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[ 第 3 回 ] お灸のお仕置き①

❈❈❈❈❈❈❈❈❈ [ 第 3 回 ] ❈❈❈❈❈❈❈❈❈

    ❈❈❈❈❈  お灸のお仕置き① ❈❈❈❈❈

 お母さんのお膝にうつ伏せになると、お姉ちゃんのお尻がぽっ
こりとそこに乗り、短いスカートからはすでに白いショーツが
見え隠れ。

 お尻叩きならこの姿勢でもいいのでしょうが、お灸はもっと
残酷なことになります。

 「あっ」

 小さな驚きの声が聞こえ、お姉ちゃんの右手が思わず後ろへ
回り込もうとしました。
 お母さんがお姉ちゃんのスカートをめくったのです。

 『お仕置きだからじっとしてなきゃ』
 衝動的な身体の動きをお姉ちゃんが理性で抑えたのを確認
して、お母さんはパンツもずらしてしまいます。

 お姉ちゃんは畳の上に両手で土手を造りその中に顔を埋めて
静かにしていますが、こちらからもその顔が興奮と羞恥で首筋
まで真っ赤なのがわかりました。

 「清美さん、そこのバスタオル取ってくださる」
 お母さんは清美お姉さんにバスタオルを注文すると、それを
四つ折にしてお姉ちゃんのお臍の下に引き込みます。

 続いて……
 「あっ、それから……ほら、そこ出してあるアルコールの……
…そうそれ、お盆ごとこちらへお願いね」

 お母さんが目配せした部屋の片隅には始めから用意しておいた
のでしょう、消毒用アルコールの薬ビンと脱脂綿が乗ったお盆が
置いてありました。

 お母さんは清美さんが届けてくれたこげ茶色のビンを開けて、
アルコールを脱脂綿に充分染み込ませます。
 そして……

 「あぁぁ」

 当然の事のようにそれをお姉ちゃんのお尻の山に擦り込んだ
のです。

 僕たちの学校で覚えてたのでしょうか、お尻叩きの時もお浣腸
の時も、そしてこうしたお灸の時も、お母さんはお仕置きの前に
は必ず子供のお尻をこうやってアルコール消毒します。

 『これから厳しいお仕置きの始まりですからね』

 そんな合図にお姉ちゃんは身を固くして待つしかありません
でした。

 僕たちもアルコールは学校やお家で幾度となく経験がありま
すが、幼い頃お仕置きが怖くてお漏らしをするというのは、だい
たい酷い事をされいてる最中というよりもこの瞬間だったんです。

 お仕置きは刑罰とちがって出来ることに限りがありますから、
できるだけ小さな衝撃で最大限の効果がでるように大人たちは
工夫します。これもそんな工夫の一つでした。

 幸いお姉ちゃんはお漏らしは免れましたが、すでにお尻太股は
鳥肌、寒いわけでもないのに全身が小刻みに震えだしています。

 「お姉ちゃん、可哀想だね」
 みいちゃんが言えば、ぼくも…
 「ほんと、もっとごめんなさいすればいいのに」
 なんて勝手なことを言っては応じていました。

 二人が思わずそんな会話をしてしまうほどこの時のお姉ちゃん
は可哀想な状態だったのです。

 「では始めます。これからお母さんが授ける愛をしっかり受け
止めなさい。愛は甘いものだけではありません。とっても苦いも
のもあるんです。それをよ~くあなたの身体で受け止めなさい。
いいですね」

 お母さんはあらためてお線香に火をつけながら諭します。
 でも、お姉ちゃんからご返事がないので、もう一度、強く言い
なおしたのです。

 「………茜さん、いいですね」(-_-#)

 「はい、お母さん」(>_<")

 「よろしい。……これまではあなたも幼かったのでおばあさま
や武田のおばさん(お隣のおばさん)にしっかり身体を抑えてお
いてもらってましたけど、今日は清美さんにその役をやってもら
います。…………清美さん、お願いね」

 「えっ!?」
 いきなりのご指名に清美お姉さんは戸惑った様子ですが、拒否
も出来ませんから…
 「あっ、はい」
 受けるしかありませんでした。

 「茜、清美さんがやってくださるって、そのままの格好でいい
からお礼をいいなさい」
 お母さんは優しく言いますが、その顔はどこか勝ち誇ったよう
にも見みえました。

 「あ……ありがとうございます」
 お姉ちゃんはすでに涙声です。

 「あっ……はい。こちらこそ」
 実は、清美お姉さんがこの時一番戸惑っていたようでした。

 「茜、あなたを抑えてくれるのが今日は清美さんなので、あま
り激しく暴れるとお姉さんの顎を蹴り上げてしまいますからね。
必死に我慢なさい」

 「はい」

 「やがては誰の力も借りず一人で我慢しないとね」

 「はい」

 「もしあなたが暴れてお姉さんの手が離れるようなことがあっ
たら、お父様をお呼びしてお股の中にお灸をすえていただきます
からね。そのつもりでいなさい」

 「…………」
 お姉ちゃんはその瞬間ショックで一瞬声が出なかったみたい
です。

 男の子の僕たちにはよく分かりませんが、女の子はお母さんに
お仕置きされるのと、お父さんにされるのでは随分と心持が違う
ようでした。

 「ご返事は?」
 再びお母さんに促されて…

 「はい」
 今度も小さな声でした。

 「あなたもそろそろ山猿を卒業して一人前の女性になる訓練を
始める頃にきてるわね。でも、その前に…洗いざらい恥をかいて
おく必要があるから、今年の夏はヤングレディースの合宿にでも
参加させてみましょうかね」

 お母さんは独り言でも言うようにお姉ちゃんに語りかけながら
最初の二つをお姉ちゃんのお尻のお山に乗せていきます。
 そこには、すでに以前すえられた痕が、大豆くらいの大きさで
残っていました。

 ヤングレディース合宿というのは男の子には関係ありません
が、彼女たちの噂話を聞く限り、レディとなるための資質を身に
つけるための地獄の特訓ということでした。

 「さてと……清美さん、この子の両足首を押さえてね、あまり
暴れるようなら手を離しても構わないわ。そのあとの事はさっき
言ったようにこの子が引き受けるでしょうから……」

 「さてと……」
 おかあさんのその言葉を合図に、やがて白い煙がひと筋ふた筋
すうっと上がって、 

「いやあ、いやあ、あああ、ああああ」

 お姉ちゃんは小刻みに足の甲を叩いて熱さ痛さを体から逃がそ
うとします。本当はもっと強く畳を叩きたかったのでしょうが、
そうすると清美お姉さんが手を離してしまい、自分はお股の中に
やいとをすえられかねません。

 「ひぃ~~いやあ~~いやあ~~~熱い、熱いごめんなさい」

 二度目はたまらず涙声が出ます。

 「だらしないわね、このくらいのことで…いつもの威勢はどこ
へ行ったの?……ちょっとお仕置きされるとピーピー泣き言ばか
り言って……だらしがないわよ」

 「いやいやいや、ごめんなさい、もうしませんもうしません」

 「…はい、はい、わかったわ。ここはもう一回だけよ。これで
おしまいにします」

 お母さんは終始穏やかな口調で諭しますが、いったん堰を切っ
たお姉ちゃんの泣き言は止りません。

 「いやあ、いやあ、もうしません、もうしません、ごめんなさい」

 体を半分よじり、上目遣いにお母さんを見て哀願してみました
が……今度は一転。

 「何見てるの?お仕置きはまだ終わってないのよ。まっすぐ前
を向いてなさい」(-_-#)

 お母さんの強い意志に跳ね除けられてしまいます。

 元の姿勢に戻ったおねえちゃんは乱れた呼吸をを飲み込むよう
に自分を落ち着かせようとしていました。

 「あ~~あああ~~~ああああ~~~~いいいいいいい」
 お姉ちゃんはそれだけしか言いませんでした。言葉にならない
声が部屋中に響きます。

 三回目は声もさらに大きくなり身体を揺すって両手の拳を畳に
叩き付けますから、思わず清美お姉さんも抑えていた足首を一瞬
離してしまいます。
 ところが……

 「いや、いや、いや……」

 思わずお姉ちゃんがその場を這って逃げ出そうとしましたので、
それではいけないんだと気がついてまた抑えてくれました。

 「まったくあなたには呆れるわ。このくらいの事で逃げ出そう
とするなんて…これだから弟たちに示しがつかないんでしょう。
馬鹿にされるんでしょうが……」(-。-;)

 おかあさんはおかんむりです。

 お灸は連続してすえられると二回目、三回目は一回目よりさら
に熱く感じられます。いつもは一回だけのお灸を三回すえられる
というは単純に三倍厳しいお仕置きになったというのではありま
せん。お姉ちゃんにすれば、さらにもっともっと厳しいお仕置き
だったのでした。

 「幸い、粗相だけはしなかったみたいね」
 お母さんは、お姉ちゃんのお臍の下に手を入れると、不始末が
なかったかどうかを確認します。

 そして……
 「もういいわ。今さらあなたの根性なしを責めても仕方がない
から……さあ、表もやってしまいましょう。……次は仰向けよ」

 お仕置きは次のステージへと進みます。

 お姉ちゃんはお母さんの指示でうつ伏せの状態から仰向けに体
を入れ替えようとしましたが、その瞬間でした。

 「パンツなんて引き上げなくていいわ。どうせまた脱ぐんだか
ら……」
 と、また叱られてしまいました。

 「清美さん、今度はその子の頭の方をお願い。始まったらその
子の手を軽く押さえてもらうけど、今はおざぶを二つ折りにして
その上に茜の頭を載せておけばいいわ」

 「あっ、その前に…台所へ行ってポットのお湯を洗面器にあけ
て持ってきてちょうだい。そのついでにお父様が使ってるT字の
剃刀とタオルも……」

 そこまで言うと清美お姉さんの表情が思わずこわばりますが、
それをお母さんも察したのでしょう……

 「大丈夫よ、お父様には断ってあるから…もう使わないわよ」
 と笑顔で語りかけるのでした。

 「…茜、あなたは両手を胸の前で組むの。終わるまではその手
を決して離さないのよ。万が一にもお仕置きの艾を払い除けよう
ならただではおきませんからね」

 「……あ、それから、チビちゃんたち。あなた達にもお手伝い
がありますからね。お母さんのそばへいらっしゃい」

 お母さんは僕たちにまでてきぱきと指示を出します。
 そして、一通り指示を出し終わると……

 「よっこらしょ」

 お姉ちゃんの裸のお尻を正座した自分の膝の上に重そうな仕草
で載せるのでした。


●○♪♫♭♯♪♫ (^o^)/~ Bye Bye ♭♯♪♫♭♯◆◇


[ 第 4 回 ] お灸のお仕置き②

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    ❈❈❈❈❈  お灸のお仕置き② ❈❈❈❈❈

 いつもは賑やかなお姉ちゃんがまるで人形のように静かに時を
待っているなか、清美お姉さんが洗面器を持って戻ってきました。

 「ありがとう清美さん。あなたのような子が娘だと大助かりよ。
あなたは茜の頭をお膝の上に乗せてあげてね」

 お母さんはこう言いながらもお姉さんの持ってきた品物で早速
準備を始めます。
 洗面器のお湯でタオルを湿し、まずは茜お姉ちゃんのスカート
を捲ってその割れ目を露にします。

 正直、僕たちだってお姉ちゃんとは毎日のようにお風呂へ入る
けどお姉ちゃんの割れ目をこんなに間近で見るのは初めてでした。

 「…………」
 声には出しませんが、恥ずかしそうなお姉ちゃんは身の置き所
なく静かにしています。

 お仕置きは何もぶったり抓ったりといったことだけではありま
せん。こんな事も、特に女の子の場合は立派なお仕置きとなるの
でした。

 「まあ、あなたのお歳ではこんなものでしょうけど……」
 お母さんは半笑いを浮かべてお姉ちゃんのお臍の下を擦り
ます。そして……

 「でも、一応やっておきましょうね」
 そう言ってお湯で湿したタオルでそのあたりを綺麗に拭き取る
と、お父様愛用のT字剃刀を使ってじょりじょり。

 僕たちの目にはそこはつるつるで髭なんて生えてないように
見えましたが、ほんの僅か、産毛のような柔らかな毛が伸びて
いたみたいです。

 「これでいいわ」
 お母さんは満足そうに仕上がりを手の指で確認すると、今度は
再び例のものを取り出します。

 例のもの……
 そう、アルコールを湿した脱脂綿です。

 「すうすうするけど我慢してね」

 今までお湯のぬくもりで暖かくなっていたその場所が急に熱を
奪われてすうすうします。

 これは次に起こる恐怖の前ぶれと子供たちなら誰でも体感して
しまいますからお姉ちゃんの顔も否応なしに緊張感に包まれます。

 「はっ」
 小さな吐息が聞こえました。

 そんなお姉ちゃんにとって、艾がそこに並べられていくさまは
見ているのでさえ辛いでしょうから目を閉じてしまいますが……

 「目を開けなさい。自分のお仕置きを確認するの。隠したり、
逃げたりでは何にもならないわ」

 お母さんの声は、いつもより低くて小さな声だったのですが、
それだけに凄みがありました。
 ですから、お姉ちゃんも目を開けてあらためて自分のお臍の下
に並べられていく艾を眺めます。

 当然、火をつけるところも……
  
でも、火のついたお線香の頭を艾に当てたのは、実はお母さん
ではありません。僕たちだったんです。

 「お姉ちゃまがこれからよい子になりますようにってお地蔵様
や観音様にお願いしながらすえるのよ」

 そう言いながらお母さんは僕たちの手を包み込んでアシスト。
全てのもぐさに点火したのでした。

 最初は僕が点火した艾がお姉ちゃんのお臍の下を焦がします。

 「ああああ、いいいいいい、ひひひひひひひ」

 お姉ちゃんはひきつけを起こした赤ちゃんのように身体を硬直
させ、言葉にならない低い声をだして、その熱さを必死に体から
逃がそうとしていました。
 その光景は熱いと言うより、凍えて寒いと訴えるようだったの
です。  

 「さあ、今度はミイちゃんの番よ。お姉ちゃまかよい子になり
ますように、お地蔵様、観音様お守りください」

 やり方は同じです。そして、お姉ちゃんがひきつけを起こす処
までは同じだったのです。
 ただ、最後の一瞬は体を大きくよじって、本当に辛そうでした。

 「ほら、茜ちゃん、清美さんがあなたの為にせっかくお膝を枕
として貸してくださってるのに撥ね退いたりしたら失礼よ」

 「はい、お母さん」

 あのお姉ちゃんが、この時は従順に答えたのですが……

 「いいわ、次のお灸でまた枕を跳ね除けたりしたらお股の中に
もお灸をすえます。いいですね」

 「はい、お母さん」

 「いいご返事だこと。あなたもお仕置きの時ぐらいは女の子ら
しさが見えるようになったわね。その調子で素直で忍耐強くして
ないと女の子は幸せにはなれないの。我を張ってても何もいい事
はないのよ」

 お母さんはお姉ちゃんを優しく諭します。でも、それで許した
という事ではありませんでした。

「さあ、もう一度よ。お股の中を火事にしたくなかったら頑張り
なさい」

 こう言って、やはり前二回と同じ場所に艾を置き、最後は僕が
一箇所、ミイちゃんが一箇所、そしてお母さんが一箇所、火をつ
けたのでした。

 「ああああ、いやいやいや、ひいひいひい、ややややや」

 その時はそれまでのどのお灸の時より大きなうめき声が部屋に
響いて、お姉ちゃんの頭は再び清美お姉さんのお膝を飛び出して
しまいます。

 お姉ちゃんにとって三回目は、三人交互にすえたために時間差
が生じてより長く熱さに耐えなければならなかったみたいでした。

 でも、お母さんは……
 「いいわ、今日は頑張ったから……」
 とすまなさそうな顔のお姉ちゃんをねぎらってそれ以上責めま
せん。

 笑顔のお母さんはお姉ちゃんを背中から手を入れて抱き寄せ
ると、涙をタオルで拭き、静かに膝の上で抱きしめます。
 そして…

 「ばあ」
 まるで本物の赤ちゃんを抱いてるみたいにあやすのです。

 「わあ、まるで本当の赤ちゃんみたい」
 ミイちゃんが言えば…

 「ぼくもだっこ」
 と甘えてみます。
 まだ二年生ですからね。成長したと言ってもお姉ちゃんに比べ
ればお母さんのおっぱいは近い処にありました。

 ただ、お姉ちゃんにしてみると、お母さんは同性。しかも自分
の身体も変化し始めて、大人への扉はもう間近に迫っています。
そんななか、その懐で甘えられる喜びに100%浸ってはいられ
ませんでした。

 その微妙な変化をお母さんも当然知っています。知っていて、
あえてこう言うのです。

 「あなたは自分でずいぶん大人になったと思っているみたい
だけど、私やお父さんから見ればまだまだ可愛い赤ちゃんなの。
あなたの身体も心も、みんなみんな私たちの愛の中にあるのよ」

 お母さんはお姉ちゃんに優しく頬ずりをします。でも、その顔
がお姉ちゃんの顔と触れ合うなかでほんの少し変化して、何だか
引き締まったようにみえました。
 そして、こう続けるのです。

 「だから、あなたはお母さんたちに隠し事や嘘をついてはいけ
ないし、身体のどの部分もまだお父さんとお母さんのものなの。
おっぱいも、お尻の穴も、お股の中も、今はまだあなたが勝手に
使っていい場所は一つもないし、隠しておける処も一つもないわ
……分かるかしら?」

 「はい、おかあさん」
 お姉ちゃんにとってそれは自分がオナニーをしたことへの注意
だとわかったようでした。

 「よかったわ。あなたが頭のいい子で……」
 お母さんはまた柔和な笑顔に戻ってまた赤ちゃんをあやすよう
にお姉ちゃんの身体を揺すります。

 でも、そのあと、お姉ちゃまには再び試練が訪れるのでした。

 「さあ、それでは茜ちゃんに今言ったことの証を見せてもらい
ましょうかね」

 お母さんはそう言うと、お姉ちゃんを薄い布団の上に仰向けに
して寝かせて、まるでこうするのが当然だ言わんばかりに、その
両足を跳ね上げたのでした。

 そしてお姉ちゃんがそれにとっさに抵抗すると、少し強い調子
で……
 「さっき、言ったことがまだわかってないみたいね?あなたの
身体は、まだお父さんとお母さんの愛の中にあるの。いやいやは
できないのよ」

 お母さんに言われてお姉ちゃんは観念したようでした。

 お母さんはお姉ちゃんの両足を跳ね上げてその中を濡れタオル
で丹念にしっかりとふきあげます。
 その様子が面白くてぼく達は後ろで見ていました。

 すると、それに気づいたお母さんが振り向きますますから……
『やばい、叱られるかな』と思ったのですが……

 「あら、あなたたち、お姉ちゃんのお股なんか見たいの?」

 こう言うのです。そして、お仕事の手を休めて、それまで遠慮
がちに開いていたお姉ちゃんのお股を両手で大きく広げてくれた
のでした。

 「…………」「…………」

 いえ、もう少し歳がいけば別の感情がわいたかもしれません
が、二人の第一印象は……

 「何だかぐちゃぐちゃしてて気持悪いね」
 「ぼく男の子でよかった。やっぱりおちんちんがあったほうが
いいもん」
 というものでした。

 次はお母さんに矢継ぎ早の質問攻めです。
 「ねえ、お姉ちゃんって赤ちゃん産めるの?」
 「赤ちゃんってどこから出てくるの?」
 「ねえ、おしっこってどこから出るの?」
 「ねえ、女の子っておしっこする時もそこをトイレットペー
パーで拭くんでしょう」
 「ねえ、女の子ってなんでお股を隠したがるの?」
 「そうだよ、そうだよ、僕なんてお父さんやお母さんの前でも
裸ん坊さんで平気なのに、お姉ちゃんはいつもこそこそしてる」

 お母さんはそのすべてに答えたわけではありませんでしたが、
おしっこの穴と赤ちゃんが出てくる穴だけはこの時教えてくれた
のでした。

 もちろんぼく達はその後ろでお姉ちゃんが真っ赤な顔や真っ青
な顔をしていたなんて知る由もありませんでした。

 実は、僕たちがお姉ちゃんのお股の中を見る機会というのは、
この時ばかりではありません。中学に入るまでの短い期間でした
が、数回、お姉ちゃんはぼく達に『女の子の生きた標本』として、
その恥ずかしい処を見せなければなりませんでした。

 お母さんは商売なんかしていていますからお姉ちゃんへの女と
しての躾もままならず、普段からキツイこともしていましたが、
お姉ちゃんへのお仕置きとしては、ぶったり叩いたりするより、
この方がよほど堪えると思ったのでしょうね。

 虐待?

 そりゃそうでしょうけど、それって今の基準で見ちゃいけない
と思いますよ。今と昔では親子関係の濃密さが全然違いますから。
 だって、この親子、今でもとっても仲がいいんですから……


●○♪♫♭♯♪♫ (^o^)/~ Bye Bye ♭♯♪♫♭♯◆◇

[ 第 5 回 ] 日曜の午後

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     ❈❈❈❈❈   日曜の午後   ❈❈❈❈❈

 お仕置きがあった日もなかった日も我が家の日曜日の午後は、
近くのデパートと決まっていました。
 ま、近くといってもバスで15分位はかかるんですが…(^o^ゞ
そこに行って夕方まで過ごします。

 お店は日曜日も一応営業していますが場所柄もあって日曜日は
お客さんが極端に少ないですし、頼りないお父さんでも店番位は
できますから……(^o^ゞ

 今の人にはピンとこないでしょうが、昭和30年代デパートと
いうのは一大娯楽施設だったんです。今ならショッピングモール
といった処でしょうか。
 ですから、当然子供たちにとっては楽しい処でした。

 到着するやまずは大食堂で食事。もともと起きる時間も遅いの
でお昼も遅くて1時過ぎから2時が昼食時間でした。

 そこで僕たちが必ず注文するのがお子様ランチ。赤いケチャッ
プご飯に旗が立っていて、お菓子までついていて、最高のご馳走
だったんです。
 お姉ちゃんたちは気取って大人の注文するようなハンバーグや
チキンカツを注文していました。

 で、お腹が満たされると今度はお母さんにお付き合いして衣類
を買います。お姉さん二人はそんな事が楽しいのかもしれません
が、ぼくたちは退屈なので屋上や玩具売り場に避難。

 今もそういう処はあるでしょうが、当時デーパートの屋上には
子供向けの色んな遊具があって、自動車の運転ゲームをやったり
ピンホールゲームで得点を競ったりして暇つぶしには最高の場所
だったんです。

 一方、玩具売り場では今度の誕生日やクリスマスプレゼントの
物色です。今のようにあちこちから情報が入りませんから下調べ
は大切な子供の仕事だったんです。

 そんなこんなで時間はあっという間に過ぎ去りました。
 普通の家庭だったらひょっとして心配するかもしれませんが、
うちはお母さんが楽天的な人ですから子供だって放し飼い状態。
お母さんが見つからないと、店内放送で呼び出してもらうという
テクも心得ていました。

 ま、いつもじゃありません。普通は適当な時間に戻って来るん
です。でも、女たちはたいていまだ買い物を楽しんでいました。
 そして、私達にもこれが似合うの似合わないのとごたくを並べ
ながらいくつか下着や服を買い求めるのです。

 その後、専門店街へ行って宝石や帽子なんかをウィドーショッ
ピング兼買い物。つまらないけど、お付き合いです。

 ぼく達はおまけです。
 ああ、でも学校の制服の仮縫いなんかは僕たちの仕事でした。
 これは本人がいないとできませんから……
(え、今はやりませんかね?当時の制服は全てオーダーでした。
指定されたお店で職人さんに頼んで作ってもらうんです。子供は
成長が早いですからね、年に二回作ることもありました)

 で、それが終わるとデパグランド(=当時は食料品の売り場が
1F。つまり地下じゃないんです)に行って夕食のおかずなんか
を買って帰ります。

 デーパートって、単に買い物だけが目的なら外商部を呼びつけ
ればいいわけで、わざわざ出向く必要もないのですが、お母さん
にとっては大事な気晴らしだったんです。
 ですから、音楽会でも美術展でも興味をひくものがあればそっ
ちへまわってました。

 そんな時はたいてい僕たちはお留守番です。もちろん、ご一緒
してもいいんですが……『だって、退屈なんだもん』(ノ_・。)

 実際、普段のお母さんは働き者でした。平日の睡眠時間って、
3、4時間じゃなかったでしょうか。私たちが厳しいお仕置きを
受けても彼女に着いて来たのは、子どもたちがみんなお母さんの
そんな姿を見ているからなんです。

 『あなたは怠け者ね( ̄O ̄)』って言われて、お父さんみたい
に『むっ、(-_-#)あなたには言われたくない』って反論できない
んですよ(*^^*ゞ

 ただ、そうやって働いて稼いだお金を貯めるという事はしない
人でした。

 『宵越しの銭は持たねえよ』

 まさに江戸っ子気質。あればあるだけ惜しげもなく使いまくっ
てましたからね、お家の経済はいつも火の車だったんです。

 あれはいつでしたかねえ。本当に財布がすっからかんになっ
てしまい、『今晩のおかずを買うお金もない』なんて緊急事態が
あったんです。

 (おうちはお金を貸すのが商売の質屋さんなのにおかしいで
しょう。(?_?)でも、本当のことなんですよ。( ̄▽ ̄;)) 

 その時、お母さんは慌てず騒がず実家に電話。
 「あっ、兄ちゃん、お金ないから持ってきて」
 信じられないほどあっさりしています。

 ところが、伯父さんのお店もその時動ける人がいなくて、アル
バイトさんみたいな人がお金を預かって50キロ離れた嫁ぎ先に
向かったんですが、途中道に迷ってしまい、結局我が家に着いた
のは、日もとっぷりと暮れた夜の8時半。

 最後は家族が家の前に代わりばんこに立ってオート三輪が到着
するのを待ってました。ちなみにその日の夕食は、「器さげる時
にお金を払うから」という店屋物ですませました。(’-’*)♪

 えっ?『わざわざ現金を持ってこなくても、銀行で振り込めば
カードですぐに出せるじゃないか?』(?_?)って…困りますねえ
読者さん。読者さん現代人ですね。これは昭和30年代のお話。
ATMなんてそんな便利なシステムまだありませんよ( ̄▽ ̄;)

 ま、それはともかく、お母さんはそんな人でした。

 さて、デーパートから帰るとチビちゃんたち(つまり僕たち)
二人は書道教室へ。それが終わると自宅に戻ってピアノの練習。
さらにそれも終わると、次の日の予習と復習をお母さんと一緒に
こなします。

 ええ、日曜日といっても夜は忙しいんですよ。
 日曜日だけじゃありません。一週間のうちにはに五つも六つも
色んな習い事を抱えてました。

 こう書くと、さも『よい子ちゃんしてた』みたいに見えます
が、本当は二人ともイヤイヤやってたんです。(>_<) (x_x)
 二人ともまだ幼かったのでお母さんが「やりなさい」と言えば
拒否できませんでした。

 僕たちがそんな不満をお父さんに愚痴ると……
 「そうか、お前たちは寄る辺なき身の上だもんなあ」
 と言ってくれたんです。

 その言葉自体は強く印象に残りましたが、何しろこのおじさん、
家の中では僕たちと同じ弱い立場の人ですからね、何もしてくれ
ませんでした。(^◇^;)

 我が家はお母さんの絶対君主制だったんです。

 特にお母さんの家庭教師役は強烈で、二人を居間のちゃぶ台に
座らせると山と積まれた問題集の中から自分で選りすぐった問題
を次から次へと出していきます。

 通常二時間くらいなんですが、僕たちが勉強している間は常に
息がかかるほど近くに居て、お店にお客さんが来てもよほどの事
がない限り出て行きませんでした。

 わき見ダメ、あくびダメ、ため息ダメというなか、何度も同じ
系統の問題を間違えると、ほっぺたは抓られるし、手の甲は抓ら
れるし、頭ははたかれるしで、この2時間は10秒たりとも気を
抜く暇がありませんでした。

 いえ、それだけならまだいいんですが……
 『こいつら、だらけてる』
 と判断した場合はもっと悲惨なことになります。

 いきなり強烈な力で腕をねじ上げられると、そのまま引きずら
れるようにお風呂場へ直行。
 服のまま、風呂桶の残り湯を何杯も頭からぶっかけられます。

 「目がさめたかしら」(ー。ー;
 って……

 『始めから覚めてるよ。それより寒いよ』(゜Д゜≡゜Д゜)

 今なら完全に児童虐待。でも、お母さんはまったく平気。
 もの凄く怖い顔で僕を睨んでる。(-_-#)

 それは、怖くて、辛くて、悲しい儀式なんだけど……
 そもそもお母さんは悪いことしたなんて思ってないんだ。

 お母さんは濡れた服を脱がせて、裸ん坊さんの身体を拭いて、
また新たな服(たいていパジャマ)を着せてからこう言うんだ。

 「時間がないの。急ぐわよ」(ー。ー;

 『時間がないならこんなことするな!』
 という発言は封印して、僕はお母さんに抱っこされる。

 抱っこされたまま居間に行くと、そのままお母さんのお膝の上
でお勉強が再開。

 「ほら、次はこれやって」
 目の前に新たな問題が現れるんだけど、これってさっきまでと
違って目の前の問題しか見えないんだ。

 『あのうねえ、この姿勢だとね、お母さんのおっぱいと大きな
腕が邪魔してミイちゃんの様子が見えないんだけど……』
 などと思いつつ問題に取り掛かる。

 そのうち……
 『ま、仕方がないか』
 と諦める。

 できたら、頭よしよしだけが励みだ。

 こんな感じかなあ。僕たちの勉強風景。

 もちろんお風呂場へ連れて行かれるのはぼくだけじゃないよ。
 ミイちゃんのこともあるし…両方いっぺんに…ってことだって
あるんだ。

 そして、そのうちぼく達『おねむ』が強くなって本当にネンネ
するんだ。

 もちろんお母さんがおしまいって言うこともあるけど……
 問題を解いてる最中にそのまま寝てしまうこともある。

 お母さんは不満そうだけど、そのうち……
 『ま、仕方がないか』
 と諦める。

 そして、僕たちを抱っこしてお布団の中へ入れてくれるんだ。
 いつも三人一緒のお布団でネンネ。

 これは僕も思ってるしミイちゃんも思ってるけど、ミイちゃん
がお母さんに抱っこされてお布団に運ばれていくのを見ていると…
 『僕は何で起きてるんだろう?損したなあ』
 って思うんだ。

 ぼく達は大人たちの間では仲のよい兄弟だってことになってる
けど、お母さんの愛をめぐってはライバル同士なんだもん。

 『今日も一日幸せでした。明日も幸せな一日でありますように』
 お母さんのつぶやきは半分夢の中で聞きながらぼく達はネンネ
するんだよ。

 『明日も幸せな一日でありますように』


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[ 第 1 回 ] 朝の通学

              [ 第 1 回 ]

      ****** 朝の通学 ******

 僕が通っているのは私立の小学校。東京のような大都会には沢山
あるだろうから、そんなこともないんだろうけど、僕の育った田舎
では私立の小学校なんて県下にたった二つしかない。
 おかげでそれなりの苦労もあったんだ。

 ほとんどの子が早起きしないですむ近くの公立小学校に通う中、
特徴のある制服を着せられてバスや電車に乗るだろう。周囲の人達
が物珍しそうに僕を見るのが嫌だったんだ。

 お母さん言わせるとね、「本当は別の学校にいれてやる予定でい
たんだけど、園長先生が直々に我が家にお見えになり、どうしても
とおっしゃるから断りきれなかった」んだそうだ。

 それに「二人とも身体が弱くておとなしい性格だから幼いうちは
そんなに競争の激しくない処の方が……」と思い直して入学させた
んだって。
 
 その代わり、授業料は二人分免除してもらってたんだ。(*^^)v

 この学校はね、遠いの。
 まずは、お家近くのバス停から40分かけて大きな町のバスター
ミナルまで行って、そこからポンコツスクールバス(最初の頃はボ
ンネットバスだったなあ)に乗って15分位行った処にあったんだ。
 すごい山の中だよ。ヾ(゜0゜*)ノ?ヾ(゜0゜*)ノ

 この山はもともと修道院のもので、そこに付属して創られた学校
だったんだ。こじんまりした学校でね、グランドはテニスコートく
らいしかないんだ。
 一クラス12、3人で一学年二クラス。全校生徒あわせても15
0人もいなかったんじゃないかな。

 でもね、そのくせ先生は一クラスに二人もいたんだ。
 これを言うとよその子たちはたいていみんな驚くよ。
\(◎o◎)/!
 だって、たいていの小学校は先生といえばクラス担任一人だけだ
からね。

 うちの場合は正規の先生が授業をしている傍らでシスターでかつ
教員免許を持っているという先生が教室を回って分からないところ
を教えてくれるんだ。

 このシスター先生は面倒見がよくて……というか、よすぎてかな、
おいたが過ぎたり、勉強が遅れがちになると日曜日なのに学校へ出
て来なさいって言うんだ。

 おいたの治らない子にはお説教、勉強の遅れている子には補習が
待ってるの。

 「ありがたいことじゃない」なんてお母さんは気軽に言うけど…
(*^_^*)
 日曜日を潰されたこちらは別にありがたくなんかないよ。(-_-#)

 「あ~あ、イヤだなあ。先生ってそんなに暇なのかなあ」
 なんてぶつくさ言いながら日曜日のバスで愚痴ってた。(^◇^)

 日曜日に開く学校のおせっかいはそれだけじゃなくて、教師さん
や先生方、父兄も総がかりで困ったちゃんをお仕置きするイベント
まであったんだ。…>_<…

 『このところ成績が落ちた』『いくらお仕置きしても悪い素行が
治らない』なんて生徒は日曜日に親と一緒に呼ばれてレクチャーを
受けるんだけど、それが高じてお仕置きもやりましょうということ
になったみたいなんだ。

 いずれにしても残酷な話さ。いたいけな少女(少年)を大人たち
がよってたかって修道院で折檻するんだよ。

 僕も、ぶったり叩いたりじゃないんだけど、シスター先生から親
子してたっぷり油を絞られたことが何度かあった。
 中には『家に帰ってからこういうお仕置きをして欲しい』なんて、
はっきり言う先生もいたくらいなんだ。

 凄いだろう。昔の先生って……真実なのよ∈^0^∋

 今の人たちからするときっと信じられないだろうね。担任の先生
がお父さんやお母さんに向かってお子さんをお仕置きしてください
だなんて。(@_@;)
 ありえないよね。(^_^;)

 でも、当時はそのくらい子供へのお仕置きは当たり前だったし、
先生もどんなお仕置きが最も効果的かを真剣に考えた末の提案だっ
たんだ。

 もちろん、当時だってお上から『体罰はダメ』っていうお達しは
届いてたと思うよ。だけど、現場は適当に無視してたみたいだね。

 なぜって……体罰に消極的な先生より少しぐらい怖い先生の方が
父兄からは人気があったもの。『体罰反対』だなんて声はそれほど
大きくならなかったんだ。

 三愛学園は幼稚園から短大まである大きな組織だったけど、その
いずれでも『愛あるお仕置き』が教育のコンセプトだったんだ。

 わっ、また脇道に脱線してしまった。(^_^;)
 では、順を追ってまたお話し、し直します。m(*^▽^*)m

 僕とみいちゃんはまず路線バスの営業所へ行く。当時はそこから
200mほど離れたところにあるバス停が起終点だから、本来なら
そこで待ってなきゃいけないんだけど、『そこは吹きさらしで寒い
から』ってお母さんがこの営業所の人たちに頼み込んで冬の間だけ
ここから乗せてもらうことにしてたんだ。

 本当はいけないんだよ、そんなこと。バス停以外で乗客を乗せち
ゃあいけないことになってるから。でも、これも体罰同様、当時は
鷹揚だったみたいだね。

 その冬場だけの約束が、そのまま夏になっても居ついちゃって、
二人はいつしかこの営業所のアイドルみたいになってたんだ。

 僕が先に顔をだすと「ほらほら、本当はここから乗れないんだぞ」
なんて意地悪を言うくせに、みいちゃんが先に顔を出すと「おう、
チビたちきたか」なんて言ってみいちゃんだけ天井に頭をぶつける
くらい高い高いをするんだ。

 みいちゃんは僕より可愛かったからね、よく運転手さんや車掌さ
んに抱いてもらってたよ。
 やっぱり子供は可愛いほうが得です。(`ε´)

 営業所の中はストーブ(当時はダルマストーブ)が炊かれていて
暖かかったけど、ものの数分でバスが出ちゃうからそこに長居した
ことはないんだ。

 『だったら、バス停で待っていてもいいじゃん』
 なんて言わないでよ。
 実はここに来るともう一つの役得があるんだ。
 
 というのはここで乗ると確実に一番前の席が取れる。
 これが僕たちには何より嬉しかったんだ。
 
 一番前の席。
 今のバスの一番前はお客さんが乗降する為の扉になってるだろ
う。だけど、僕とみいちゃんがまだ幼かった頃はそもそもバスにも
車掌さんが乗っててね、その人が車内でキップを売ったり、踏切で
はバスの誘導なんかをして、バスの運行を補助してたんだ。

 つまり、今みたいに運転手さんが運賃の徴収なんかしないからね、
一番前に扉なんかいらなかったんだよ。

 ドアは真ん中付近に一箇所だけ。その扉の処に車掌さんがで~ん
と構えてた。ちなみにドアの開け閉めは手動。今は大半電光掲示に
なってる方向指示幕だって車掌さんや運転手さんが手でハンドルを
回して変えてた時代なんだ。

 僕はこのお手伝いが好きでね、帰りの営業所ではよくやってた。
 えっ、そんなのいけないことじゃないのか?って……
 いいじゃないか、幼児のささやかな楽しみなんだから……
 そんなこと言い出すから現代人は嫌いだよ。(`ε´)

 それはともかく、当時一番前にドアがあるのは路線バスじゃなく
て観光バスと相場がきまってたんだ。

 で、その一番前なんだけどね、二人がけのシートになってること
が多くて、そこに二人並んで座りたいから最初の最初にバスに乗れ
る営業所へ二人して通ってたんだ。

 だって、そこから見えるパノラマは運転手さんが見ている景色と
同じだろう。最高さあ。\(^O^)/\(^O^)/

 一日の始まりはこうでなくちゃ。(;⌒▽⌒)σ σ(⌒▽⌒;)

 後ろでちょこんと座って時間を潰してる子の気が知れなかった
よ。
 『こいつ何が楽しくてバスで通ってるんだろう』(ー_ー;
 って思ってたね。

 で、そんな楽しい時間はあっという間に過ぎ去って、僕達は電車
の駅に隣接する大きなバスターミナルへとやってくる。

 ここには電車を使ってくる子や他のバス路線から来る子なんかが
大勢いてね、みんなここで落ち合うんだ。

 まず、バスを降りるとシスター天野がバス扉の前で待ってる。

 このおばあさん、いつも僕たちを乗せてきたバスの車掌さんたち
に「ありがとうございました」って言うんだ。
 そして、僕たちをバスセンターの隅の隅、奥の奥にある学校行き
のバスが出る乗り場へとお手手繋いで連れて行くのがお仕事なんだ
よね。

 「ねえ、僕たちもう赤ちゃんじゃないし、毎日のことだから案内
なんかしてくれなくてもいいよ」
 ってよく言うんだけど、必ず僕たちの手を引いてスクールバスの
出る場所まで連れて行くんだ。

 『迷子になったら困るでしょって…それより恥ずかしいんだけど』
(。・_・。)ノ(*^-^*)

 で、ポンコツバスに乗ると、今度は二人目先生、若い高宮先生が
車内で待っててすぐに点呼表にチェック。そうやってみんなが予定
通りに乗り込めば出発となるんだ。

 このバスの中は見慣れたお友達と一緒だからね。いつもふざけあ
ってて、先生からはいつも「静かにしなさい!」って怒られてた。

 あっ、これってどうでもいいことだけど、学校近くにも停留所が
あったから、そこまで路線バスで来る子やおうちの人に自家用車で
送ってもらう子もいて、全員がこのスクールバスを利用してたわけ
じゃないんだ。

 さてと……学校へ着くと、当然、みんなバスを降りるんだけど、
降りたらまずしなくちゃいけないことがあるの。

 校舎の入り口に設置してある大石胤子先生の胸像に、「おはよう
ございます」って大きな声でご挨拶。
 一回ペコンって頭を下げてから校舎に入らないといけないんだ。

 大石胤子って誰?(・。・)

 はははは(^∇^;)知らないのも無理ないか。
 僕たちの学校を創った人。つまり創立者のおばちゃんだよ。

 一度も会ったことのない人になんで挨拶しなきゃいけないのか、
さっぱりわからないけど、この儀式はとっても大事で、どんなに急
いでいても登下校の際は必ず頭ペコンをしなきゃいけないんだ。

 もし、忘れて通り過ぎたところを先生に見られたりすると……。
 (ー_ー;

『お仕置き』(;-_-;)

 嘘みたいだろう、たかだかそんな事で?って思うだろう。
 でも、本当なんだ。

 うちは仲良し子よしの集まりだから小学校なのに幼稚園みたいだ
なんて言われるけど、ある意味躾には厳しくて、ご挨拶なんかも、
意地はってやらなければ先生方もやるまで絶対に妥協しないんだ。

 しかもそうこうしているうちにお仕置きだけは追加されていく訳
だから、どんな馬鹿な子だって先生には逆らえないって悟ることに
なるんだよ。

 胤子先生の像に一礼するのも本当は訳なんてないんだろうけど、
『先生がやりなさいって言えば必ずやらなきゃいけないんだ』って
ことを分からせるためにやってるんだよ、きっと。

 うちにはそんなどうでもいいような決まりごとがたくさんあって
困りものだけど、低学年のこの頃は先生の言う事は何でもはいはい
って聞いてたからノープロブレムだったです。(^_^)b

 本当かなあ( -_・)?

 ま、それはともかく、校舎に入ると日本式の下駄箱が並んでて、
そこで上履きに履き替える。
 ま、これ自体はごく自然なんだけど、ここには他の学校ならまず
いないような人が待っているの。

 誰だと思う?

 ははは(^◇^;)園長先生。

 どうしてこんな処に園長先生なのかは謎だけど、うちの園長先生
というのは園長室にいつもで~んと腰を下ろしてなくて、一日中、
園内どこかを見まわってる腰の軽い人なんだ。
 下駄箱付近では主に入学間もない1年生に声を掛けているね。

 もち、笑顔。(*^_^*)

 上級生は、今さらって感じだから…「おはようございます」って
お義理に言うだけでパス。∈^0^∋

 でも凄い観察力でね。あんなに沢山の子がいっぺんにそこを通る
のに、服装が乱れてる子やご飯粒をほっぺにつけてる子なんかは、
即、呼び止められるんだ。

 万が一にも泣いてたりなんかしたら、大変なんだよ。
 (ノ_・。)……ヽ(∇⌒*)
 「どうしたの?……おなかが痛いの?」
 「お母さんに叱られた?」
 「お友達に嫌な事言われた?」
 なんてのから始まって根掘り葉掘り聞かれるよ。

 でも、誰だって大人には話したくない事だってあるだろう。
 特に女の子なんて、たとえ友達に虐められててもそれを先生の処
へは持ち込みたくないもの。

 だから作り笑いなんかしてその場を切り抜けようとするんだけど
……(^∇^;)

 「お待ちなさい」(ー。ー;
 鋭い目が光るね。それまでの恵比寿様みたいな笑顔が嘘みたいに
怖い顔になるんだ。

 『子供のお芝居に騙されるほど私はもうろくもしてないよ』
 って感じだね。

 で、どうなるかっていうと……
 園長室に連れ込まれて洗いざらい白状させられる。
(゜Д゜≡゜Д゜)
 白状しなければお仕置きされる。お浣腸やお灸だって園長先生の
バックにはあるんだもん、そりゃあ怖いよ。
(`Д´≡`Д´)??

 女の子が教えてくれたけど、詰問というよりまるで拷問って感じ
なんだってさ……

 「だって、私は虐められてる方なのよ。どうしてこんなことされ
なきゃいけないのよ」
 って、とうとう自分で白状しちゃったんだって……

 もちろん、これで終わりじゃないよ。
 今度は虐めた側の子が呼ばれて仲直りさせられるんだけど、この
やり方がこれまた凄いんだ。
 世間の常識はここでは通用しませんよって感じなんだ。

 虐めてた方、虐められて側、どちらの子も相手にお浣腸をかけて、
オムツをはめさせて、お漏らししたうんちを処理させるんだ。

 (○_○)そ、そんなことしたら余計に相手が嫌いになって逆効果
じゃないか?

 僕もそう思うけど、先生たちはこれでいいって言うんだ。
 実際、僕も相手は男の子だけど一度経験があるよ。(・。・;)

 ん!…で?…どうだったの?(;¬_¬) (@_@;)

 そりゃあ、その時は死ぬほどイヤだったけど、その後は不思議と
その子と折り合いがついたんだ。
 特別好きになったとかじゃないんだけど相手の子の存在を認めら
れるというか許せるようになったんだなあ。
 これって相手も同じだったと思うよ。

 同じ釜の飯ならぬ同じオムツのうんちってわけなんだ。(^_^;

 うちはとにかく仲良しにだけはこだわるからね、喧嘩はもちろん、
悪口、陰口、嫌がらせ、もちろん無視ってのもダメなんだ。とにか
く相手が嫌がる何をやっても相手に奉仕する罰が与えられるから
ね、どの道仲良くするしかないんだよ。

 お浣腸は極端でもそのお友達の為に毎日花を飾ってあげるとか、
給食用のコースターに刺繍をしてあげるとか、宿題教えてあげると
かね……その時の程度に応じて色んなことをさせられるんだ。

 で、相手もそれに対する心からのお礼の手紙を書かされるんだ。

 最初は、お仕置きだし、お互い仕方なくやってるんだけど、そう
やってお付き合いが始まると、たとえ相手が好きにはならなくても
その存在が疎ましくはなくなるんだ。

 ん?(;¬_¬)
 それにしてもお友だちのオムツ換えなんて……って、言いたいん
だろう。

 でもね、園長先生曰く……
 「人間のやることに汚いなんて事はありません」
 なんだってさ。

**********バイ、バイ、(^ー^)ノ**********

[ 第 2 回 ] 小テストと懺悔室

             [ 第 2 回 ]

******** 小テストと懺悔室 ********

 朝一番のお仕事はお掃除。うちでは朝登校した時と夕方下校する
前の二回もお掃除の時間があるんだ。
 他の学校は一回だけって聞いた時は正直羨ましかったよ。

 で、それが終わると今度はテスト。
 漢字の書き取りと算数の計算問題が二十問ずつ出るんだ。

 元々やったところだし出題範囲も先生が教えてくれるから普通に
勉強していれば問題ないんだけど、人生色々あるじゃないですか。

 どうしても見たいテレビがあったとか、明日、ピアノのレッスン
があるのにまだ満足に弾けてないとかね。

 そんな時はたまに合格点までいかない事もあるけど、たいていは
放課後残されてその分やって帰ればいいだけ。そのくらいではね、
天下のお仕置き小学校(?)、三愛学園じゃお仕置きのうちに入ら
ないんだ。
 
 などと言いつつ、実際には泣いちゃったこともあるけどね。
 (ノ_・。)

 ただ、その次の日も、さらにその次の日もってなっちゃうと……
『僕、し~らない((^。^;)ノ』ってことになっちゃう。

 もちろん全てがお仕置きに直結してる訳じゃないけど、そんな子
が許してもらえる可能性はもの凄く低くなるんだ。

 土曜の午後か日曜に親同伴で呼びつけられて、悲鳴が上がるよう
なお仕置きされてたなんて話、毎月のように誰かから聞かされてた
気がするもの。

 怠け者にはお仕置き。昔は方程式が単純だったんだ。

 もちろん、これで終わりじゃないよ。三愛では、まずお仕置きが
あって、それから、それからなんだよね。事情を聞いてくれるのは
……

 うちでは、まず罰(お仕置き)が先なの。…>_<…

 園長先生の前に引き出された時だって、僕が必死に弁明してたら
(^△^;)
 先生、急に笑いだしちゃって……(⌒-⌒;)

 「あなたみたいな子がいるからお仕置きが先でなきゃいけないの
よ」って言われてしまいました。

 「最初に事情を聞くとね、罰を免れようとしてあることないこと
まくし立てる子がいるの。そして自分のついた嘘がいつしか心の中
で本当の事になっちゃって、やっかいなことになるのよ……」

 「それに罰があるとわかっていればぎりぎり迄努力しようとする
でしょう。それも大事なことだわ。…何より最初のお仕置きが全て
じゃないの。後からもっと厳しくもできるし事情を聞いてフォロー
してあげることもできるでしょう」

 これが園長先生の言い分なんです。

 「あなたには六回の愛を与えます。しっかりお馬さんにつかまっ
てなさい」

 先生は問答無用って感じで宣言するとお尻叩き専用の拘束台に僕
を乗せて半ズボンだけじゃなくパンツまで脱がしちゃうんだ。
 きゃ(/\)

 うちの学校は大人たちが簡単に子供のパンツを脱がすの。
 きっと、修道院のおばちゃんたちストレスが溜まってるんだね。

 園長先生はたっぷりのアルコールを染み込ませた脱脂綿を使って
準備が整った恥ずかしいお尻の山を丹念に拭き清めます。
 きゃ(/\)

 これも三愛のしきたり。表向きは消毒ってことらしいけど、子供
って体温は大人より高いからすうすう感も強くて脅かしには効果的
なんだ。

 「さあ、行きますよ」
 トォーズと呼ばれる平たい革紐鞭が最初は小さく弱く二三回僕の
お尻を叩いているけど、そのうち大きく弧を描いて振り下ろされま
す。

「(ひぃ~~)」

 もちろん、これって文部省さんだって想定していないような露骨
な体罰。でも、お父さんやお母さんに学校でこんな事されたって泣
きついても何もしてくれないんです。

「だって、それは入学前からのお約束だもの。そもそも、あなたが
悪いんでしょうが……」
 なんて言われてチョン……相手にしてもらえないんだ。(-_-#)

 「僕、入学前にそんなこと訊いてないぞ~~」
 なんて言っても後の祭りなんだよ。(`ε´) 

「(ひぃ~~)」

始めから痛いのは分かっていたから歯を食いしばって頑張ったけど

「ひぃ」

 今度はちょこっと声が出た。本当はぶたれているお尻を擦りたい
けど必死に我慢したんだ。
 そんなことして鞭の数が増えたらえらい事だからね。

「い~~~~」

 三回目は本当に痛くて声もでない。ほんのちょっぴりだけど、お
しっこも漏らした。つまり、やっとの思いで耐えたんだ。(>_<)

 三愛の先生たちって、この子がどの程度だったら声を出さずに
耐えられるか、大暴れしないか、ちゃんと加減が分かっていて、
そのぎりぎりでぶってくるの。

 それだけじゃないよ。
 『こいつ、今ぶたれてる事とは別のことで悩んでるな』
 なんてことまで分かっちゃうんだ。
 もの凄い職人技の持ち主なんだから。(>_<)

 僕も二年生になって、入学した頃から比べると随分楽になったと
いうか、お仕置きに慣れたんだね、きっと……
 入学したての頃は、とにかく大男というか大女たちに捕まっての
お仕置きだろう。恐怖のあまりやられる前から本格的にお漏らし
したことだってあるんだ。

 「ひぃ~~痛い」

 「だめえ~~ごめんなさい」

 「いやあ、いやあ、いやあ」

 本当は何言ったのか覚えてないけど、どうせこんなことだろうと
思うんだ。最初はあまりの事に怖くて泣き叫んじゃった。
 本当は黙ってお鞭は受けないといけないんだけど一年生だから
ね、声を出すなって言っても無理なんだ。

 『お尻から血が出たか?』

 ははは(^◇^;)そもそもそんなに強くぶたないもん。お尻がほんの
ちょっと赤くなるだけ。幼い子のお仕置きって上級生のような苦痛
や辱めより脅かしがメインなんだって、『いつも優しい先生が怖い』
って感じてくれれば、それでお仕置きは成功なんだって……
 小田切先生が言ってたよ。(*^_^*)

 だけど低学年の子なんて赤ちゃんと同じようなものだから堪え性
がまったくないだろう、ちょっとしたお仕置きでも最初の頃は大仰
に騒いじゃうんだ。

 もちろん、園長先生はそんなこと百も承知だからお鞭の最中に泣
き喚いても上級生のように責めたりはしないよ。
 この時も……

 「よし、よし、おしまいにしましょう。よくがんばったわね」

 途中で切り上げて、以後は園長先生のお膝で抱っこ。

 「さてさて、今はどんな風にお勉強してるのかしら?おうちでは、
言われた通りにちゃんとお勉強してるのかしら?」

 園長先生はお仕置きが終わると、必ず僕の頭を撫で撫でして、
こんな風に尋ねるんだ。他の先生のときもそうだけど、三愛では
お仕置きの後は必ず抱っこ。これがお決まりなんだ。

 で、僕が……
 「ピアノの発表会が来週の日曜日にあって今は忙しいんだ」って
言うと……

 「そう、だったら来週からは頑張りましょうね」
って、そう言って開放してくれたんだ。

 『ラッキー(*^^)v』
 ってなもんだけど、発表会の翌週は覚えなきゃいけないことが倍
になってひ~ひ~言う羽目になった。(>_<)
 ただ、それからのお仕置きはなかったよ。

 うちの場合、お仕置きとしてはこれでも軽い方なんだよ。ピアノ
練習をやらなきゃならないっていう大義名分があったからね。

 でも、差別もあったんだよね。

 僕たちの中にマンガ家を目指してる子(もちろん子供の夢だけ
ど)がいて、本当は『マンガを描くのに忙しくてお勉強の時間が
とれませんでした』って言いたいんだけど、そんなこと言っても
許されなかったんだ。

 当時の常識としては、ピアノはよくてマンガはダメなんだ。
 どっちも好きでやってるだけ、つまるところ同じ趣味なのにさあ、
おかしいでしょう。
ヾ(゜0゜*)ノ?ヾ(゜0゜*)ノ?

 今でこそ、「マンガ家になりたい」なんて言っても親は驚かない
だろうけど、当時はマンガってとっても低く見られてたからね。
 お母さんに言わせると、「低俗」で「猥雑」で「下品」で「幼稚」
なんだって……僕はとっても面白いと思って友だちから借りて読ん
でたけどね。

 うちの場合は、自分のお小遣いで買ってもお母さんに見つかると
取上げられちゃうからね、家の中には置いとけないんだ。

 そんなわけで……
 『マンガ描いてて勉強時間がなくなりましたあ』((^。^;)ノ
なんて明るく言うのは絶対にNGなんだ。

 つまりそんな子は……『サボってた』『怠けてた』とみなされて
お仕置きされることになるんだ。

 親も先生もこれは同じ意見だよ。マンガ描いてるのは遊んでるの
と同じ、無駄な事してるのと同じだもん。

 だから、そんなことしてた子の運命は悲惨なんだ。
 前にも言ったけど、土曜日や日曜日の午後に親と一緒に呼び出さ
れて、まずは担任の先生からお説教。(-_-#)

 それで済めばいいけど……
 くどくどとしたお説教にじれてしまって……
 「わかったからもういいでしょう」(-_-#)
 なんて、思わず口走ってしまうと……(実際、そう言いたくなる
ほどくどいんだ)

 「先生、もう少しはっきりとした形でこの子に分からせたほうが
良いのかもしれませんね」

 なんてね、それまで部屋の隅で何があってもニコニコ顔でお話を
聞いていた園長先生が腰を上げたら僕たちは大ピンチなんだよ。
キタ━━━━(゚◇゚ )━━━━大魔神!!!!

 「由美子(仮名)ちゃん。向こうのお部屋でこれまでのことをマ
リア様に懺悔しましょうか」
 園長先生が背筋の凍るようなことを言い出すんだ。

 何?これだけ聞いてるとたいしたことじゃないように聞こえる?
要するに懺悔すりゃあいいんだろう?って……

 ははははは(^◇^;)……甘いね(ー_ー;
 それはね、あの部屋に入ったことがないからだよ。

 園長先生の言う向こうの部屋というのは懺悔の為だけに作られた
特別なお部屋のことで、小学生の頃はそこに入るだけでもとっても
怖かったんだ。

 四畳半くらいの小部屋なんだけどね、窓はないし、照明も電気は
なくて蝋燭だけ。
 ゆらゆらと揺れる炎に照らされて、先生方の顔やマリア様の像が
浮かび上がると、もうお化け屋敷状態だもん。低学年の子なんか、
それだけで泣き出しちゃうんだ。

 しかも、そこでは服を脱いで裸になって懺悔しなきゃならない。
男の子も女の子もみんなすっぽんぽんで懺悔するんだ\(^O^)/

 入口は映画館並みの厚い扉で仕切られてるから防音はばっちり。
部屋の中も当時としては珍しく空調がきいてるから快適……

 と、ここまでは問題ないんだけどね。この懺悔のいやらしい処は
まず一回じゃ終わらないってことなんだ。(-_-#)

 「マリア様、私はお家でのお勉強時間にマンガを描いていました。
ごめんなさい。次に過(あやま)ちを犯した時はどんなお仕置きも
受けますから、どうか今回だけはお許しください」

 ま、こんな感じかな……
 たいてい先生が考えたこんな文章を暗記させられて、先生たちや
お父さんお母さん、とにかくその部屋にいる大人たち一人ひとりの
前で膝まづいて懺悔しなきゃいけないんだ。

 最後はマリア様の前でも懺悔する決まりなんだけど…、そこまで
いきつくのが大変なんだ。

 この懺悔は膝まづいて両手を胸の前に組むだけじゃ足りなくて、
一回一回服を脱いで素っ裸にならなきゃいけないんだ。

 一回一回って、ダメだった時にまた服を着るの??どうして??
裸のままじゃいけないんだ。(?_?)エ?

 いけないの。(-。-;)

 どうして??(?_?)エ?

 よく知らないけど、園長先生の説明では『私に隠し事やまやかし
はありません』ってマリア様に伝えるためには服を脱ぐところから
始めなきゃいけないんだってさ。
 とにかく、うちはそういう細かいしきたりにうるさいんだよ。
(-_-#)

 おまけに、やれ「声が小さかった」とか「早口で分からない」と
か「泣きながらじゃだめ」とかね……色んな理由でダメだしされて
五六回はやり直しさせられるんだ。

 すると、もう一度服を着て、最初からだもん。辛いんだよ、コレ。
(;゜∇゜)ぇまた?

 子供だからね、しまいにふて腐れることだってあるだろう`ε´)
 でも、そうすると、十回でも二十回でもやり直しさせられるんだ。
 とにかく完璧にできるまでは一時間でも二時間でも妥協しないで
やらされるんだ。

 僕も一度ヒステリー起こしちゃって、二時間も出てこれなかった
ことがあったもん。

 最後は意識朦朧としてて、自分で何やってるのかわからなかった
くらいだけど、それでも終わると園長先生は僕を抱き上げて……

 「よく頑張ったわね、あなたの気持はマリア様に伝わったわよ」
 っておっしゃったんだ。

 この時は嬉しくてね、おばあちゃんがマリア様に見えたよ(^^ゞ

 これが僕たちのお仕置き基本形。

 規則や約束を破れば必ずお仕置き。そのあと事情を聞いてくれて
最終的な罰が決まるんだけど、最後は、必ずお膝に抱っこされて、
頭をなでなで、ほっぺすりすり、あんよやお手々をもみもみされて
大人たちの体臭をたっぷり嗅がされてから開放されるんだ。(+_+)

 上級生になると、さすがに『僕、もう赤ちゃんじゃないんだぞ!』
って主張した時もあるんだけど……

 「何言ってるの。あなたはまだお父様お母様の赤ちゃん。ここで
は先生の赤ちゃんでもあるのよ。こんな可愛いオチンチンしてて、
大人になったとでも思ったの」

 と訳の分からないことを言われてチョン。(あ、チョンって議論
打ち切りって事だよ)要するにぼく達は六年生でも赤ちゃんなんだ。
(∩.∩)

 それに、そのお膝の上ではちゃんと笑顔を作って見せないと…

 「あら、あら、おかしいわね。まだ反省が足りないのかしら?」

 なんて言われて、お仕置きのやり直しになっちゃうんだ。
 いやはや、お子ちゃまは辛いよ。(ノ_・。)


**********バイ、バイ、(^ー^)ノ*********

超狭軌道 <小>
*)この写真は記事とは関係ありません。

Appendix

このブログについて

tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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