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小暮男爵 <§2>

小暮男爵

***<< §2 >>****

 小暮家にやって来てからというもの私は一日の多くをお父様の
抱っこの中で過ごしていました。
 私がそう望んだというのではなく、リタイヤしたお父様が暇を
もてあましていて幼い私を手離そうとしないのです。

 私は独りになりたくてイヤイヤしたことが何度もあったようで
すが、そんな時でも一時的に河合先生が預かるだけで、またすぐ
にお父様の腕の中に戻されます。

 最初の頃はお遊びの時間はもちろん、食事、お風呂、おトイレ
……すべて一緒の暮らしだったのです。
 こちらはそうした生活に無理やり慣らされた感じでした。

 3歳という年齢を考えればそうしたこともそう不思議でもない
のかもしれませんが、幼児期を過ぎてもお父様は私を離しません。

 お父様は昼間ゴルフに出かけたり書斎で書き物をしたりという
生活でしたが、その場所にもお父様のお人形として私は参加して
いました。そんな時は河合先生が私の面倒をみるお母さん役です。

 『お父さんといつも一緒なんだから楽しそう』ですか?

 いえいえ、そこはそんなに快適な場所ではありませんよ。

 お父様が私を抱く時、そこはゴツゴツとした岩のような筋肉の
ベッドですし、まるで束子のような顎鬚が頭や顔にチクチク当た
ります。おまけに、男性特有の体臭が四六時中まとわりつきます
から、母親に抱かれるような優雅な世界ではありませんでした。
 幼児にとってはむしろ過酷な場所。ありがた迷惑な世界だった
のです。

 ただ、いいこともありました。
 そこはこの小暮家にあっては最も安全な場所だったのです。

 というのも、小暮家の娘たちなら避けて通れないお仕置きが、
お父様に抱かれている私には一度もありませんでした。
 そりゃあそうでしょう。お父様に四六時中抱かれている私は、
この家では赤ちゃん扱い。そんな赤ちゃんに、体罰を仕掛ける人
なんて誰もいませんから。

 その一方で人畜無害だと考えられていた私が、お姉さまたちの
お仕置きを見学することはよくあります。

 小暮家の厳しいお仕置きでは、お父様の前でパンツを脱ぐのは
当たり前。お臍の下を裏表しっかりチェックされた上に、その中
までも検査されます。

 そうやってから平手や竹の物差しでお尻が叩かれ悲鳴があがり
ます。時には女の子全員を集めてその前でお仕置きなんてことも。
 小暮家では女の子にお浣腸やお灸がなされることもありました
から、その恥ずかしさは半端ではありませんでした。

 今なら虐待ということなのかもしれません。
 理由なくはやりませんが、お父様が決断すると、それは厳しい
ことになります。
 私はそれを訳もわからず楽しく見学していました。

 それがいったいどれほど痛いのか、どれほど恥ずかしいのか、
そもそもお仕置きされたことのない私にはわかりません。
 幼児は気楽なものです。お姉さまの悲鳴や悶絶にも笑顔や拍手
で答えます。
 お父様の腕の中から見るお姉さまたちのお仕置きは、幼い私に
は退屈しのぎ見せ物(ショー)だったのでした。


 さて、それではこの小暮家の娘たち、いったいどんな時にお父
様からお仕置きされるのでしょうか。
 これには、だいたい四つのパターンがありました。

 『宿題や勉強を怠ける』
 お父様は女の子だから学問はいらないとは思っていませんから
成績が落ちるとお仕置きです。

 『嘘をつく』
 特に自分を守る為の嘘は最悪の結果でした。

 『お父様や学校の先生、家庭教師、お姉さまなどはもちろん、
庭師や下男、賄いのおばちゃんに至るまでおよそ自分より年長の
人は全て私たちより偉い人というルール』
 家の娘なんだから使用人の名は呼び捨てで構わないなんていう
お嬢様ルールはここにはありません。目上の人は誰であっても、
『○○さん』とさん付け呼ばなければなりませんでした。

 そして、お父様が何より気にしていたのが兄弟の仲でした。
 『兄弟げんかは理由のいかんに関わらずタブー』
 取っ組み合えば無条件で悲鳴が上がるほどのお尻叩きです。
 おまけに年長の子は年下の子の面倒をみさせられます。特に、
その子をいじめたりしようものなら、その結果は悲惨というほか
ありませんでした。

 もちろんそれってお父様がなさるお仕置きなんですが、私には
それこそが究極の弱い者虐めだったような気もします。
 お父様が怒るとそのくらい厳しいお仕置きでしたから。


 さて、そんな本格的なお仕置きが開始されるのが、この家では
10歳から。それ以前にもお仕置きはありますが過激なお仕置き
はありません。
 河合先生がご自分の判断でお尻叩きをすると驚いた子どもたち
がお父様の処へ逃げ帰るというのがあるくらいです。

 それが10歳を過ぎると状況が一変します。お父様がご自身で
判断して子供たちにお仕置きをなさいます。
 それって河合先生の時とは違い、子たちたちにしてみたらとて
も重いものだったのです。

 ただそれに先立ち、子どもたちはお父様へ一通の誓約書を提出
しなければなりませんでした。

 『もし約束を破ったらどのようなお仕置きもお受けします』
 簡単な誓約書は、しかしその後、長く私たちを縛り付けます。

 私も他の姉妹と同じように10歳になった時に誓約書を書いて
います。

 「いいかい美咲。この誓約書は、これから先、お前が児童施設
で暮らしたいのなら、いらないものだから書かなくていいんだよ。
どうするね。施設へ帰るかね」

 お父様はその時わざわざこんなことを言います。でも、その時
私は児童施設へ帰るつもりなんてありませんでした。
 私だけじゃありません。恐らくこの誓約書のせいで児童施設へ
帰る決断をした子は一人もいなかったと思います。

 私は、すでにお父様の実の子でないことを知っていましたが、
私には目の前にいるこの人以外に愛された経験ありませんから、
この人が世界で一番大事なお父様ですし、ちょっぴり口うるさい
ですけど、お父様と一緒にずっとずっと私の世話を焼いてくれた
河合先生がお母様です。
 もちろん、お姉さまともこのお家とも離れたくありませんから
答えは簡単だったのです。

 むしろ……
 『なぜ、そんなことわざわざ聞くんだろう。……ひょっとして、
お父様、私のことが嫌いになったのかしら……』
 なんて、余計な心配までしました。

 でも、お父様は私が誓約書を提出すると、まるで何事もなかっ
たかのように私を膝の上に抱いてあやし始めます。
 10歳にもなった少女と赤ちゃんごっこを始めるわけです。

 でも、そんなお父様に私の方も不満はありませんでした。
 女の子は何かにつけてお付き合いが大事ですからね、お父様が
望むなら私だって赤ちゃんとして振舞います。
 幼い頃やったおママゴトの延長ですから難しいことは何もあり
ませんでした。

 ガラガラが振られると笑い、おじやの入ったスプーンが目の前
に現れれば口を大きく開けて受け入れます。お風呂でもお父様が
私の服を全部脱がせて一緒に湯船に浸かり、流しで身体を隅から
隅まで洗ってもらうなんてことも……

 ある日突然こうなったわけではありません。歳相応という言葉
を知らないお父様によって、この時代は赤ちゃん時代からの習慣
がたくさん持ち越されていたのでした。
 お父様にしてみたら幼児も赤ちゃんも同じだったのでしょう。

 そして、こうしたことに抵抗感を示さない私はお父様の信用を
勝ち取っていきます。

 この時、お父様はすでに70歳近く。これまでも多くの女の子
たちを施設から引き取ってきましたが、さすがにこれ以上は無理
ということで私が最後の里子となっていました。
 つまり、私より年下の子はもうこの館へ来ないわけですから、
ずっと私がお父様のお膝を独占できるわけです。

 そんな事もあってお父様は私を幼女のままで育てたかったんだ
と思います。でも河合先生がそれを許さないので仕方なく誓約書
を取り出したという感じでした。

 そんな事情から、誓約書を提出した後も四年生の間は今までと
何ら変わらず私はお父様の赤ちゃんとして過ごすことになります。

 でも、五年生になって、とうとうその時が……
 お父様の家で暮らす少女なら避けて通れない試練の時が訪れた
のでした。

 小五から中一にかけて、大人たちはありとあらゆる機会を使い
子どもたちを躾けようとします。言いつけに背く子は無条件で罰
します。きついきついお仕置きは歳相応とはいえないほどの体罰
です。
 それがこれからはお姉さまたちだけでなく、お父様から寵愛を
受けていた私にも例外なく降りかかるのでした。

**********************

小暮男爵 < §1 >

小暮男爵

***<< §1 >>****

 その日、私は孤児院の庭で大きな木にぶつかりました。
 見上げると雲衝く様な大男が私を見下ろしています。
 私は不安げに笑いましたが……すると、三歳になったばかりの
私はいきなりその大男に抱きかかえられます。

 それが、男爵様との最初の出会いでした。
 そして、その時、地面を離れた足が再び施設の土を踏むことは
ありませんでした。

 私は男爵に抱きかかえられたまま孤児院の園長先生にお別れを
言い、そのまま黒塗りのシボレーに乗せられます。

 いきなりの環境の変化。でも、私は泣かなかったそうです。
 私は男爵様の膝の上でまるで何事もなかったかのように変わり
ゆく車窓の景色を眺めていました。

 そうやって連れて来られたのは横浜の山の中にあった男爵様の
別荘。
 別荘と言っても、そこが男爵が住まう家であり、私たち養女、
養子たちが生活する家でした。

 その建物に入り居間のソファまでやって来て私はようやく足を
地面に着けることができます。
 「いいかい、ここが今日からお前の家だ。まずは兄弟(姉妹)
たちを紹介しようね」

 男爵はそこにずらりと居並ぶ新しい兄弟を紹介していきます。
 ただ、いきなり起こった変化の中で私はそれを理解することが
できませんでした。きっと、紹介された十人の兄や姉たち、その
誰一人覚えることがなかったと思います。

 ただ、誰かが……
 「もっと可愛い子かと思ってた」
 という問いかけに男爵が…
 「可愛いじゃないか。何よりこの子は芯が強そうだ。車の中で
一度も泣かなかった」
 と言われ、お父様から頭を撫でられたのを覚えています。

 次は突然のことでした。

 『あっ』
 私はパンツを脱がされるとまるで岩山のような男爵の膝の上に
腰を下ろします。どうやら、その場でお漏らしを始めたようで、
周囲の大人たちが慌ててタオルや替えのパンツを用意し始めます。

 でも、そのことに私は慌てていませんでした。
 というのも、当時の施設ではパンツが濡れたまま遊んでいる子
なんて珍しくないからです。

 「乾くまで待ってればいいのに……」
 私が思わず発してしまった言葉に、周囲はどん引きしてしまい
ます。
 が、男爵様だけはそれを笑っています。
 私もそんな男爵様の顔を不思議そうに見ていました。

 そんな物怖じしない性格が気に入ったのか男爵様はノーパンの
私をさらに強く引き寄せ優しく頬ずりを繰り返します。

 実はこの男爵様、ペドフィリアの傾向があって、子どもたちも
その性癖を満足させるためにここに集められていたのでした。
 口の悪い人たちが『子供妾』と呼ぶあれです。

 ですから養女と言っても、私たちに男爵の財産を相続する権利
はありません。ただ、食べさせてもらい、着させてもらい、住ま
わせてもらうだけ存在なのです。

 そうですね、報酬らしいものといえば……しっかりとした教育
を受けさせてもらった事とお婿さんを探してもらった事くらいで
しょうか。

 そうそう『男爵様と知り合い』というのも社会に出てから結構
役に立ちました。おかげで、大人になってからも路頭に迷うこと
なく暮らせましたから、そういった意味での報酬はあったみたい
です。

 ただ、男爵はみずからの性欲の満足のために子どもたちを受け
入れているわけですから、実のお子さんのように『蝶よ花よ』と
いうわけにはいきません。
 私たちの生活は沢山の規則で縛られていて、些細な罪も厳しい
体罰で精算することになっていました。

 痛い罰、恥ずかしい罰もここでは日常茶飯事です。
 ですが、不条理な罰はありませんでした。

 罰には立派な理由がついていて、規則どおりに暮らしていれば
体罰の心配はありません。
 それができない時に厳しいことになるというわけです。

 ただ、そうは言っても相手は子ども。大人とは違い、分かって
いても色んなことをやらかします。
 おかげで、どんなに注意深く慎み深く生活している子どもでも、
二週間、三週間、いえ一月に一度は必ず男爵家のお仕置き部屋で
泣き叫ぶことになるのでした。

 いえ、事は家庭だけじゃありません。
 ここでは学校も同じでした。

 養女となった私たちが通う学校はお父様と同じ性癖を持つ方々
が資金を出し合って作った小学校や中学校。よって、お仕置きも
毎日の恒例行事です。何しろお父様たち公認なんですから幼い子
にも容赦はありませんでした。

 お父様たちに協力的な先生方のもと、子供たちは色んな理由を
つけられてぶたれます。まるで森でさえずる小鳥たちのように、
子供たちの悲鳴が毎日人里離れた山の中に響きます。

 それだけじゃありません。一歩敷地の中に入り込めば、他では
絶対に見られない破廉恥なお仕置きが目白押しでした。

 もちろんここも文部省が認可した正規の私立学校ですよ。でも
ここへ入学できるのは、特別な性癖を持つお父様方の子供たち
だけ。
 クラスメイトだってつまりは同じ環境なわけですから、私たち
には比べるものがありません。つまり私たちは自分たちのことを
ことさら不幸と感じたことはありませんでした。

 住めば都という言葉があるように、私たちにとってはこの山里
がふるさと。男爵様の家が我が家。学校もその一部にすぎません。

 『男爵様が用意してくれた広い広い庭でみんな暮らしている』
 そんな感じでしょうか。
 すべては男爵様の手の中にあったのかもしれませんが、それで
十分幸せでした。

 厳しいお仕置きがあると言っているのに幸せだなんて、不思議
ですか?変ですか?

 だってどんなに厳しいお仕置きがあったとしてもそれは生活の
中のほんの一コマ。大半の時間は優しいお父様にたっぷり甘えて
暮らしていましたから私的には幸せ感の方が大きいんです。
 お仕置きがあってもなくても、施設がここよりいい所のはずだ
なんて思ったことは一度もありませんでした。

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文武両道は二流なのか?(H無関係です)

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 ――確かに、自主性をうたう進学校は増えています。

「そういう学校には、絶対負けたくない。実は東筑(福岡の
進学校で今大会に出場)さんとは(現監督の)青野さんの前任者
のときに1回、合同練習をしたことがあるんですけど、うちの
練習を見た監督から『やってて意味がない』と言われたんです。
(下関国際のように)きついことはしていない。賢い子も『意味
がない』と、すぐに言うでしょ? 今回の県大会で宇部(初戦)
と下関西(2回戦)と、進学校に当たったので、普段練習して
ないだろうと思って、思いっきり長い野球をやっちゃろうと。
ボールも長い時間こねて、牽制もバンバン投げて。七回になった
ら向こうもヘトヘトでした。僕ね、『文武両道』って言葉が大嫌い
なんですよね。あり得ない」

 ――野球と勉学の両立は無理と?

「無理です。『一流』というのは『一つの流れ』。例えば野球
ひとつに集中してやるということ。文武両道って響きはいいです
けど、絶対逃げてますからね。東大を目指す子が2時間の勉強で
受かるのか。10時間勉強しても足りないのに」

 ――文武両道は二流だと?

「そういうことです。勉強しているときは『いや、僕野球やって
ますから』となるし、野球やっていたら『勉強が……』となる。
“練習2時間で甲子園”って。2時間って試合時間より短い。
長くやればいいってことではないけど、うちは1日1000本
バットを振っている。1001本目で何か掴むかもしれない。
なのに、時間で区切ってしまったら……。野球って自力の
スポーツで、サッカーやバスケみたいな時間のスポーツじゃない。
100点取ろうが、3アウト取らないと終わらない。2時間練習
して終わりじゃあ、掴めるわけがないんです。スポーツ庁が
(部活動の休養日や時間の制度化を検討し)練習を何時間以内に
しようと言っているでしょ? あんなんやられたら、うちみたい
な学校は、もう甲子園に出られない」

 ――選手に任せることはしない?

「自主性というのは指導者の逃げ。『やらされている選手が
かわいそう』とか言われますけど、意味が分からない。
(対戦する)三本松(香川)さんって進学校ですか?」

 ――どうでしょうか……県立ですよね。

「三本松さんの選手、甲子園(球場)でカキ氷食ってましたよ。
うちは許さんぞと(笑い)。僕らは水です。炭酸もダメ。飲んで
いいのは水、牛乳、果汁100%ジュース、スポーツドリンク
だけ。買い食いもダメ。携帯は入部するときに解約。3日で慣れ
ますよ。公衆電話か手紙でいいんです」

 ――昭和の野球ですね。

「他校の監督さんは『楽しい野球』と言うけど、嘘ばっかり。
楽しいわけがない。僕は現役のとき、日々の練習で野球が楽しい
と思ったことはなかった。『楽しく』という餌をまかないと
(選手が)来ないような学校はちょっと違う」


日刊ゲンダイDIGITAL 8/12(土) 12:02配信 から引用


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 このあたりの文章のことですね?
 ははははは……まさに昭和の野球部監督って感じですね。

 大変失礼ながら偏差値の低い学校の場合は、この監督さんの
ようにやらないと野球部も強くなれないかもしれません。
 しかし、学校といっても色々、生徒と言っても色々で、
文武両道は不可能ではないと思います。
 もちろん、『東大でて、プロに入って大活躍』とはならない
でしょうけど、大切な事はそういうことではなくて、いかに時間
を有効に使えるかという能力だと思うんです。
 『野球やってるから勉強が……』なんていい訳しませんよ。
少なくとも一流校の生徒は……
 それは承知でやっているんですから、みんな真剣です。いかに
効率よく勉強と野球の両方をこなしていくか、日々そればかり
考えてバカなこと(?)をやっています。
 そして何より自分に何が足りないのかを的確に把握しています。
自分で課題を見つけ自分でそれを克服修正すべく全体練習以外に
も空いた時間を見つけて、個々が自主的に練習するんです。
むしろ、練習の主体はこちら。
 全体練習はみんなでやらないと意味がないものだけ。それが
終われば和気藹々としていますが、それでもそんなに無様な試合
をしたことはありません。これができて始めて文武両道って言え
るんです。
 これ、一流じゃありませんか?僕の学校は甲子園こそ滅多に
でませんが、県大会ではベスト8以上の常連でした。
 こんな連中の生き様、僕は立派な一流の生き方だと思いますよ。
 大切なのは、社会人になると『自分の求めること以外にも時間
を取られてしまう』という現実です。最近では仕事と家事なんて
のが一般的でしょうか。いえ、仕事の中でも自分の求めること
以外に時間を取られることは珍しくありません。
 そんな時、こうした修羅場を潜り抜けた経験は生きてきます。
 目指すものがあれば人は工夫します。その工夫を生む環境
づくりをサポートしてやるのが指導者の役割なんじゃないで
しょうか。
 『甲子園に出られた』『勝った負けた』だけが文武両道の意味
ではないと思うんです。

『ひよっこ』見たよ

『ひよっこ』見たよ

疑問1)
 お父さんが記憶喪失で見つかったら、僕ん家ならまず病院だね。
 たとえ、2年半経過していてもとにかく怪我なんだし、みね子
さんの家族は医者の見解を聞いてみたいと思わないんだろうか?
たとえ診察の結果、何の進展も得られなかったとしても、それが
『家族の情』って感じがする。
 僕の家庭環境ならそうだ。とにかく、おねしょ一つで大学病院
って親だから。

疑問2)
 記憶喪失がどんなものか知らないけど、記憶が戻らない前に娘
と同室で寝るってのは、ちょっと恐い気がする。
 お父さんはいい人みたいだけど、記憶がなくなったら、そこは
一人の男性として考えるべきじゃないだろうか?

疑問3)
 周囲みな善人で結構なお話なんだけど、あまりにも他人の心に
深入りしているように感じる。過ぎたるは及ばざるがごとしで、
僕がみね子さんの立場ならこれはおっくうだ。
 このあたり、女性と男性で感覚が大きく違うかもしれないけど。

疑問4)
 最後に、これはプロアマ問わず作家生活を長年続けている人に
ありがちなんだけど、ここに出てくる登場人物は、相手のことが
不自然なまでにわかり過ぎてるような気がする。恐らく、全てを
把握している作家さんが、人形と化した登場人物に『あれも言わ
そう』『これも言わそう』と思うんだろうけど、実社会を生きる
人は、たとえ親しい関係であっても、そこまで相手のことを理解
できないというのが僕の見解だ。
 親とか、よほど惚れた恋人でもなければそこまで相手の内心を
探り当てられない。それが、見ている私たちにとっても不自然と
感じられないのは、作者さん同様、私たちもまた物語の全体像を
把握しているからに他ならないからで、俯瞰で見ている場合と、
仕事をかかえ日常生活を営みながら相手の顔と向き合ってる場合
とでは、おのずと見える内心も異なるはずだと僕は思うんだよ。
 ご都合主義は小説の習いだけど、それも度が過ぎると……って
感じがこの物語は否めないんだな。
 まるで少女マンガの原作を実写化したみたいだ。

最後に)
 色々批判めいたことばりになっちゃったけど、僕はこんなお話
好きですよ。『波乱万丈の英雄女傑伝』もいいかもしれないけど、
浮世離れしていない身の丈にあった幸せって親近感が持てるもん。

***********************

<神山村の三人娘>~③~

<<登場人物>>

 中三トリオ<幼馴染>
 タマミ(小島珠美)
 何事にもミーハー。おかっぱ頭。今回、大港町の新興キネマで
 18禁の映画を見ようと言い出す。
 ヨーコ(花田洋子)
 真ん中で長い髪を分けている。普段は口数少ない文学少女だが、
 反骨なところもある。三人の中では比較的学校の成績がよい。
 ジュリ(前田樹理)
 ソバカスだらけの顔にショートヘア。ボーイシュ。体育会系。

 *男の子たち<小学生>*
 金崎信也君
 江藤順平君
 佐々木守君

*************************

 <神山村の三人娘>~③~

 三人娘のお仕置きは、土曜日の午後から一泊二日かけて学校の
北側に隣接する女子修道院で行われることになった。

 女子修道院とあるが、ここは完全な男子禁制ではない。教区の
責任者である牧師様はもちろんのこと、小学生までなら男の子も
出入りは自由だ。

 お仕置きを受けるその週末も少女たちにしてみたら招かれざる
客が数人、下着の入った袋を持って玄関に現れていた。
 男の子に限らないが、ここへ来る時に持ち込めるのは下着だけ。
女の子はブラジャーでさえ許されていないのである。

 修道院の玄関先は小さな庭になっていてマリア様の像と噴水、
それにシスターたちが丹精する四季折々の草花が出迎えてくれる。

 「わ~きれい」
 ヨーコは叫んだが、振り返った時、ほかの二人はため息。

 「何よ、そのため息は…私が綺麗って言ってるのよ。一緒に、
『わ~凄い』とか言ってくれたっていいでしょう」
 ヨーコは付き合いの悪い友だち二人が不満だった。

 確かに、ここってロケーションとしては最高な場所なんだから
ヨーコのように感嘆の声をあげても不思議はない。ただ、今日は
普段ではない。辛いお仕置きが待っている子供たちにしてみたら、
そんな庭の美しさをめでる余裕などないのだ。むしろ、今にあっ
てはヨーコの方が特異だったのである。

 いずれも母ヤギから引き離された子ヤギのように落ち着かない
様子で玄関先をうろうろ。誰一人、その呼び鈴に触る勇気がない。
 そこはヨーコも同じなのだ。

 そうこうするうち、外の気配に気づいた若いシスターが玄関の
ドアをあげる。

 「まあ、よく来たわね。さあ、入ってちょうだい」
 応対に出たシスターはまるで自宅にでも招き入れるかのように
とても上品な笑顔を見せる。
 ただ、この笑顔に子供たちは騙されてはいけなかった。

 この建物は悪さをする子どもたちにとっては魔女の屋敷。中に
一歩足を踏み入れた瞬間から、子供たちには何一つの自由も与え
られていなかったのである。

 「さあ、こちらよ」
 案内されてまず入ったのは、玄関近くにある引き付けと呼ばれ
る部屋。

 八畳ほどの板張りで殺風景な場所だが子供たちにとってはここ
が地獄の一丁目一番地だった。

 「さあ、まずは身体検査をしますから、いま着てるものを全部
脱いでちょうだい。シャツもパンツも全部よ」

 その部屋で待っていた年配のシスターが、さっそく子供たちに
指示を出す。

 子どもたちはまずここで素っ裸にならなければならなかった。

 「…………」
 タマミもヨーコもジュリも友だちの様子を窺いながら自分の服
に手を掛ける。

 しかし、自分の服に手は掛けるものの。どの子も相手の視線を
気にしつつ、なかなか先へと進まない。いつになってもブラウス
一枚脱げなかった。

 「ほら、そこの三人、早くしなさい」
 おばさんシスターの苛立つ声が聞こえる。

 もちろんそれはお風呂やプールではないこんな場所でどうして
裸に……というのもあるが、何より幼いとはいえ10歳を過ぎた
少年たちの目が乙女たちには気になったのだった。

 「さあ、あなたたち、なにを愚図愚図してるの。わざと時間を
かけるようなら鞭もあるわよ」
 若いシスターは自分も古参のシスター達からよくやられている
ので、自分よりさらに若い子には容赦がない。

 女子修道院というと女の園だから清廉な場所と思われているが、
実際はまるで中世社会や軍隊のような階級社会。おまけに変化に
乏しく退屈な日常を強いられていて、悪く言えば刑務所みたいな
場所でもあるのだ。

 そんな常日頃古参のシスターたちにいびられ、虐げられている
若手のシスターのもとへ、お仕置き目的で自分たちより若い子が
送り込まれたらどうなるか。
 その先の説明はいらないかもしれない。

 「さあ、あと三つ数えるうちにパンツが脱げないなら、ここで
浣腸しますよ」
 若いシスターの一人が叫んだ。

 するとヨーコが思わず……
 「まさかあ、すぐそうやって脅かすんだから~」
 と口を滑らせてしまう。
 学校生活と同じノリでそう言ったのだ。

 すると、たちまちガラス製の浣腸器をもった若いシスターたち
がヨーコの元へやって来て……

 「あら、脅かしじゃないわよ。ここでウンチ漏らした子だって
今までに一人や二人じゃないんだから。あなた、試してみる?」
 「どうやらこの子、修道院の掟を知らないみたいね。ここでは
新参者は絶対服従が原則よ。規律違反は厳罰」
 「お仕置きを受ける子に許されてる言葉は『はい、シスター』
だけ。『いいえ』って一言でも言ったら鞭がお尻に飛ぶから気を
つけてね」

 シスターたちは口々にヨーコへ脅しをかける。
 そして、ヨーコもまたこう言われると、もうそれ以上何も言え
なかった。

 「ひと~~~つ……ふた~~~つ……」
 若いシスターの声がひときわ甲高く部屋中に響く。

 男の子たちはすでに服を脱ぎ終わり全員が壁の方向いている。
もちろん男の子だって裸になるのは恥ずかしいだろうが、女の子
に比べればまだ自分の裸に鈍感でいられる。
 その分、すでにこちらに興味が湧いているみたいだった。

 振り向けないのはわかってるけど、男の子たちのそんな気配に
女の子は敏感だったのである。

 『あ~あ、いやだなあ』
 三人の思いは一緒。
 でも、そんな事情をシスターたちが考慮してくれるはずもなく
15歳の娘たちはこの部屋でストリップを披露するしかなかった。

 「……みっつ~~~」
 最後の声が鳴り響くなか、全員が最後のパンツを下ろした。

 これでお仕置きを受ける全員が素っ裸。
 もう、コレだけでも立派なお仕置きなのかもしれないが、勿論
これはほんの序の口。彼女たちがこの修道院を出るまでにはあり
とあらゆるハレンチなお仕置きを経験しなければならなかったの
である。

 「今週の出席者は六人です。中三の女の子三人と小五の男の子
が三人です」
 若いシスターの一人がこの中にあってはリーダー格とおぼしき
おばさんシスターに名簿を手渡した。

 「そうですか。それでは始めましょうか……」
中年のそのシスターは白髪交じり。鼈甲の髪留めで前髪を止め
ると、部屋の真ん中に置かれたひときわ大きくて立派な椅子に腰
を下ろす。
 これから子供たちへのお仕置きが始まるわけだが、その指揮を
とるのは、このおばさんシスターだったのである。

 「では、出席をとりますから、全員名前を呼ばれたら、元気に
『はい』と言ってまっすぐに手をあげましょう」
 おばさんシスターはそう言うと、一人ひとりの名前を呼び上げ
始めた。

 「金崎信也君」
 「はい」
 男の子の元気良い声が部屋じゅうに響く。

 「江藤順平君」
 「はい」

 男の子のボーイソプラノを聞きながら女の子たちはというと…
 『あいつらったら、これからお仕置きされるというのに、どう
してあんな元気な声がでるんだろう』
 と不思議だった。

 「佐々木守君」
 「はい」

 「よろしい、元気なのは何よりだわ」
 男の子たちの元気な返事に満足した様子のおばさんシスターは、
今度は女の子へと取り掛かる。

 「小島珠美さん」
 「は~~い」

 こちらは男の子のようにはいかなかった。
 覇気のない声、間延びした調子。手も途中までしか上がらない。

 『なぜ、こんな無駄なことなぜやるのかしら、顔を見ただけで
ここに誰が来ているかわかるでしょうに』
 そんな気持が見え隠れするのだ。
 中三の子はこの村では最上級生。こうしたお仕置き合宿だって
一度や二度ではないから良くも悪くも内実を心得てるのだ。

 『点呼なんてかったるい』
 そんな感じだった。

 すると……
 「シスター川村」
 おばさんシスターが若いシスターに声を掛ける。

 「はい、先生」
 シスター川村はそう答えて、さっそく行動を起こす。

 おばさんは若い娘に目配せしただけ。具体的には何も指示して
いないのに、川村シスターの方はどうやら自分の仕事が分かって
いるようだった。

 「小島さん、立ちなさい」
 川村シスターは壁に向かって膝まづく珠美を立たせると、有無
も言わさず身体を押さえつけて前屈させる。

 両手の指先が足のつま先にくっつくくらいギューっと折り曲げ
ておいてから自分を主張し始めた生意気なお尻を打ち据えたのだ。

 「ピシッ」
 甲高い音が部屋中に響いた。

 使ったのはゴムのパドル。この修道院では女の子のお尻に挨拶
する時によく使われるやつだ。
 60センチくらいの長さがあって、ちょうど卓球のラケットを
二回りほど大きくしたような形をしている。

 『…………』
 これだってまったく痛くないと言えば嘘になるが、もう中三の
身体なら悲鳴を上げるほどではなかった。

 「珠美さん。ここは、あなたが今の今までいた学校や家庭とは
違うの。あなた方はお仕置きでここに来てるの。何事もなあなあ
ではすまされないのよ。誰に対しても、ちゃんとご挨拶しなきゃ
いけないわね。特に、目上の方や年長者の方にはしっかりご挨拶
しなければ、疎まれてこれから先どんどん辛い目をみるかわかり
ませんよ。……わかるわね」

 おばさんシスターに諭され珠美は静かに頷いたのだが……
 次の瞬間……。

 「ご返事は!!」
 おばさんシスターの雷が再び落ちる。

 「まったく、何を聞いてるの!あなた、何もわかってないわね。
もう一回!」

 そして、再び……
 「ピシッ」

 「申し訳ありませんでした」
 珠美はこの音でやっとご挨拶を済ませたのだった。

 「みなさんもそうですよ。ご挨拶ご返事はどこへ行っても社会
の基本です。そもそもそれができないなんて子は論外です。当然、
即刻お仕置きです。『恥ずかしいからそんなのできません、声が
出ません』なんて理由にならないの。ここでは命じられたことが
出来なければすべてその場でお仕置き。これが原則。他の子たち
もよ~~く覚えておきなさいね」
 おばさんシスターはあたりを見回し、女の子だけでなく男の子
たちのその小さなお尻たちに向かっても叫ぶ。

 小学生の男の子たちはもちろん、中三の女の子たちにとっても
その効果は絶大だった。

 「次、前田樹理さん」
 「はい、シスター先生」

 「花田洋子さん」
 「はい、シスター先生」

 二人の少女は小学生に戻って大きな声を上げた。

 壁に向かって膝まづいたままの姿勢で、右手をまっすぐにあげ、
大きな声でおばさんシスターにご返事するだけ。思えば簡単な事
かもしれないが、中学三年生ともなれば恥ずかしさやテレが先に
来る。小学生時代のように誰に対してもどんな時でも元気一杯で
ご挨拶というわけにはいかなかった。

 そこはおばさんシスターも承知していて、最初の子にこうして
厳しいパフォーマンスを見せておけば、他のお友達だって考える
だろうというわけだ。

 おかげで残り二人のご挨拶に問題はなかった。

 「さてと、それでは身体検査してみましょうか。……まずは、
男の子たちから……金崎信也君、こちらへいらっしゃい」

 おばさんシスターが最初に指名したのは、男の子の中でも最も
小柄な少年だった。
 
 もちろん、その少年も最初は女の子たちと同様、素っ裸で壁の
方を向いて膝まづいている。
 『いらっしゃい』ということは当然、前にぶら下げている物が
シスターたちにも見えるということだから、立ち上がった瞬間、
思わず両手で自分の前を隠したのだが……

 「なんだ、なんだ、ほっぺを赤くして…ん?恥ずかしいのか?
いいからここへ来なさい」
 おばさんシスターは大きな椅子にどっかと腰を下ろしたまま、
大振りな動作で信也君を呼ぶ。

 気の小さい信也君は立ち上がったその壁際でしばし動かない。
 あたりをきょろきょろと見回している姿はまるで挙動不審者だ。
 こうした場合、もし逃げ出せたるならそうするところだろうが、
周囲にも若いシスターたちがいて、とても成功しそうになった。

 「さあ、一緒に行ってあげるから………どんなことでも勇気が
ないと事態はどんどん悪くなるのよ。他の子より多くのお仕置き
なんていやでしょう」
 見かねた若いシスターの一人が怯える信也君の肩を抱いて部屋
の中央へ。

 おばさんシスターの前へと引っ立てられた信也君、玉座に座る
このおばさんが閻魔大王にでも見えたのだろう。その手足や唇が
誰の目にも分かるように震えていたのだった。

 「どうした?恐いのか?……」
おばさんは信也君の顔を間近に見て笑う。無理もないといった
表情だ。

 「…………」
 信也君が小さく頷くと、今度は、その顔を濡れたタオルで拭き
始める。

 「そりゃそうだよね、ここにはお仕置きされるために来たんだ
から笑顔ではいられないよね。だけどさ、お前みたいにちゃんと
反省できる子はそんなに辛い目には遭わないから、心配しなくて
いいんだよ」

 おばさんシスターが拭き取ったのは、涙目になった顔だけでは
ない。首、胸、腕、背中…信也君の身体中を綺麗にしていく。
 その姿はまるで本当のお母さんのようだった。

 「ここで辛い目に遭うのは、何度もここへ来てお仕置きされて
るくせに、いっこうに懲りない子。そんな子はお仕置きに慣れて
るから、う~~んとキツイのをやらないと効果がないのよ。……
ひょっとしたら、そんな子は、お仕置きされるのが嬉しいのかも
しれないわね」

 おばさんシスターはそう言って中三の三人娘たちの様子を背中
から見る。

 『何かやばそうな雰囲気』
 『それって、私たちへのあてこすりかしら』
 『いやだなあ、また私たちを目の敵にしてるよ』
 三人はそれぞれに胸の中で思った。

 ということは、思うことはそれぞれに違っても彼女たちもまた、
おばさんシスターが自分たちに向けて話していたのは分かってい
たのである。

 とうとう、おばさんシスターのタオルは信也君が両手でかばう
場所へとやって来る。
 しかし、信也君はそこから両手を離そうとしないのだ。

 「どうしたの?……恥ずかしいの?……大丈夫、大丈夫。そん
な小さいもの誰も見ないわ。どうせあなた、まだ赤ちゃんのまま
なんでしょう。ほら、見せてごらんなさい」

 おばさんはやさしく信也君の両手を取り去る。
 出てきたのはおばさんが予想したとおり、まだ赤ん坊の頃から
何一つ変わっていない可愛い一物だった。

 「ほら、ごらんなさい。何も変わってないじゃない。色も形も
赤ちゃんと同じ。可愛いものだわ」

 シスターはそう言いながら、信也君のまだ皮に包まれた小さな
物干し竿を摘みあげる。
 脇では若いシスターたちもその様子を見ていた。

 竿も、袋も、お尻の穴も、そのすべてがお尻のお山と皮膚の色。
もちろんペンシル型のオチンチンも弛んだ皮膚に覆われている。

 おばさんシスターはこの見ての通りの赤ちゃん体形をそれでも
隣りで記録をつけている若いシスターのために報告した。

 「包茎……陰毛の発毛は見られず……色素沈着もなし……」
 おばさんシスターはまず信也君のお臍の下を検査する。

 可愛い一物を引っ張ったり、先っちょを剝いてみたり、竿と袋
の特に根元の部分を念入りに確認しながら……
 「かぶれなし……灸痕は……見られず……そのほか火傷の痕も
なし……鞭の痕もないみたいだわね」

 最後は、皺々袋を軽く握ってその重さを量るような仕草をして
みせた。……もう、やりたい放題だ。

 「最近はいい子にしてたみたいね。先生とかお父さんお母さん
から叱られたことある?」

 「あるけど……」

 「鞭でのお仕置きはなかったんでしょう?」

 「うん、それはなかった」
 信也君は自分のシンボルがおばさんシスターによっていじられ
玩具にされても何の抵抗もしなかった。

 「それじゃあ、前かがみになってごらんなさい」

 おばさんシスターに命じられて信也君はちょっぴり怯えた顔に
なったが……

 「大丈夫よ。ぶったりしないから」
 おばさんシスターにこう言われたから恐々両手を床に着けたの
だ。

 すると、今度はお尻の穴が調べられる。
 まだ青い桃の実が割られ、固い種のような菊座が顔を出す。

 すると、おばさんシスターは涼しい顔で外部の侵入を許さない
堅い門に指を立てて無理やりそこを押し広げようとするのだ。

 「あっ、いや」
 信也君は坊ちゃん刈りの頭を振って抵抗。声を上げてみたが、
おばさんシスターはやめなかった。

 それどころか……
 「ほう、なかなかいい締まり具合じゃないか……」
 おばさんシスターは自分の人差し指を第一関節まで入れ込むと、
まるでその感触を楽しむかのように肛門の中で動かしてみる。

 「あっ、いや、だめえ~~」
 信也君の声が大きくなった。

 しかし、おばさんシスターの指は信也君の力では抜けない。

 気がつけば、若いシスターにその身体を押さえつけられていた
から、その後は、もうどうすることもできなかったのである。

 「あなた、禁止されてる中庭でボール遊びをしていて教員室の
ガラスを割ったそうじゃない。……おまけにその場から逃げたり
して……そんな悪い子には、やっぱりしっかりした罰が必要ね」

 おばさんシスターはそう言うと、入れていた自分の指先をグイ
と曲げ、そこに出来た僅かな隙間を利用してイチヂク浣腸の先を
お尻の穴へ突き刺す。

 「いやあ~~~だめ~~~」
 信也君の声は慌てて大きな声を出したが、すでに手遅れ。

 おばさんシスターによる電光石火の早業。その目にも止まらぬ
手技によって、これまでだって何人もの子どもたちが泣かされて
きたのだ。

 「ほらほら、暴れないの。痛くないでしょう。まずは、お腹に
溜まった悪い心を洗い流しましょう。お仕置きはそれからよ」

 「ぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 信也君のお腹にイチヂクの実が潰れグリセリンが入っていく。

 『いや、いや、いや……』
 信也君は思ったが、もう、どうしようもなかった。

 グリセリンは即効性のある薬だから、お尻から薬液を注入され
ると効果が出るのに1分とかからない。若いシスターがお尻の穴
をティシュで塞ぐ頃には信也君はもう我慢ができなくなっていた。

 「あっ、先生トイレ。……トイレ行きたい」
 信也君は前を押さえて地団太を踏む。

 でも、すぐにトイレは許されなかった。
 若いシスターによってその場からごぼう抜きに持ち上げられた
信也君は慌てる。
 「あっ、いや、だめ、トイレ行かなきゃだめ、漏れちゃうから」

 できる限りの抵抗を試みたが下ろしてもらったのはトイレでは
なく、おばさんシスターの膝の上だった。

 そこで、おばさんと向かい合うように座ると、今にも飛び出し
そうなお腹を抱えたままで……

 「信也君。もう、学校の中庭でボール投げなんかしない?」

 「えっ…………あっ……はい」
 信也君は大きな大人の顔を目の前にして思いっきり戸惑ったが、
『はい』というしか自分が救われないことは用意に判断できたの
である。

 「これから、いい子になりますか?」
 「はい」
 信也君は震える唇で答える。まだ、たった2問だが、全身鳥肌。
ちょっと気を緩めたら取り返しのつかないことになりそうだった。

 「本当に約束できる?」
 「えっ…………あっ……はい」
 信也君は『こっちはもう限界なのに、なに悠長なこと言ってる
んだよ』と泣きたい気分だ。おまけにお腹がぐっと差し込んで、
もう全身脂汗になっていた。もうこうなったら何でも『はい』と
応じるしかなかった。

 とにかく、今はそれどころではなかったのである。

 「それを学校の先生やお父さんお母さんにも約束できかしら?」

 「あっ……はい」
 また、さしこみがお腹を襲う。もう、とにかく『イエスイエス
イエス』何を聞かれてもこう答えようとしていたのである。

 だから……
 「ここでは反省の言葉を百回書く百行清書をやってもらいます。
ただ百回書けばいいんじゃないの。汚い字はやり直し。わかった」
 「はい」

 「清書中はおしゃべりはもちろん、あくびも認めません。違反
は全てお尻への鞭で償います。いいですか?」
 「はい」
 信也君は、もうこの頃になるとおばさんシスターの話をろくに
聞いていなかった。とにかく言葉が途切れたら『はい』と言おう
とそればかり頭に思っていたのである。

 結果……
 『教会の規則に違反した時は目上の人のどんな罰にも従います。
痛い罰、恥ずかしい罰、どんな罰も受けます』
 と約束したわけだが、実は信也君、おばさんシスターにそんな
約束をした覚えがなかったのである。

 その時は、ただただ苦しくておばさんシスターの胸の中に倒れ
込み、『とうかお漏らししませんように』とそればかり頭の中で
考えていたのだった。

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Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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