした。
「それでは、100㏄でお願いできますでしょうか」
「よろしいですよ。ただ、看護婦は帰してしまいましたので、
私でよければ…ですが……」
「もちろんですわ」
大人たちの会話は茜さんには残酷に響きます。でも、13歳の
少女なんて、世間の大人たちにしてみたらまったくの子供。何を
どうされても「年端も行かない小娘のくせに偉そうに口答えする
んじゃありません」とすごまれればそれで終わりだったのです。
中学生になったといっても、大人たちの扱いは小学生のまま。
時折、『茜ちゃん』だった呼び名が『茜さん』に変化しますが、
それだけでした。
どうしようもない現実が茜ちゃんを支配します。
「明子さん、明子さん、……ここにお布団敷いてちょうだい。
茜にお浣腸しますから」
お母さんが女中の明子さんに指示する声を茜さんはどこか遠く
の出来事のように聞いていました。
明子さんが部屋に現れると……
やがていつものように薄い布団が持ち込まれ、目の前に敷かれ
ます。タオル、オムツ、天花粉……もちろん、グリセリン溶液の
入ったこげ茶色の薬壜や50㏄入りのガラス製ピストン浣腸器も
洗面器に入れられて大事そうに目の前を通り過ぎていきました。
もちろん、これって始めての経験ではありません。幼い頃から
二ヶ月に一回は必ず受けてきた習慣なのです。ですが、茜さんが
これに慣れるということはありませんでした。
むしろ、それが次第に辛い行事になってきたのです。
もちろん、年齢と共に恥ずかしいという気持が増してきたのは
事実ですが、それよりも、これをやらされるたびに、自分自身が
世の中から否定されてしまったようで辛かったのでした。
まるで赤ちゃんのように何も出来ない、何もさせてもらえない
自分は家族の厄介者のような気がして嫌だったのでした。
「準備ができたわよ。いらっしゃい」
お母さんは高瀬先生がいらっしゃるので猫なで声で茜ちゃんを
呼びます。
もちろん、茜ちゃんは目の前の布団に寝そべるしかありません。
今さら何か反抗できるわけではありませんが……
「さあ。早くなさい」
お母さんに催促されてから、恐る恐る敷かれた敷布団に近づき
ます。
そこではお医者様の高瀬先生、女中の明子さん、お母さんまで
もが正座したままの姿勢で近づく茜ちゃんを見ています。
それって、何だか映画のワンシーンのようです。
もちろん、そんなの気持のいいことではありませんが、でも、
心の底のどこかには『悲劇のヒロイン』になった気分もあります。
そう考えると、不思議に勇気も沸いてくるのでした。
やっとの思いで布団の縁まで辿り着くと、お母さんは……
「まず、そこへお座りなさい」
と命令しました。
もちろん正座で、茜さんがその場に座ると……
「いいですか、これからお浣腸を行いますけど、これは便秘の
治療だけでなく、お父様からお仕置きを頂いた時に、粗相が起き
ないようにするためのものでもありますからね。十分な量で行い
ます。……言ってる意味、わかりますね?」
「はい、お母さん」
茜さんは小さな声でしたが、お母さんは満足したみたいでした。
「よろしい。今日は50㏄の浣腸器で二本分、100㏄を我慢
しなさい。我慢がお仕置きになりますからあえてお尻の穴に栓は
しませんけど、万が一ここで粗相などあったら困りますからね、
オムツをあてます」
「(えっ、オムツ)」
茜さんの顔が思わず歪んだのは、それが予想外だったからかも
しれません。
「20分たったらオムツを外してあげますから、お外のトイレ
で用を足しなさい」
お母さんは凛とした態度で宣言しますが、茜さんは自信があり
ませんでした。そこで……
「私、そんなに我慢できないかもしれないと思うんですけど」
怯えた様子でお伺いをたてると、お母さんは冷静です。
「あなたも、もう小さな子供じゃないの。中学生なんだから、
そのくらいは我慢しないといけないわね。……もし、どうしても
ダメだったらオムツになさい。私が片付けてあげるから……」
「えっ!それは……」
もちろん、茜ちゃんはそんなことされたくありませんでした。
十三にもなった子がたとえ身内のなかだけとはいえ、ウンチの
着いたオムツを母親に換えてもらうなんて、惨め過ぎます。
「……どうしたの?嫌なの?仕方がないでしょう。何一つ根気
や根性のないあなたにはお似合いのお仕置きだと思うわよ。……
ちょうどいい訓練になるでしょうから……」
「…………」
茜ちゃんは心臓が締め付けられる思いでした。
「もし、そんなこと、死ぬほど恥ずかしいことだと思うのなら
死ぬ気で頑張ることね。そうすれば、お灸のお仕置きだけは堪忍
してあげるわ」
「(えっ!お灸も?)」
茜さんの頭の中で何かが光ります。
それは究極の恐怖でした。
幼い子にもお尻ペンペンの罰はありますが、そんな場合だって
親は本気で叩いたりしません。でも、お灸は誰がやられても強烈
な熱さは同じでした。ですから、幼い子の場合、お灸のお仕置き
はより強烈な恐怖の記憶として成長しても心の奥底に残ります。
茜さんも、その昔の思い出がフラッシュバックしたのでした。
「(お母さんに泣きつこうか?)」
恥も外聞もなく、『ごめんなさい』を言ってお膝にすがる。
幼い日ならきっとそうしていたでしょう。でも、中学生になる
と、悲しいかな逆にその勇気が沸いてきませんでした。
『今さらそんな子供じみたこと……』
余計なプライドが邪魔をします。
もう、残された道は一つしかありませんでした。
****************************
*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)
***************************
<主な登場人物>
春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
医者として独立、『茜』という養女をもらっているが、
春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。
高瀬先生……古くから大西家に出入りしているお医者様。特に
子供達へお仕置きがある時は浣腸や導尿などでお手伝い
もする。
明子さん……長い間大西家に仕えている女中さん
****************************
その人は、いきなりお母さんや茜さんがいる部屋へと現れます。
玄関の呼び鈴も押さず、誰にも声を掛けず、長い廊下をつかつか
と歩いて、茜さんのいる部屋に顔を出すなり、帽子を取って……
「こんにちわ」
と言うだけでした。
そして、お母さんもまたそんな失礼なお客様を咎めたりはしま
せん。
むしろ……
「まあ、先生。よくいらっしてくださいましたわ。ちょうど、
お迎えに上がろうかと思っていたところなんですよ」
お母さんは恐縮したように座布団を勧めます。
「ちょうど往診のついでがありましたから、立ち寄ってみたん
です」
茜さんは大人の会話に耳を傾けながらも、白衣姿の先生の顔を
見たとたん、血の気がうせて呆然と立ちすくんでしまいます。
こう言うのを茫然自失というのでしょうか、茜さんはお母さん
に……
「ほら、何、突っ立ってるの。先生にご挨拶なさい」
と言われるまでその場から一歩も動くことができませんでした。
「先生、こんにちわ」
ぶっきらぼうなご挨拶でしたが、気を取り直して茜さんが正座
すると、高瀬先生はそんな少女のあれこれに気を回すことなく、
笑顔で受け答え。
「はい、こんにちわ。茜ちゃん、元気だったかい。相変わらず
赤いほっぺして元気そうだね。今はどうですか?お腹の調子は?」
「…………」
茜さんが答えにくそうなので、代わってお母さんが答えます。
「それが、最近、また便秘がぶり返してきたみたいで……」
「そんなことないもん」
茜さんは、一旦正座して踵に着いていたお尻を浮かし、思わず
身を乗り出して反論します。
それは、この便秘がお浣腸へと繋がることを恐れたからでした。
「保健の先生が三四日なら問題ないって……」
「何言ってるの。あなたの場合は、一週間も出ないことがある
でしょう」
「そんなの、たまたまじゃない」
「たまたまなんかじゃありません」
「まあ、まあ、一度や二度ならそう問題ないでしょうが、毎回、
毎回となると、ちょっとやっかいかもしれませんね。茜ちゃんの
場合は習慣性になっているかもしれませんから……」
高瀬先生の言葉にお母さんはわが意を得たりとばかり、
「ほら、ごらんなさい」
と言うのでした。
「先生、今日で五日目なんで……そろそろ出してしまいたいん
ですが……」
「わかりました。……茜ちゃん、ここに寝てごらんなさい」
高瀬先生はいつものように茜さんを仰向けに寝かせると座布団
を腰の下に当てさせ、お腹を押してその張りをチェックします。
「なるほど、少し張ってるかな」
先生は茜さんのお腹を触診すると、用意された洗面器のお湯で
手を洗います。
そんな先生を見ながらお母さんは尋ねました。
「浣腸はどのくらいの量、やった方がいいでしょうか?」
「そうですねえ、30㏄から50㏄もあれば足りると思います
が、ご心配なら100㏄でもかまいませんよ」
「そんなに、大丈夫なんですか?」
「心配要りませんよ。茜ちゃんも、もう体が大きいですからね、
100㏄くらいは耐えられますよ」
高瀬先生とお父さんとは古くからの友人。この家にも茜さんが
生まれる前から出入りしていますから、大西家の家庭の事情にも
精通しています。ですから、部屋に入った瞬間の茜さんの表情を
見て、『今夜は、お仕置きだな』と悟ったのでした。
そして、もし、お仕置きとしてやるのであれば、30や50㏄
では親御さんも物足りないはずだから、どの程度が上限かを知り
たいはず。そう読んだのでした。
「それでは、100㏄でお願いできますでしょうか」
「よろしいですよ。ただ、看護婦は帰してしまいましたので、
私でよければ…ですが……」
「もちろんですわ」
大人たちの会話は茜さんには残酷に響きます。でも、13歳の
少女なんて、世間の大人たちにしてみたらまったくの子供。何を
どうされても「年端も行かない小娘のくせに偉そうに口答えする
んじゃありません」とすごまれればそれで終わりだったのです。
中学生になったといっても、大人たちの扱いは小学生のまま。
時折、『茜ちゃん』だった呼び名が『茜さん』に変化しますが、
それだけでした。
どうしようもない現実が茜ちゃんを支配します。
「明子さん、明子さん、……ここにお布団敷いてちょうだい。
茜にお浣腸しますから」
お母さんが女中の明子さんに指示する声を茜さんはどこか遠く
の出来事のように聞いていました。
明子さんが部屋に現れると……
やがていつものように薄い布団が持ち込まれ、目の前に敷かれ
ます。タオル、オムツ、天花粉……もちろん、グリセリン溶液の
入ったこげ茶色の薬壜や50㏄入りのガラス製ピストン浣腸器も
洗面器に入れられて大事そうに目の前を通り過ぎていきました。
もちろん、これって始めての経験ではありません。幼い頃から
二ヶ月に一回は必ず受けてきた習慣なのです。ですが、茜さんが
これに慣れるということはありませんでした。
むしろ、それが次第に辛い行事になってきたのです。
もちろん、年齢と共に恥ずかしいという気持が増してきたのは
事実ですが、それよりも、これをやらされるたびに、自分自身が
世の中から否定されてしまったようで辛かったのでした。
まるで赤ちゃんのように何も出来ない、何もさせてもらえない
自分は家族の厄介者のような気がして嫌だったのでした。
「準備ができたわよ。いらっしゃい」
お母さんは高瀬先生がいらっしゃるので猫なで声で茜ちゃんを
呼びます。
もちろん、茜ちゃんは目の前の布団に寝そべるしかありません。
今さら何か反抗できるわけではありませんが……
「さあ。早くなさい」
お母さんに催促されてから、恐る恐る敷かれた敷布団に近づき
ます。
そこではお医者様の高瀬先生、女中の明子さん、お母さんまで
もが正座したままの姿勢で近づく茜ちゃんを見ています。
それって、何だか映画のワンシーンのようです。
もちろん、そんなの気持のいいことではありませんが、でも、
心の底のどこかには『悲劇のヒロイン』になった気分もあります。
そう考えると、不思議に勇気も沸いてくるのでした。
やっとの思いで布団の縁まで辿り着くと、お母さんは……
「まず、そこへお座りなさい」
と命令しました。
もちろん正座で、茜さんがその場に座ると……
「いいですか、これからお浣腸を行いますけど、これは便秘の
治療だけでなく、お父様からお仕置きを頂いた時に、粗相が起き
ないようにするためのものでもありますからね。十分な量で行い
ます。……言ってる意味、わかりますね?」
「はい、お母さん」
茜さんは小さな声でしたが、お母さんは満足したみたいでした。
「よろしい。今日は50㏄の浣腸器で二本分、100㏄を我慢
しなさい。我慢がお仕置きになりますからあえてお尻の穴に栓は
しませんけど、万が一ここで粗相などあったら困りますからね、
オムツをあてます」
「(えっ、オムツ)」
茜さんの顔が思わず歪んだのは、それが予想外だったからかも
しれません。
「20分たったらオムツを外してあげますから、お外のトイレ
で用を足しなさい」
お母さんは凛とした態度で宣言しますが、茜さんは自信があり
ませんでした。そこで……
「私、そんなに我慢できないかもしれないと思うんですけど」
怯えた様子でお伺いをたてると、お母さんは冷静です。
「あなたも、もう小さな子供じゃないの。中学生なんだから、
そのくらいは我慢しないといけないわね。……もし、どうしても
ダメだったらオムツになさい。私が片付けてあげるから……」
「えっ!それは……」
もちろん、茜ちゃんはそんなことされたくありませんでした。
十三にもなった子がたとえ身内のなかだけとはいえ、ウンチの
着いたオムツを母親に換えてもらうなんて、惨め過ぎます。
「……どうしたの?嫌なの?仕方がないでしょう。何一つ根気
や根性のないあなたにはお似合いのお仕置きだと思うわよ。……
ちょうどいい訓練になるでしょうから……」
「…………」
茜ちゃんは心臓が締め付けられる思いでした。
「もし、そんなこと、死ぬほど恥ずかしいことだと思うのなら
死ぬ気で頑張ることね。そうすれば、お灸のお仕置きだけは堪忍
してあげるわ」
「(えっ!お灸も?)」
茜さんの頭の中で何かが光ります。
それは究極の恐怖でした。
幼い子にもお尻ペンペンの罰はありますが、そんな場合だって
親は本気で叩いたりしません。でも、お灸は誰がやられても強烈
な熱さは同じでした。ですから、幼い子の場合、お灸のお仕置き
はより強烈な恐怖の記憶として成長しても心の奥底に残ります。
茜さんも、その昔の思い出がフラッシュバックしたのでした。
「(お母さんに泣きつこうか?)」
恥も外聞もなく、『ごめんなさい』を言ってお膝にすがる。
幼い日ならきっとそうしていたでしょう。でも、中学生になる
と、悲しいかな逆にその勇気が沸いてきませんでした。
『今さらそんな子供じみたこと……』
余計なプライドが邪魔をします。
もう、残された道は一つしかありませんでした。
****************************
10/8 御招ばれ(5)
10/8 御招ばれ(5)
*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)
***************************
<主な登場人物>
春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
林先生……舎監の先生。普段から生活指導は厳しく、孤児達が
お仕置を受けない日はないくらいだが、子供たちからは
からは慕われているシスター。
院長先生……おばあちゃん先生。めったに怒らない優しい人。
このため、友達から虐めにあったり、林先生からきつい
お仕置きを受けたりすると駆け込む避難所になっている。
大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
医者として独立、『茜』という養女をもらっているが、
春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。
****************************
「ねえ、茜お姉様はお浣腸されてからあのトイレでウンチする
の?」
春花はお風呂で自分の体を洗っている女中の明子さんに尋ねま
すが……
「知りません!」
当初はそっけない返事が返って来るだけでした。
「やっぱり、口止めされてるのよ」
それを見ていた美里が湯船の中から訳知り顔で語りかけます。
すると、今度は明子さんが春花のつるぺたの胸をゴシゴシやり
ながらこう言うのでした。
「考えてごらんなさい。自分がウンチしてるところを他人に見
られるのがどんなに恥ずかしいか。あなたたちはまだ小さいから
それほど感じないかもしれないけど……」
「わかるわよ、それくらい……私なら死んじゃうかもしれない
くらい恥ずかしいもの」
「相変わらずオーバーねえ、美里は何でも大げさなんだから…」
春花は美里の物言いに『また始まった』というような呆れ顔を
します。
「何よ、じゃあ春花は恥ずかしくないの!」
「そりゃあ、そんなことされたら私だって恥ずかしいけど……」
「けど、何よ」
「だって、私たちもみんなの前でお尻だしたことあるじゃない
の。院長先生怒らしちゃって……」
「そりゃそうだけど、あれはお鞭をもらっただけで……ウンチ
なんてしてないもの」
「そりゃそうだけどさあ……」
「ねえ、ウンチって、どのくらい我慢するの?」
美里はやはり興味津々といった様子です。
「そんなこと聞いてどうするんです?」
明子さんは最初にそう言いましたが、仕方ないと言った表情で
説明してくれました。
「お子さんの歳にもよりますし、お父様やお母様をどのくらい
怒らしたかにもよりますけど……せいぜい20分くらいかしらね」
「20分!?」
それまで比較的冷静だった春花の方が目を丸くして驚きました。
「えっ、そんなに!……無理、無理、無理、私、絶対に無理」
もちろん美里も……こちらはあまりのことにむしろ顔が笑って
います。
二人はお仕置きではなくともグリセリン浣腸そのものは受けた
ことがあります。ですから、それが途方もないことだとわかるの
でした。
そんな自らの経験からみて20分はあまりに常識外れだと分か
ります。ですから、お互い顔を見合わせ笑ってしまったのでした。
でも、明子さんの方は真剣で……
「菜に笑ってるの!人間、なせばなるですよ。女の子はねえ、
こんな処で恥をかきたくないと思ったら、自然と、我慢ができる
ようになるんです。…茜お嬢様だって、最初の頃は当然のように
オムツにお漏らしでしたけど、あなたたちぐらいの歳には、もう
ちゃんと我慢できて、お外のトイレでなさってましたから……」
「でも、結局はウンチしているところは見られるんでしょう?」
「そりゃそうですけど、見ているといってもお父様かお母様、
それに私のようなごく幼い頃からお世話もうしている者だけです
から……」
と、ここまで言ってから……
「あっ、高瀬先生がしらっしゃるか」
と、明子さん。小声で付け足したのですが、それを二人は聞き
逃しませんでした。
「高瀬先生って?」
「ね、誰?」
二人の小娘が湯船の中ではしゃぎだします。
困惑気味の明子さんでしたが、もう、こうなったらすべて話す
しかありませんでした。
いえ、本当は、彼女、話したかったのかもしれませんが……
「お子様たちがいつもお世話になってる小児科の先生ことよ。
ここにもよく往診にみえるの。特にお仕置きのある時は脅かしに
大きな浣腸器をもってみえられるから、ご兄弟とも部屋中を逃げ
回って効果てきめんでしたよ」
「ご兄弟?」
「お子様たちって、おじさまの子供って茜お姉様だけでしょう」
怪訝に思って尋ねると、二人にとっては意外な答えが返ってき
ます。
「違いますよ。茜お嬢様は2歳まで施設で育ったあと、ご夫婦
が女の子を育ててみたいとおっしゃって養女になさったんです。
お二人の本当のお子様方は二人とも坊ちゃんで、すでに独立され、
今は年に二回ほどしかご実家には戻られませんけど、共にお医者
様をなさってます」
「なんだ、そうなのか」
春花は単純に納得しましたが、美里は気になる事がありました。
「ひょっとして、その先生って、お仕置きの時もここへ来るの?」
恐る恐る尋ねたことが、不幸にして当たってしまいます。
「ええ、そうですよ。ちょうどいい機会ですからね、健康診断
をしていただいたり、発育状況を診てもらったり、お浣腸の量も
先生がお決めになってご自身がなさる事もありますし……お導尿
なんて素人ではやりにくいことも先生がやってくださいますから。
……そうそう、茜お譲様はこれが大変にお嫌いで、いつも大泣き
されてました。そうだ、あなた方も頼んであげましょうか?」
明子さんに言われたとたん、二人は湯船の中へ……
導尿がどんなことなのか二人は知りませんが、とにかく、今は
そこしか隠れる処がありませんでした。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
処変わって、こちらはおばさまのお部屋。
茜さんはお母さんに呼ばれていました。
「先週、二学期の中間テストの結果をみせてもらったけど……
これ、あまり芳しくないみたいね。お父様にも、当然お見せした
けど、渋い顔なさってたわ」
「ごめんなさい」
「あなたの場合は女の子なんだから、男の子のようにクラスの
中でも抜きん出た成績でなきゃならないというわけではないけど、
……それでも、ある程度の成績は残してもらわないと……」
「…………」
「変な言い方だけどね、うちはインテリであることが家業の家
なの。だから、あなたの成績は、あなただけのものではないわ。
それはこのお家の看板でもあるのよ。そこの処、何度も説明して
きたからわかるわよね」
「はい」
「『あれが東都大の教授の馬鹿娘か』なんて世間で後ろ指でも
さされるようになったら、私もお父様も立つ瀬がないわ」
「ごめんなさい」
「まあ、それがわかってるなら、もっと頑張ってもらわないと
………これは何よりお父様の体面にも関わることなのよ」
「はい」
茜さんはもう涙を流していました。
こんなお説教を過去に何度も聞かされていたからなのです。
「もちろん、これがあなたの側に何か障害があってというなら、
それは仕方がないことだけど……大病したわけでもなし、虐めに
あってたわけでもないわよね。……強いて原因を考えると………
(ふう~)」
お母さんは一つため息をついて……
「マンガの読みすぎ、テレビの見すぎ、お友だちとの長電話、
休日のたびにお友達と街をぶらついて、勉強は犠牲にしても好き
な映画やコンサートは外さない……これじゃあ、勉強している暇
がないわね。だいたい、お父様から頂いたスケジュール表通りに
過ごした日が何日あったかしらね?……(ふう~)」
お母さんがため息をつくたびに茜さんは背筋がゾクッとします。
「…………」
「これじゃあ、成績が下がっても当たり前よね。お父様もね、
今回はご自身で作成されたスケジュール通りに茜が勉強していな
かったことをお知りになって、とっても憤慨されてるのよ」
「えっ……」
茜さんはこの時『意外な』という顔になります。
というのも、ここ数日出会うお父さんは、何時も通り穏やかで
普段と何も変わらなかったからでした。
そんな茜さんの気持をお母さんが察したのでしょう。
「どうしたの?お父様が怒ってるなんて信じられないかしら?
……でも、たしかに怒ってらっしゃるわ。それも、カンカンよ。
いつぞやは、『どうして、私の作ってやったスケジュール通りに
茜にやらさせないだ』って取り付く暇がなかったわ」
「そうなんだ」
茜さんはお父さんの怒りに初めて気がついたのでした。
「それでね、お父様と二人で考えたんだけど………あなたには
久しぶりにお仕置きを受けてもらうことにしたの。……分かって
くれるわね」
お母さんは茜さんを見つめると、抑揚を抑えた感じではっきり
宣言します。
「えっ……」
青ざめた顔の茜さん。ここに呼ばれた時にいくらか覚悟はして
いましたが、あらためてそう言われると、やはりショックだった
のです。
「あなたへの本格的なお仕置きはいつ以来かしらね。そうそう
前はまだ小学5年生だったから2年ぶりになるわね。6年生の時
も怪しいことはあったけど、受験の時期だったし、目をつぶって
いたのよ。でも、その受験も終わって、さあ、これからって時に
気が抜けてしまったんじゃ何の意味もないわね」
「…………」
「あら、どうしたの?いきなり震えだしちゃって……恐いの?
(フフフフ)ま、お仕置きが恐くないと言ったら嘘でしょうけど、
あなたも大西家の一員である以上、こればかりは逃げられないわ」
お母さんは茜さんのおでこをチョンと指ではじきます。
ちょっぴりからかわれて、茜さん、むしろ落ち着いたみたいで
した。
「はい、お仕置きお願いします」
茜さんは畳の上に正座しなおすと、両手をついてご挨拶します。
これもまた大西家の作法だったのです。
「そう、わかりました。あなたも一歩一歩大人に近づいている
みたいね」
「えっ?」
「あら、忘れたの。あなたが前回お仕置きを宣言された時は、
散々泣き叫んで、私の腰に抱きついて『ごめんなさい』『ごめん
なさい』って連呼したのよ。あなたが『お仕置きをお願いします』
と言えたのは、私がとても恐い顔をして脅しつけてからだったわ。
それが今は、自らご挨拶ができるんですもの。大人になったなあ
って感心してるの」
「そんな……ただ、今さらどうしようもないことですから……」
「そうね、確かに……でも、それが大切なのよ。女の子は……」
「…………」
「女の子は男性とは違うの。自分に与えられた場所で力を発揮
しなければならないわ。男性のようにその場所が嫌なら自分の気
に入るようにそこを変えてしまおうだなんて、なかなかできない
ことだもの」
「どうしてですか?」
「単純なことよ。女性は男性に比べて、肉体的にも生理的にも
ハンデが大きいもの。力強くないでしょう。……それより、その
場所に留まって、自分の存在を認めてもらえるように頑張った方
がずっと楽だし、成功する可能性も高いわ。そのためには、まず
相手の心を掴まなきゃ。相手が猛烈に怒ってるのに『私、嫌です』
なんて、すねてみても始まらないでしょう。我慢するってことが
大事だわ」
「それって、お仕置きのことですか?」
「そうよ、……もし、これが私とあなただけの生活だったら、
私はあなたに体罰なんか求めないと思うけど……ここはお父様の
お家なの。そして、あなたはその娘。怒りに震えるお父様の溜飲
を下げる必要があるわ。わかる?」
「はい」
茜さんは小さな声で答えます。
「大丈夫。お父様は立派な方だから、どんなお仕置きをなさる
にせよ。あなたが耐えられない事はなさらないわ。あなたとして
は、そんなお父様を信じて必死にしがみついていればいいのよ。
そうやって耐え抜けば、あなたは今まで以上にお父様から愛され
ることになるわ」
「本当ですか?」
「もちろん本当よ。お仕置きってね、愛を確かめ、これからを
誓う儀式なの。お父様はあなたを愛したいの。それを、あなたと
ご自身とで確かめたいのよ。だから、同じようなことはしていて
も、虐待とはまるで違うことをしているのよ」
「………………」
「とにかく、私とお父様を信じなさい。そして、あなたは必死
になってお父様からいただくお仕置きに耐えるの。健気なあなた
の姿をご覧になれば、お父様だって決して悪いようにはなさらな
いわ。だって、みもともとあなたは、お父様から誰よりも愛され
てる子どもなんですもの」
お母さんはそう言って茜さんを励ますのでした。
**************************
*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)
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<主な登場人物>
春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
林先生……舎監の先生。普段から生活指導は厳しく、孤児達が
お仕置を受けない日はないくらいだが、子供たちからは
からは慕われているシスター。
院長先生……おばあちゃん先生。めったに怒らない優しい人。
このため、友達から虐めにあったり、林先生からきつい
お仕置きを受けたりすると駆け込む避難所になっている。
大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
医者として独立、『茜』という養女をもらっているが、
春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。
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「ねえ、茜お姉様はお浣腸されてからあのトイレでウンチする
の?」
春花はお風呂で自分の体を洗っている女中の明子さんに尋ねま
すが……
「知りません!」
当初はそっけない返事が返って来るだけでした。
「やっぱり、口止めされてるのよ」
それを見ていた美里が湯船の中から訳知り顔で語りかけます。
すると、今度は明子さんが春花のつるぺたの胸をゴシゴシやり
ながらこう言うのでした。
「考えてごらんなさい。自分がウンチしてるところを他人に見
られるのがどんなに恥ずかしいか。あなたたちはまだ小さいから
それほど感じないかもしれないけど……」
「わかるわよ、それくらい……私なら死んじゃうかもしれない
くらい恥ずかしいもの」
「相変わらずオーバーねえ、美里は何でも大げさなんだから…」
春花は美里の物言いに『また始まった』というような呆れ顔を
します。
「何よ、じゃあ春花は恥ずかしくないの!」
「そりゃあ、そんなことされたら私だって恥ずかしいけど……」
「けど、何よ」
「だって、私たちもみんなの前でお尻だしたことあるじゃない
の。院長先生怒らしちゃって……」
「そりゃそうだけど、あれはお鞭をもらっただけで……ウンチ
なんてしてないもの」
「そりゃそうだけどさあ……」
「ねえ、ウンチって、どのくらい我慢するの?」
美里はやはり興味津々といった様子です。
「そんなこと聞いてどうするんです?」
明子さんは最初にそう言いましたが、仕方ないと言った表情で
説明してくれました。
「お子さんの歳にもよりますし、お父様やお母様をどのくらい
怒らしたかにもよりますけど……せいぜい20分くらいかしらね」
「20分!?」
それまで比較的冷静だった春花の方が目を丸くして驚きました。
「えっ、そんなに!……無理、無理、無理、私、絶対に無理」
もちろん美里も……こちらはあまりのことにむしろ顔が笑って
います。
二人はお仕置きではなくともグリセリン浣腸そのものは受けた
ことがあります。ですから、それが途方もないことだとわかるの
でした。
そんな自らの経験からみて20分はあまりに常識外れだと分か
ります。ですから、お互い顔を見合わせ笑ってしまったのでした。
でも、明子さんの方は真剣で……
「菜に笑ってるの!人間、なせばなるですよ。女の子はねえ、
こんな処で恥をかきたくないと思ったら、自然と、我慢ができる
ようになるんです。…茜お嬢様だって、最初の頃は当然のように
オムツにお漏らしでしたけど、あなたたちぐらいの歳には、もう
ちゃんと我慢できて、お外のトイレでなさってましたから……」
「でも、結局はウンチしているところは見られるんでしょう?」
「そりゃそうですけど、見ているといってもお父様かお母様、
それに私のようなごく幼い頃からお世話もうしている者だけです
から……」
と、ここまで言ってから……
「あっ、高瀬先生がしらっしゃるか」
と、明子さん。小声で付け足したのですが、それを二人は聞き
逃しませんでした。
「高瀬先生って?」
「ね、誰?」
二人の小娘が湯船の中ではしゃぎだします。
困惑気味の明子さんでしたが、もう、こうなったらすべて話す
しかありませんでした。
いえ、本当は、彼女、話したかったのかもしれませんが……
「お子様たちがいつもお世話になってる小児科の先生ことよ。
ここにもよく往診にみえるの。特にお仕置きのある時は脅かしに
大きな浣腸器をもってみえられるから、ご兄弟とも部屋中を逃げ
回って効果てきめんでしたよ」
「ご兄弟?」
「お子様たちって、おじさまの子供って茜お姉様だけでしょう」
怪訝に思って尋ねると、二人にとっては意外な答えが返ってき
ます。
「違いますよ。茜お嬢様は2歳まで施設で育ったあと、ご夫婦
が女の子を育ててみたいとおっしゃって養女になさったんです。
お二人の本当のお子様方は二人とも坊ちゃんで、すでに独立され、
今は年に二回ほどしかご実家には戻られませんけど、共にお医者
様をなさってます」
「なんだ、そうなのか」
春花は単純に納得しましたが、美里は気になる事がありました。
「ひょっとして、その先生って、お仕置きの時もここへ来るの?」
恐る恐る尋ねたことが、不幸にして当たってしまいます。
「ええ、そうですよ。ちょうどいい機会ですからね、健康診断
をしていただいたり、発育状況を診てもらったり、お浣腸の量も
先生がお決めになってご自身がなさる事もありますし……お導尿
なんて素人ではやりにくいことも先生がやってくださいますから。
……そうそう、茜お譲様はこれが大変にお嫌いで、いつも大泣き
されてました。そうだ、あなた方も頼んであげましょうか?」
明子さんに言われたとたん、二人は湯船の中へ……
導尿がどんなことなのか二人は知りませんが、とにかく、今は
そこしか隠れる処がありませんでした。
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処変わって、こちらはおばさまのお部屋。
茜さんはお母さんに呼ばれていました。
「先週、二学期の中間テストの結果をみせてもらったけど……
これ、あまり芳しくないみたいね。お父様にも、当然お見せした
けど、渋い顔なさってたわ」
「ごめんなさい」
「あなたの場合は女の子なんだから、男の子のようにクラスの
中でも抜きん出た成績でなきゃならないというわけではないけど、
……それでも、ある程度の成績は残してもらわないと……」
「…………」
「変な言い方だけどね、うちはインテリであることが家業の家
なの。だから、あなたの成績は、あなただけのものではないわ。
それはこのお家の看板でもあるのよ。そこの処、何度も説明して
きたからわかるわよね」
「はい」
「『あれが東都大の教授の馬鹿娘か』なんて世間で後ろ指でも
さされるようになったら、私もお父様も立つ瀬がないわ」
「ごめんなさい」
「まあ、それがわかってるなら、もっと頑張ってもらわないと
………これは何よりお父様の体面にも関わることなのよ」
「はい」
茜さんはもう涙を流していました。
こんなお説教を過去に何度も聞かされていたからなのです。
「もちろん、これがあなたの側に何か障害があってというなら、
それは仕方がないことだけど……大病したわけでもなし、虐めに
あってたわけでもないわよね。……強いて原因を考えると………
(ふう~)」
お母さんは一つため息をついて……
「マンガの読みすぎ、テレビの見すぎ、お友だちとの長電話、
休日のたびにお友達と街をぶらついて、勉強は犠牲にしても好き
な映画やコンサートは外さない……これじゃあ、勉強している暇
がないわね。だいたい、お父様から頂いたスケジュール表通りに
過ごした日が何日あったかしらね?……(ふう~)」
お母さんがため息をつくたびに茜さんは背筋がゾクッとします。
「…………」
「これじゃあ、成績が下がっても当たり前よね。お父様もね、
今回はご自身で作成されたスケジュール通りに茜が勉強していな
かったことをお知りになって、とっても憤慨されてるのよ」
「えっ……」
茜さんはこの時『意外な』という顔になります。
というのも、ここ数日出会うお父さんは、何時も通り穏やかで
普段と何も変わらなかったからでした。
そんな茜さんの気持をお母さんが察したのでしょう。
「どうしたの?お父様が怒ってるなんて信じられないかしら?
……でも、たしかに怒ってらっしゃるわ。それも、カンカンよ。
いつぞやは、『どうして、私の作ってやったスケジュール通りに
茜にやらさせないだ』って取り付く暇がなかったわ」
「そうなんだ」
茜さんはお父さんの怒りに初めて気がついたのでした。
「それでね、お父様と二人で考えたんだけど………あなたには
久しぶりにお仕置きを受けてもらうことにしたの。……分かって
くれるわね」
お母さんは茜さんを見つめると、抑揚を抑えた感じではっきり
宣言します。
「えっ……」
青ざめた顔の茜さん。ここに呼ばれた時にいくらか覚悟はして
いましたが、あらためてそう言われると、やはりショックだった
のです。
「あなたへの本格的なお仕置きはいつ以来かしらね。そうそう
前はまだ小学5年生だったから2年ぶりになるわね。6年生の時
も怪しいことはあったけど、受験の時期だったし、目をつぶって
いたのよ。でも、その受験も終わって、さあ、これからって時に
気が抜けてしまったんじゃ何の意味もないわね」
「…………」
「あら、どうしたの?いきなり震えだしちゃって……恐いの?
(フフフフ)ま、お仕置きが恐くないと言ったら嘘でしょうけど、
あなたも大西家の一員である以上、こればかりは逃げられないわ」
お母さんは茜さんのおでこをチョンと指ではじきます。
ちょっぴりからかわれて、茜さん、むしろ落ち着いたみたいで
した。
「はい、お仕置きお願いします」
茜さんは畳の上に正座しなおすと、両手をついてご挨拶します。
これもまた大西家の作法だったのです。
「そう、わかりました。あなたも一歩一歩大人に近づいている
みたいね」
「えっ?」
「あら、忘れたの。あなたが前回お仕置きを宣言された時は、
散々泣き叫んで、私の腰に抱きついて『ごめんなさい』『ごめん
なさい』って連呼したのよ。あなたが『お仕置きをお願いします』
と言えたのは、私がとても恐い顔をして脅しつけてからだったわ。
それが今は、自らご挨拶ができるんですもの。大人になったなあ
って感心してるの」
「そんな……ただ、今さらどうしようもないことですから……」
「そうね、確かに……でも、それが大切なのよ。女の子は……」
「…………」
「女の子は男性とは違うの。自分に与えられた場所で力を発揮
しなければならないわ。男性のようにその場所が嫌なら自分の気
に入るようにそこを変えてしまおうだなんて、なかなかできない
ことだもの」
「どうしてですか?」
「単純なことよ。女性は男性に比べて、肉体的にも生理的にも
ハンデが大きいもの。力強くないでしょう。……それより、その
場所に留まって、自分の存在を認めてもらえるように頑張った方
がずっと楽だし、成功する可能性も高いわ。そのためには、まず
相手の心を掴まなきゃ。相手が猛烈に怒ってるのに『私、嫌です』
なんて、すねてみても始まらないでしょう。我慢するってことが
大事だわ」
「それって、お仕置きのことですか?」
「そうよ、……もし、これが私とあなただけの生活だったら、
私はあなたに体罰なんか求めないと思うけど……ここはお父様の
お家なの。そして、あなたはその娘。怒りに震えるお父様の溜飲
を下げる必要があるわ。わかる?」
「はい」
茜さんは小さな声で答えます。
「大丈夫。お父様は立派な方だから、どんなお仕置きをなさる
にせよ。あなたが耐えられない事はなさらないわ。あなたとして
は、そんなお父様を信じて必死にしがみついていればいいのよ。
そうやって耐え抜けば、あなたは今まで以上にお父様から愛され
ることになるわ」
「本当ですか?」
「もちろん本当よ。お仕置きってね、愛を確かめ、これからを
誓う儀式なの。お父様はあなたを愛したいの。それを、あなたと
ご自身とで確かめたいのよ。だから、同じようなことはしていて
も、虐待とはまるで違うことをしているのよ」
「………………」
「とにかく、私とお父様を信じなさい。そして、あなたは必死
になってお父様からいただくお仕置きに耐えるの。健気なあなた
の姿をご覧になれば、お父様だって決して悪いようにはなさらな
いわ。だって、みもともとあなたは、お父様から誰よりも愛され
てる子どもなんですもの」
お母さんはそう言って茜さんを励ますのでした。
**************************
10/6 御招ばれ(4)
10/6 御招ばれ(4)
*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)
***************************
<主な登場人物>
春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
林先生……舎監の先生。普段から生活指導は厳しく、孤児達が
お仕置を受けない日はないくらいだが、子供たちからは
からは慕われているシスター。
院長先生……おばあちゃん先生。めったに怒らない優しい人。
このため、友達から虐めにあったり、林先生からきつい
お仕置きを受けたりすると駆け込む避難所になっている。
大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
医者として独立。『茜』という養女をもらっているが、
春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。
****************************
三時のおやつが終わると、二人は茜お姉ちゃんやおばさま達と
遊びます。トランプをやったりゲームをしたり、指人形をはめて
即興の劇に興じたり、お庭に出てピンポンなんかも……
とにかく思いついたことで遊びます。それは、これまでと一緒
の時間。おじさまが孤児院で深刻ぶって話したことなどすっかり
忘れてしまうくらい楽しい時間だったのです。
お招ばれした子がやることは、楽しく遊ぶこと、美味しく食事
をすること、愉快にお風呂に入ること、そしておじさまおばさま
のベッドで一緒にご本を読んでもらって眠ること、ただこれだけ
だったのです。
幸薄い孤児達に少しでも家庭的な雰囲気を味わってもらいたい、
そう思って大人たちが始めた慈善の催しでしたから、孤児たちも
最初からここで勉強しようなんて気はありません。
よく遊び、よく遊べの週末だったのです。
でもそんな二人が、お庭で奇妙なものを見つけてしまいます。
「なんだろう、あれ?」
草むらに隠れるようにして肋木(ろくぼく)が立っています。
でも運動するにはそれは中途半端な高さしかありませんし、その
下は窪地になっていて、二本の板が渡してあります。
何かの残骸でしょうか。
恐らく大人たちが見つけてもそうとしか思わないでしょうから
それから先には進みません。
おばさまも……
「何でもないわ」
とそっけない一言でした。
でも、二人は違っていました。
「あそこへ行ってみる」
と言ったのです。
すると、今度はおばさまが慌てます。
「だめよ、危ないから」
そう言って引き止めようとしたのですが……
「大丈夫です。おばさま。……美里、行こう」
春花が美里の手を引きますから、おばさまは、さらに慌てて、
本当の事を話すことにしたのでした。
おばさまにしてみたらそれは見つけてほしくないものだったの
です。
「あれは、おトイレよ。汚いから行かない方がいいわ」
こう説得したら諦めると思ったのです。
ところが…
「えっ!あれ、おトイレなの」
「うそ!!あれって、二枚の板が並べてあるだけだよね。あれ
じゃあ、外から丸見えだよ」
二人はさらに食いついてきます。
「いいのよ、家族だけで使うものだから……」
「でも、腰掛ける便器もないし……いちいち持って来るの?」
「そんなもの最初からないわ。あそこにしゃがんでやるのよ」
「しゃがんで???」
「しゃがんで???」
二人にはしゃがむという言葉の意味が分からないみたいでした。
「……ねえ、水はどこから出てくるの?」
「……ねえ、腰掛けないで、どうやってウンチするのさあ」
二人の興味はつきません。おばさまは、言葉を濁してどうにか
ごまかしたかったのですが、お手上げでした。
「やっぱり探検してみる」
好奇心を抑え切れない二人はとうとうその場所に目指して行っ
てしまいます。
「わあ、これトイレなの?何だか臭そう……」
「ここにしゃがんでウンチを落とすんだよね。でも、これって、
葉っぱしか見えないよ」
「きっとその下にウンチがあるのよ」
二人は板の上に膝まづくとそこから窪地になった穴を覗き込み
ます。
「もし、落ちたらどうするんだろう?」
「きっと、ウンコまみれね」
春花がほがらかに笑います。春花にしても美里にしても自分達
が汚いものに触れているという意識はまったくありませんでした。
実際、そこには今現在ウンチなんてなかったのです。
「いやだあ、押さないでよ。ほんとに落ちたらどうするのよ」
二人はたわむ板の上でふざけあっています。
そして、それに飽きると今度は肋木によじ登って、その上から
二枚の板へ飛び降り始めます。
着地の時、板に滑って尻餅をつくこともありましたが、遊びの
楽しさに比べればそれって平気なことだったのです。
「でも、これ何だろうね」
「だから肋木でしょう。学校にも寮にもあるじゃない」
「でも、こんなに低くないでしょう。これ、私たちの身長より
低いのよ」
すると、そんな遊びを始めた二人がちょっぴり心配になったの
か、おじさまがやって来ました。
「さすがに孤児院にはこんなものはなかったとみえるな」
「うん、初めて見た」
「これトイレなの?……私、こんなドアも壁もない処じゃ恥ず
かしくてできないわ」
「私も……」
二人は笑っていました。
「そうか…君たちの処ではないだろうな」
「どうして?」
「だって、これは我が家専用。お仕置き用のトイレだもん」
「…………」
「…………」
二人は子供ですから、『お仕置き』という言葉には敏感に反応
します。その言葉を聞いたとたん二人から笑顔が消えてしまいま
した。
「脅かしちゃったか。ごめんね」
おじさまは二人の心が和むように穏やかに笑います。
「君たちの孤児院がどんなに面倒見がいいといっても、そこで
暮らす人たちはみんなは他人だからね、そこまで厳しいお仕置き
はできないかもしれないけど、ここは家庭の中だからね、お外で
は絶対にできない恥ずかしいお仕置きもあるんだよ。……ほら、
いいから、しゃがんでみてごらん」
「えっ、……」
おじさまの求めに美里が応じました。理由はありません。その
時、春花は肋木の上、美里は板の上にいたからでした。
「ほら、この二枚の板に片方ずつ足を掛けて、腰を落とすんだ」
「……こうですか?」
春花や美里たちは、生まれた時から様式トイレで用を足します
から、そもそもしゃがむという習慣がありませんでした。
「そう、そう、それでウンチするんだ」
「えっ!こんな格好で?……だめ、私、キツイもん」
「だって、昔の日本人はみんなそうやってウンコしてたんだよ」
「えっ!?うそ!こんな格好で」
「嘘じゃないさ。みんなそうやってたんだから、できないはず
ないよ。……慣れれば、君にもすぐにできるようになるよ」
「無理、絶対に無理」
「そうかあ、無理かあ……でも、それじゃあ困ったなあ。……
だって、こうやってウンチができるのは、うちのお仕置きでは、
まだ軽い方なんだよ」
「えっ!?」
「(どういうこと?)」
二人はおじさまの言葉に、まるで豆鉄砲を食らった鳩みたいに
きょとんとしてしまったのでした。
「美里ちゃん、そこに膝まづいてごらん。………そう、そう、
その方が楽だろう。……そうしたら、両手を前に……ちょうど、
肋木の横木が掴めるだろう。……どの高さの横木でもいいんだよ。
それに掴まって……そう、そうやってお浣腸のあとウンチを我慢
するんだ」
「(えっ!!)」
「(えっ!!)」
そりゃあ驚きます。やらされてる美里だけでなく、肋木の天辺
に腰掛けてその様子を見ていた春花だって、驚きで声がでません
でした。
いえ、この二人が暮らす孤児院にもお浣腸のお仕置きはありま
した。でも、それは少しの時間我慢してからおトイレを許される
ものだったのです。
こんなお外で……しかもたわむ板の上で……何よりみんなから
見られるかもしれないこんな場所でウンチを我慢するなんて……
ありえないことでした。
「…………」
「…………」
二人にとってはあまりにも現実感のない話だったのでした。
「ほら、あなた、そんな話、よそ様にしないで頂戴!二人とも
怯えてるじゃないの」
おばさまが遅れて中にはいります。
すると、おじさまは……
「大丈夫さ、この子たちは孤児院で暮らしてるんだから外には
漏れないよ。それに、この子たち自身、うちの子になりたいって
言ってるみたいだし……もし、そうなったら……いきなりこんな
ことしたらショックも大きいだろうし、ここで少しだけ我が家の
やり方にも慣れておいた方がいいんじゃないかと思ってね、それ
で今日は連れて来たんだ」
「それはわかりますけど、この場所は二人には見せませんよ。
さすがに、それでは茜が可哀想ですから……」
おばさまはきっぱり。
「わかってるさ、ここは君の管轄だ。それをどうこうするつも
りはないよ」
どうやら、おばさまの意見が通ったみたいで……二人はこの先
まずお風呂へ入ることになったのでした。
***************************
*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)
***************************
<主な登場人物>
春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
林先生……舎監の先生。普段から生活指導は厳しく、孤児達が
お仕置を受けない日はないくらいだが、子供たちからは
からは慕われているシスター。
院長先生……おばあちゃん先生。めったに怒らない優しい人。
このため、友達から虐めにあったり、林先生からきつい
お仕置きを受けたりすると駆け込む避難所になっている。
大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
医者として独立。『茜』という養女をもらっているが、
春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。
****************************
三時のおやつが終わると、二人は茜お姉ちゃんやおばさま達と
遊びます。トランプをやったりゲームをしたり、指人形をはめて
即興の劇に興じたり、お庭に出てピンポンなんかも……
とにかく思いついたことで遊びます。それは、これまでと一緒
の時間。おじさまが孤児院で深刻ぶって話したことなどすっかり
忘れてしまうくらい楽しい時間だったのです。
お招ばれした子がやることは、楽しく遊ぶこと、美味しく食事
をすること、愉快にお風呂に入ること、そしておじさまおばさま
のベッドで一緒にご本を読んでもらって眠ること、ただこれだけ
だったのです。
幸薄い孤児達に少しでも家庭的な雰囲気を味わってもらいたい、
そう思って大人たちが始めた慈善の催しでしたから、孤児たちも
最初からここで勉強しようなんて気はありません。
よく遊び、よく遊べの週末だったのです。
でもそんな二人が、お庭で奇妙なものを見つけてしまいます。
「なんだろう、あれ?」
草むらに隠れるようにして肋木(ろくぼく)が立っています。
でも運動するにはそれは中途半端な高さしかありませんし、その
下は窪地になっていて、二本の板が渡してあります。
何かの残骸でしょうか。
恐らく大人たちが見つけてもそうとしか思わないでしょうから
それから先には進みません。
おばさまも……
「何でもないわ」
とそっけない一言でした。
でも、二人は違っていました。
「あそこへ行ってみる」
と言ったのです。
すると、今度はおばさまが慌てます。
「だめよ、危ないから」
そう言って引き止めようとしたのですが……
「大丈夫です。おばさま。……美里、行こう」
春花が美里の手を引きますから、おばさまは、さらに慌てて、
本当の事を話すことにしたのでした。
おばさまにしてみたらそれは見つけてほしくないものだったの
です。
「あれは、おトイレよ。汚いから行かない方がいいわ」
こう説得したら諦めると思ったのです。
ところが…
「えっ!あれ、おトイレなの」
「うそ!!あれって、二枚の板が並べてあるだけだよね。あれ
じゃあ、外から丸見えだよ」
二人はさらに食いついてきます。
「いいのよ、家族だけで使うものだから……」
「でも、腰掛ける便器もないし……いちいち持って来るの?」
「そんなもの最初からないわ。あそこにしゃがんでやるのよ」
「しゃがんで???」
「しゃがんで???」
二人にはしゃがむという言葉の意味が分からないみたいでした。
「……ねえ、水はどこから出てくるの?」
「……ねえ、腰掛けないで、どうやってウンチするのさあ」
二人の興味はつきません。おばさまは、言葉を濁してどうにか
ごまかしたかったのですが、お手上げでした。
「やっぱり探検してみる」
好奇心を抑え切れない二人はとうとうその場所に目指して行っ
てしまいます。
「わあ、これトイレなの?何だか臭そう……」
「ここにしゃがんでウンチを落とすんだよね。でも、これって、
葉っぱしか見えないよ」
「きっとその下にウンチがあるのよ」
二人は板の上に膝まづくとそこから窪地になった穴を覗き込み
ます。
「もし、落ちたらどうするんだろう?」
「きっと、ウンコまみれね」
春花がほがらかに笑います。春花にしても美里にしても自分達
が汚いものに触れているという意識はまったくありませんでした。
実際、そこには今現在ウンチなんてなかったのです。
「いやだあ、押さないでよ。ほんとに落ちたらどうするのよ」
二人はたわむ板の上でふざけあっています。
そして、それに飽きると今度は肋木によじ登って、その上から
二枚の板へ飛び降り始めます。
着地の時、板に滑って尻餅をつくこともありましたが、遊びの
楽しさに比べればそれって平気なことだったのです。
「でも、これ何だろうね」
「だから肋木でしょう。学校にも寮にもあるじゃない」
「でも、こんなに低くないでしょう。これ、私たちの身長より
低いのよ」
すると、そんな遊びを始めた二人がちょっぴり心配になったの
か、おじさまがやって来ました。
「さすがに孤児院にはこんなものはなかったとみえるな」
「うん、初めて見た」
「これトイレなの?……私、こんなドアも壁もない処じゃ恥ず
かしくてできないわ」
「私も……」
二人は笑っていました。
「そうか…君たちの処ではないだろうな」
「どうして?」
「だって、これは我が家専用。お仕置き用のトイレだもん」
「…………」
「…………」
二人は子供ですから、『お仕置き』という言葉には敏感に反応
します。その言葉を聞いたとたん二人から笑顔が消えてしまいま
した。
「脅かしちゃったか。ごめんね」
おじさまは二人の心が和むように穏やかに笑います。
「君たちの孤児院がどんなに面倒見がいいといっても、そこで
暮らす人たちはみんなは他人だからね、そこまで厳しいお仕置き
はできないかもしれないけど、ここは家庭の中だからね、お外で
は絶対にできない恥ずかしいお仕置きもあるんだよ。……ほら、
いいから、しゃがんでみてごらん」
「えっ、……」
おじさまの求めに美里が応じました。理由はありません。その
時、春花は肋木の上、美里は板の上にいたからでした。
「ほら、この二枚の板に片方ずつ足を掛けて、腰を落とすんだ」
「……こうですか?」
春花や美里たちは、生まれた時から様式トイレで用を足します
から、そもそもしゃがむという習慣がありませんでした。
「そう、そう、それでウンチするんだ」
「えっ!こんな格好で?……だめ、私、キツイもん」
「だって、昔の日本人はみんなそうやってウンコしてたんだよ」
「えっ!?うそ!こんな格好で」
「嘘じゃないさ。みんなそうやってたんだから、できないはず
ないよ。……慣れれば、君にもすぐにできるようになるよ」
「無理、絶対に無理」
「そうかあ、無理かあ……でも、それじゃあ困ったなあ。……
だって、こうやってウンチができるのは、うちのお仕置きでは、
まだ軽い方なんだよ」
「えっ!?」
「(どういうこと?)」
二人はおじさまの言葉に、まるで豆鉄砲を食らった鳩みたいに
きょとんとしてしまったのでした。
「美里ちゃん、そこに膝まづいてごらん。………そう、そう、
その方が楽だろう。……そうしたら、両手を前に……ちょうど、
肋木の横木が掴めるだろう。……どの高さの横木でもいいんだよ。
それに掴まって……そう、そうやってお浣腸のあとウンチを我慢
するんだ」
「(えっ!!)」
「(えっ!!)」
そりゃあ驚きます。やらされてる美里だけでなく、肋木の天辺
に腰掛けてその様子を見ていた春花だって、驚きで声がでません
でした。
いえ、この二人が暮らす孤児院にもお浣腸のお仕置きはありま
した。でも、それは少しの時間我慢してからおトイレを許される
ものだったのです。
こんなお外で……しかもたわむ板の上で……何よりみんなから
見られるかもしれないこんな場所でウンチを我慢するなんて……
ありえないことでした。
「…………」
「…………」
二人にとってはあまりにも現実感のない話だったのでした。
「ほら、あなた、そんな話、よそ様にしないで頂戴!二人とも
怯えてるじゃないの」
おばさまが遅れて中にはいります。
すると、おじさまは……
「大丈夫さ、この子たちは孤児院で暮らしてるんだから外には
漏れないよ。それに、この子たち自身、うちの子になりたいって
言ってるみたいだし……もし、そうなったら……いきなりこんな
ことしたらショックも大きいだろうし、ここで少しだけ我が家の
やり方にも慣れておいた方がいいんじゃないかと思ってね、それ
で今日は連れて来たんだ」
「それはわかりますけど、この場所は二人には見せませんよ。
さすがに、それでは茜が可哀想ですから……」
おばさまはきっぱり。
「わかってるさ、ここは君の管轄だ。それをどうこうするつも
りはないよ」
どうやら、おばさまの意見が通ったみたいで……二人はこの先
まずお風呂へ入ることになったのでした。
***************************
9/30 御招ばれ(3)
9/30 御招ばれ(3)
*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)
***************************
<主な登場人物>
春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
林先生……舎監の先生。普段から生活指導は厳しく、孤児達が
お仕置を受けない日はないくらいだが、子供たちからは
からは慕われているシスター。
院長先生……おばあちゃん先生。めったに怒らない優しい人。
このため、友達から虐めにあったり、林先生からきつい
お仕置きを受けたりすると駆け込む避難所になっている。
大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
医者として独立。『茜』という養女をもらっているが、
春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。
****************************
二人は車寄せに止めてあった大西先生のベンツに乗り込みます。
事情は他のお友だちも同じでした。春花や美里のように定まった
里親がいない場合でもくじを引いて誰かしらが子供たちを自宅に
招待してくれます。中には、それほど裕福ではない家庭も含まれ
ていましたが、大人たちは自分たちにできる精一杯のもてなしを
してくれましたから、子供の方から招待を断ることはできません
でした。
二人と大西先生との出会いも最初はクジ引きですからまったく
の偶然だったのですが、二回目からは先生の方からご指名が入り
ます。
子供たちも先生のお宅が気に入って、その関係が今に続く事に
なるのですが、それは大西先生の暮らしぶりがセレブだったから
ではありませんでした。
そんな大西先生、たしかにベンツには乗っていましたが、その
愛車はかなりの年代物で、二人が座る後部座席のシートにはすで
に穴があいています。
二人は、飛び出してきたスプリングでドレスを破かないように
注意しながら座っていなければならなかったのです。
到着したお宅は古い洋館。決してピカピカの豪邸ではありませ
んでした。
緑の木々に囲まれた古い洋館はちょっと見は趣のある建物なの
ですが、建てた年代があまりに古すぎて、住むにはちょっと問題
があったのです。
板張りの廊下は普通に歩くだけでギシギシと音をたてますし、
木枠のガラス窓からは隙間風が入り込みます。本来なら壁に埋め
込まれているはずの電気の線やガス管も、壁や天井をむき出しの
まま這い回っていました。
でも、そんな事は二人には関係ありませんでした。
いえ、今となってはむしろこここそが懐かしい我が家といった
感じで廊下を駆け抜けて行くのです。
「おばさま、お招きありがとうございます」
「おばさま、お招きありがとうございます」
居間に通された二人はさっそく先生の奥様にお礼を述べます。
この挨拶は院長先生に習ったものでしたが、今では「ただいま」
という言葉に聞こえます。
「あら、いらっしゃい」
と、おばさんが…
「いらっしゃいませ」
と、茜お姉様がご挨拶を返します。
でも、二人がお上品なのはたったこれだけ……
そっそく二人のおやつのために用意されていたオレオとココア
をテーブルに見つけると、菓子盆に手を伸ばして……
「やったあ」
「わたしも……」
と、あっさり手づかみして、後はソファーで跳ね回ります。
すでに自宅気分というか山猿状態なわけですが、先生をはじめ
大西家の人たちがそんな二人を咎めることはありませんでした。
「今週はどうだったの?孤児院で叱られたりしなかった?」
二人が落ち着いたところで、おばさまが尋ねます。
「ん……ない事はないんだけど……もう、いつもの事だから」
春花が答えると、さらに尋ねてきました。
「あそこでは、毎日、お仕置きを受けるの?」
「私が毎日お仕置きされてるわけじゃないけど……孤児院の子
の誰かしらは、毎日お仕置きされてるわ。だって、お仕置き部屋
から悲鳴が聞こえなかった日なんて1日もなかったもの」
「お仕置き部屋なんてあるんだ。恐いのね。どんな時にそこへ
入れられるのかしら?」
「どんなって……お友だちと喧嘩したり……入っちゃいけない
芝生に入ったり……授業に遅れたり、消灯時間を過ぎてもおしゃ
べりしてたり……ま、理由は色々」
春花に続いて美里も……
「特に、金曜日の夕方は大変なの」
「どうして?」
「懺悔聴聞会ってのがあって、子供はみんな司祭様にその週に
犯した罪を懺悔しなければならないのよ。その日のうちならまだ
いいんだけど、二日も三日も前の事なんて、いちいち覚えてられ
ないでしょう。だから、みんな自然と日記をつけるようになって、
それを読み返して、暗記してから司祭様に会うようにしてるの」
美里の言葉に春花が入り込んだ。
「そう……もし、その週に犯した罪を全部言えなかったら、お
仕置きが増えるかもしれないんだもの。みんな真剣に覚えるわ」
「そう、大変ね。司祭様って、日頃からそんなに子供たちの事
を丹念に調べてるんだ」
「そうじゃなくて、林先生が私たちの罪を全部書いたノートを
司祭様に渡すから、それを見ながら判断なさるのよ。あんちょこ
があるんだもの。こっちはかなわないわ」
「なるほどね」
おばさんは笑います。そして……
「で、罪を告白したら許されるの?」
「小さい子はね、小学3年生くらいまでは、お膝に抱かれて、
『だめだよ、良い子でいなきゃ』っておっしゃるだけなの」
「だけど、小学4年生くらいからはお仕置きとして本当にぶた
れることもあるわ」
「あら大変。それじゃあなたたちは司祭様からぶたれたことが
あるわけ?」
「もちろん」
「うん、とっても痛いんだがら……」
「どんな罰を受けるの?お尻でも叩かれるのかしら?」
「だいたいお尻叩きだけど、手のひらだったり、太股だったり
することもあるわ。トォーズという革紐の鞭なの」
「先輩に聞いたんだけど、うちでは小学5年生から中学1年生
位までが一番厳しいんですって……」
「そうなの?……でも、それじゃ、あなたたち、まさに適齢期
じゃないの。……でも、どうしてその年頃の子が厳しいのかしら
ね」
おばさまが二人に微笑みながら首を傾け、ココアを入れてくれ
ます。でも、そのおばさまの問いかけに答えたのは春花でも美里
でもありませんでした。
「昔から、そのくらいの歳が女の子の躾どころって言われてる
んだ。体力的にも男勝りになるからね。ほおっておくと男を馬鹿
にして結婚したがらなくなると言われてるんだ。ま、職業婦人に
させるつもりなら別なんだろうけど、たいていの親は娘の結婚式
を楽しみにしているからね。その時期は特に注意して娘を厳しく
育てるんだ」
大西先生は、うがい手水に身を清め普段着に着替えると、居間
へと戻ってきたのでした。
「この子たちはそれがちょうど始まった時期、うちの茜はその
クライマックスというわけさ。あそこは孤児院と言っても躾けに
手を抜かないからね。どの子を選んで連れてきてもこちらが困る
ことがないんだ」
ここで、それまで沈黙を守っていた茜さんが口を開きます。
「じゃあ、この子たちも、うちと同じお仕置きを受けることが
あるんですか?」
「あるんじゃないかな、聞いてご覧」
先生は茜さんに言いましたが、茜さんは真っ赤な顔をしてただ
俯いてしまいます。
それはとても恥ずかしくて訊けないということのようでした。
その代わりを先生が務めます。
「二人は、お尻叩きの他にどんなお仕置きをされたことがある
のかな?」
「えっ、お仕置きで……」
二人も答えにくそうにはしていましたが、茜さんと比べはまだ
幼いので正直に答えます。
「何でもあるよ。……嘘をついたら、お口に石鹸を入れられて
ゲーゲーいいながらお口の中を洗わされるし、お腹の中も洗わな
きゃいけないって言われて浣腸だってされるもの」
「そう、もの凄く嫌な罰なの」
「あと、テストのカンニングがばれて、中庭の貼り付け台で、
二時間も立たされてた子がいたわ」
「そう、そう、敬子の事でしょう。パンツ一つでね。もの凄く
可哀想だったもん」
二人がお互いの顔を見合わせて盛り上がるなか、先生は新たに
質問します。
「君達の処はお灸のお仕置きもあるんだって?」
「うん、あるよ。お勉強しない子が受けるの?」
「林先生ってね、そういう時はいつも『私はあなた方に難しい
ことは求めていませんよ。真面目にやれば、みんなできることを
ちゃんとやりなさいって言ってるだけです。それができないのは
あなた方がやらないからでしょう』って……」
「そう、いつも言われてるの。怠けてる子は最初は鞭だけど、
そのうち院長先生のお部屋に呼ばれて、お尻にお灸を据えられる
のよ。私はやられたことがないけど、もの凄~く熱いんだって」
二人の答えに、なぜかおばさまが茜ちゃんに向かって……
「そうだそうよ、茜」
と言って微笑むのでした。
「鞭は、たしか革のスリッパだったよね」
先生が確かめると……
「私たちはまだそうだけど、6年生からはみんなに見られない
処ではヘアブラシで、見られる処では革のパドルなんだって……
聞いただけでゾッとするわ」
「中学生になるとお仕置きはケインなの。あれはもの凄く痛い
って先輩の子が言ってたわ……」
「それじゃあ、公開のお尻叩きもあるんだね」
「もちろん、たくさんあるわよ。特に日曜礼拝の後は……必ず
誰か舞台の上に呼ばれるもん。見せしめなの」
「君たちはやられたことあるの?」
「ないよ」
「私もない……」
「そういうのはたいてい中学生のお姉さんなの。鞭打ち台の上
で両方の足を大きく広げさせられるの。おかげで嫌なのが見えち
ゃうけど、目を背けると叱られるから、仕方く見てるんだけど…
…お尻が紫色になってとっても気持わるいんだから……」
「私も、あれ、見たくない」
春花が時に力説し、美里がそれに合いの手をいれますが、二人
の少女のお仕置き話はつきそうにありませんでした。
でも、それを聞かされていた茜ちゃんが、実は何より辛い立場
なのでした。
***************************
*)ソフトなソフトなお仕置き小説です。私的には…(^◇^)
***************************
<主な登場人物>
春花……11歳の少女。孤児院一のお転婆で即興ピアノが得意
美里……11歳の少女。春花の親友。春花に乗せられて悪戯も
するが、春花より女の子らしい。絵が得意な少女。
林先生……舎監の先生。普段から生活指導は厳しく、孤児達が
お仕置を受けない日はないくらいだが、子供たちからは
からは慕われているシスター。
院長先生……おばあちゃん先生。めったに怒らない優しい人。
このため、友達から虐めにあったり、林先生からきつい
お仕置きを受けたりすると駆け込む避難所になっている。
大西泰幸……中世史の研究をする大学の先生。実の子はすでに
医者として独立。『茜』という養女をもらっているが、
春花や美里も養女にしたいという希望を持っている。
大西茜……大西泰幸の養女。13歳で春花や美里よりお姉さん
だが、楚々とした感じのお嬢さんとして躾けられている。
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二人は車寄せに止めてあった大西先生のベンツに乗り込みます。
事情は他のお友だちも同じでした。春花や美里のように定まった
里親がいない場合でもくじを引いて誰かしらが子供たちを自宅に
招待してくれます。中には、それほど裕福ではない家庭も含まれ
ていましたが、大人たちは自分たちにできる精一杯のもてなしを
してくれましたから、子供の方から招待を断ることはできません
でした。
二人と大西先生との出会いも最初はクジ引きですからまったく
の偶然だったのですが、二回目からは先生の方からご指名が入り
ます。
子供たちも先生のお宅が気に入って、その関係が今に続く事に
なるのですが、それは大西先生の暮らしぶりがセレブだったから
ではありませんでした。
そんな大西先生、たしかにベンツには乗っていましたが、その
愛車はかなりの年代物で、二人が座る後部座席のシートにはすで
に穴があいています。
二人は、飛び出してきたスプリングでドレスを破かないように
注意しながら座っていなければならなかったのです。
到着したお宅は古い洋館。決してピカピカの豪邸ではありませ
んでした。
緑の木々に囲まれた古い洋館はちょっと見は趣のある建物なの
ですが、建てた年代があまりに古すぎて、住むにはちょっと問題
があったのです。
板張りの廊下は普通に歩くだけでギシギシと音をたてますし、
木枠のガラス窓からは隙間風が入り込みます。本来なら壁に埋め
込まれているはずの電気の線やガス管も、壁や天井をむき出しの
まま這い回っていました。
でも、そんな事は二人には関係ありませんでした。
いえ、今となってはむしろこここそが懐かしい我が家といった
感じで廊下を駆け抜けて行くのです。
「おばさま、お招きありがとうございます」
「おばさま、お招きありがとうございます」
居間に通された二人はさっそく先生の奥様にお礼を述べます。
この挨拶は院長先生に習ったものでしたが、今では「ただいま」
という言葉に聞こえます。
「あら、いらっしゃい」
と、おばさんが…
「いらっしゃいませ」
と、茜お姉様がご挨拶を返します。
でも、二人がお上品なのはたったこれだけ……
そっそく二人のおやつのために用意されていたオレオとココア
をテーブルに見つけると、菓子盆に手を伸ばして……
「やったあ」
「わたしも……」
と、あっさり手づかみして、後はソファーで跳ね回ります。
すでに自宅気分というか山猿状態なわけですが、先生をはじめ
大西家の人たちがそんな二人を咎めることはありませんでした。
「今週はどうだったの?孤児院で叱られたりしなかった?」
二人が落ち着いたところで、おばさまが尋ねます。
「ん……ない事はないんだけど……もう、いつもの事だから」
春花が答えると、さらに尋ねてきました。
「あそこでは、毎日、お仕置きを受けるの?」
「私が毎日お仕置きされてるわけじゃないけど……孤児院の子
の誰かしらは、毎日お仕置きされてるわ。だって、お仕置き部屋
から悲鳴が聞こえなかった日なんて1日もなかったもの」
「お仕置き部屋なんてあるんだ。恐いのね。どんな時にそこへ
入れられるのかしら?」
「どんなって……お友だちと喧嘩したり……入っちゃいけない
芝生に入ったり……授業に遅れたり、消灯時間を過ぎてもおしゃ
べりしてたり……ま、理由は色々」
春花に続いて美里も……
「特に、金曜日の夕方は大変なの」
「どうして?」
「懺悔聴聞会ってのがあって、子供はみんな司祭様にその週に
犯した罪を懺悔しなければならないのよ。その日のうちならまだ
いいんだけど、二日も三日も前の事なんて、いちいち覚えてられ
ないでしょう。だから、みんな自然と日記をつけるようになって、
それを読み返して、暗記してから司祭様に会うようにしてるの」
美里の言葉に春花が入り込んだ。
「そう……もし、その週に犯した罪を全部言えなかったら、お
仕置きが増えるかもしれないんだもの。みんな真剣に覚えるわ」
「そう、大変ね。司祭様って、日頃からそんなに子供たちの事
を丹念に調べてるんだ」
「そうじゃなくて、林先生が私たちの罪を全部書いたノートを
司祭様に渡すから、それを見ながら判断なさるのよ。あんちょこ
があるんだもの。こっちはかなわないわ」
「なるほどね」
おばさんは笑います。そして……
「で、罪を告白したら許されるの?」
「小さい子はね、小学3年生くらいまでは、お膝に抱かれて、
『だめだよ、良い子でいなきゃ』っておっしゃるだけなの」
「だけど、小学4年生くらいからはお仕置きとして本当にぶた
れることもあるわ」
「あら大変。それじゃあなたたちは司祭様からぶたれたことが
あるわけ?」
「もちろん」
「うん、とっても痛いんだがら……」
「どんな罰を受けるの?お尻でも叩かれるのかしら?」
「だいたいお尻叩きだけど、手のひらだったり、太股だったり
することもあるわ。トォーズという革紐の鞭なの」
「先輩に聞いたんだけど、うちでは小学5年生から中学1年生
位までが一番厳しいんですって……」
「そうなの?……でも、それじゃ、あなたたち、まさに適齢期
じゃないの。……でも、どうしてその年頃の子が厳しいのかしら
ね」
おばさまが二人に微笑みながら首を傾け、ココアを入れてくれ
ます。でも、そのおばさまの問いかけに答えたのは春花でも美里
でもありませんでした。
「昔から、そのくらいの歳が女の子の躾どころって言われてる
んだ。体力的にも男勝りになるからね。ほおっておくと男を馬鹿
にして結婚したがらなくなると言われてるんだ。ま、職業婦人に
させるつもりなら別なんだろうけど、たいていの親は娘の結婚式
を楽しみにしているからね。その時期は特に注意して娘を厳しく
育てるんだ」
大西先生は、うがい手水に身を清め普段着に着替えると、居間
へと戻ってきたのでした。
「この子たちはそれがちょうど始まった時期、うちの茜はその
クライマックスというわけさ。あそこは孤児院と言っても躾けに
手を抜かないからね。どの子を選んで連れてきてもこちらが困る
ことがないんだ」
ここで、それまで沈黙を守っていた茜さんが口を開きます。
「じゃあ、この子たちも、うちと同じお仕置きを受けることが
あるんですか?」
「あるんじゃないかな、聞いてご覧」
先生は茜さんに言いましたが、茜さんは真っ赤な顔をしてただ
俯いてしまいます。
それはとても恥ずかしくて訊けないということのようでした。
その代わりを先生が務めます。
「二人は、お尻叩きの他にどんなお仕置きをされたことがある
のかな?」
「えっ、お仕置きで……」
二人も答えにくそうにはしていましたが、茜さんと比べはまだ
幼いので正直に答えます。
「何でもあるよ。……嘘をついたら、お口に石鹸を入れられて
ゲーゲーいいながらお口の中を洗わされるし、お腹の中も洗わな
きゃいけないって言われて浣腸だってされるもの」
「そう、もの凄く嫌な罰なの」
「あと、テストのカンニングがばれて、中庭の貼り付け台で、
二時間も立たされてた子がいたわ」
「そう、そう、敬子の事でしょう。パンツ一つでね。もの凄く
可哀想だったもん」
二人がお互いの顔を見合わせて盛り上がるなか、先生は新たに
質問します。
「君達の処はお灸のお仕置きもあるんだって?」
「うん、あるよ。お勉強しない子が受けるの?」
「林先生ってね、そういう時はいつも『私はあなた方に難しい
ことは求めていませんよ。真面目にやれば、みんなできることを
ちゃんとやりなさいって言ってるだけです。それができないのは
あなた方がやらないからでしょう』って……」
「そう、いつも言われてるの。怠けてる子は最初は鞭だけど、
そのうち院長先生のお部屋に呼ばれて、お尻にお灸を据えられる
のよ。私はやられたことがないけど、もの凄~く熱いんだって」
二人の答えに、なぜかおばさまが茜ちゃんに向かって……
「そうだそうよ、茜」
と言って微笑むのでした。
「鞭は、たしか革のスリッパだったよね」
先生が確かめると……
「私たちはまだそうだけど、6年生からはみんなに見られない
処ではヘアブラシで、見られる処では革のパドルなんだって……
聞いただけでゾッとするわ」
「中学生になるとお仕置きはケインなの。あれはもの凄く痛い
って先輩の子が言ってたわ……」
「それじゃあ、公開のお尻叩きもあるんだね」
「もちろん、たくさんあるわよ。特に日曜礼拝の後は……必ず
誰か舞台の上に呼ばれるもん。見せしめなの」
「君たちはやられたことあるの?」
「ないよ」
「私もない……」
「そういうのはたいてい中学生のお姉さんなの。鞭打ち台の上
で両方の足を大きく広げさせられるの。おかげで嫌なのが見えち
ゃうけど、目を背けると叱られるから、仕方く見てるんだけど…
…お尻が紫色になってとっても気持わるいんだから……」
「私も、あれ、見たくない」
春花が時に力説し、美里がそれに合いの手をいれますが、二人
の少女のお仕置き話はつきそうにありませんでした。
でも、それを聞かされていた茜ちゃんが、実は何より辛い立場
なのでした。
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