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5/8 女の都 ~4~

5/8 女の都 ~4~

*)派手なシーンはありませんが、一応Hな小説です。

 リサちゃんは校長先生からお母さん宛のお手紙を託されて部屋
を出ます。

 校長先生との約束通りこの場でのお仕置きはありませんでした
が……
 『なによ、毎日二時間、二週間も居残り勉強させられるなんて
その方がよっぽどきついじゃないのさあ』
 リサちゃんはぼやきます。

 もちろん、これからクレマン先生との授業がとうなるか分かり
ませんが、もし、そこでもできが悪いようだと……電気の電圧を
あげたり、やたら滅多らスイッチを入れられたりしかねません。

 帰り道、小石を蹴り蹴りそんな最悪のシナリオが頭に浮かんで
離れませんでした。
 『いやだなあ』
 出るのはため息ばかりです。

 すると、そんなリサちゃんの前を親友のドリスが、何だか歩き
にくそうにして歩いているのが見えます。

 『あっ、あいつ』
 リサちゃんは今までの深刻な顔を封印、さっそく彼女の前へと
回り込みました。
 その時は、今までのことはすべて忘れて満面の笑顔です。

 「何よ、あんた、どうして私のお仕置き待っててくれなかった
のさあ。独りで帰るつもりなの?……私たちお友だちでしょう」

 文句を言うと……ドリスちゃんは肩まで伸びた長い髪の奥から
顔を歪めたままリサちゃんを見下ろして弁明します。

 「仕方ないでしょう、イラクサパンツ穿かされてるんだもの。
あんたの帰りなんて待ってらんなかったのよ」

 「ん?」
 リサちゃんはドリスちゃんの後ろ姿からそれは分かっていたの
ですが、あえて初めて気づいたというような顔をして、いきなり、
彼女のスカートを捲り上げます。

 「ばか、やめてよ!!」
 ドリスちゃんの嬌声と共にリサちゃんが見たのは、ぽっこりと
膨れたドリスちゃんの白いショーツでした。

 「ふうん……どうしたの?……何、やらかしたの?」
 リサちゃんは、興味津々。ドリスちゃんの困った顔を覗き込み
ながら自分のことは棚に上げてお友だちをからかってる、そんな
笑顔でした。

 「たいしたことしたわけじゃないの。ブラウン先生の似顔絵を
アンナと見せっこしてたら、いつの間にか後ろに先生が立ってて
……」

 「似顔絵って、例のお尻かいてる猿の絵でしょう。それって、
まずいわよ。ああみえてブラウン先生ご自分の顔が猿に似てるの
とっても気にしてるんだから……ふうん、それでイラクサパンツ
穿かされたんだ」

 「わかったらあっち行っててよ。……これって、とっても歩き
にくいんだから……」

 「ねえ、そんなのさっさと捨てちゃいなさいよ。あとでお股の
中が痒くなって仕方がないわよ」

 「わかってるわよ!そんなこと。でも、そうはいかないでしょ」

 「どうして?」

 「そんなことしたら、私、お母さんに殺されちゃうわ。ちゃん
と先生の罰を受けなかったって……」

 「オーバーねえ。おばさん、私と会うと、いつだって優しそう
な笑顔だよ」

 「馬鹿ね、それはあなたが他所の子だからよ。うちのお母さん、
家の中じゃもの凄く怖いんだから……」

 「そうか、うちの母さんも陰では色々言うけど、その子に面と
向かってだとめったに怒ったりはしないものね」

 「当たり前じゃない。どこの親もそんなの同じよ。リサちゃん
は、外ではニコニコしてたのに家の中に入ったとたんお母さんが
怖い顔になったってことないの?」

 「ん?………」
 リサちゃんはちょっとだけ思い出してから答えます。

 「あっ、ある」

 「じゃあリサちゃんちだってあるんじゃない。お母さんなんて
みんなおんなじよ。……ところで、あなた、今日は何だったの?
あなたの方こそ校長室へ呼ばれたんでしょう?」

 「まあね」

 「何よ、言いなさいよ。私も話してあげたじゃない……あなた
だけ黙ってるなんて卑怯よ」

 「わかったわ、話せばいいんでしょう。今日は校長室に呼ばれ
たけどお仕置きはなかったの」

 「あれ、珍しい」

 「喜んでばかりはいられないわ。……ただし、明日から二週間、
クレマン先生と二人っきりで居残り勉強なのよ」

 「わあ~かわいそう。だってあの先生、マンツーマンになると
やたら張り切っちゃって、自分が出した問題を生徒が間違うたび
に、やたら電気椅子のボタン押すんだってよ」

 「ほんと?」

 「ホントよ。マリアから聞いたの。モルモットにされたって」

 『ヤバッ…』
 リサちゃんは思いますが、校長先生と約束した事を今さらどう
することもできませんでした。


 「じゃあね」
 「また、明日、一緒に学校行こうね」
 「わかった」

 二人はドリスちゃんの家の前で別れましたが、よたよた歩きの
ドリスちゃんが家の中に消えてほどなく……

 「馬鹿だね、この子は……また、何もらってきたのさあ!……
いいから脱いで……そんなもの途中で捨ててくればいいんだよ」

 ドリスちゃんのお母さんの甲高い声が、その家から遠ざかろう
としていたリサちゃんの耳にも届きます。

 『ほうらみなさい。だから、途中で捨てればよかったのよ』
 そうは思いましたが、今は人のことをとやかく言っている暇は
ありません。
 すぐそこに自分の家がもう見えていました。


 「ただいまあ」

 玄関を入って、居間へ行くと、すでにお母さんがおやつを用意
して待っていました。

 朝、トラブルがありましたからね、『怒ってるかな?』って、
ちょっぴり心配なリサちゃんでしたが、お母さんはいつものよう
に笑顔で迎えてくれます。

 「おやつが出てるから手を洗っておいで……」

 ランドセルを部屋に置いて、手を洗って戻って来るとお母さん
はいつものお母さんでした。
 テーブルに置かれた菓子盆のクッキーと一杯のミルク。それを
食べて飲んで頭をなでなでされるのも普段と変わらない日常です。

 「今日は写生に行ったんだろう。どこまで行ったの?」
 「すぐ近く、学校の裏山に登って、頂上から港町を描いたの」
 「上手に描けた?」
 「わからない、あまり時間がなかったから仕上げは教室に戻っ
てやったの。でも、先生はよく描けてるって褒めてくれたわ」

 お母さんはリサちゃんの学校での出来事を色々と尋ねます。
 叱る時もまずは当たり障りのないことから……これもいつもと
同じでした。

 でも、それがひと段落すると……
 「今日、国語のテストがあったわよね。あれ、どうだった?」
 いよいよ本題。

 朝、見つかってしまった45点の算数のテスト、あれもおやつ
を食べたテーブルに登場します。
 リサちゃん絶体絶命なんですが……

 「国語、35点だった」
 リサちゃん、もう開き直っていました。

 「そうなの」
 もちろん、お母さんはがっかりです。強心剤が欲しいくらいで
した。

 「あっ、忘れてた」
 でも、ここでリサちゃんはランドセルの中にしまった35点の
テストと校長先生からの手紙を取りに行きます。
 実はこの校長先生からお手紙がリサちゃんにとって唯一の救い
だったのです。

 「はい、これ……校長先生からのお手紙」
 戻ってきたリサちゃんはぶっきらぼうにそのお手紙をお母さん
に手渡しました。

 そこには、これから二週間の補習授業を行うことと……これが
大切なことなんですが……その間、家庭ではお仕置きをしないで
ほしいというお願いが書いてありました。

 「わかったわ、クレマン先生が補習してくださるのね。………
だったら、お仕置きはいらないわね」

 手紙を読み終わったお母さんの言葉にリサちゃんはほっと肩を
なでおろしましたが……

 「…でも、先生とマンツーマンだったら、あなた相当に頑張ら
ないとついていけないわよ。わかってる?」

 「わかってる」

 「クレマン先生、ご自分の時間を削って手伝ってくださるの。
だから出来の悪い子は情け容赦なくお仕置きされても文句はいえ
ないの。そういうこと、分かってる?」

 「わかってる」

 「ふう……」
 お母さんはリサちゃんの気のないご返事に心配そうにため息を
つきます。

 『わかってるわよ。うるさいわね』
 リサちゃん、もちろんこれから大変なのは承知していましたが、
とにかく今はお母さんからのお仕置きがなくなったことで、つい
つい笑みが顔に出てしまうのでした。


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5/7 女の都 ~3~

5/7 女の都 ~3~

*)派手なシーンはありませんが、一応Hな小説です。

 リサちゃんはドアをノックします。
 本当のことを言うと、もうそれだけでおしっこをちびりそうで
したから、『リサです。お呼びでしょうか』という声がでません
でした。

 すると、ドアの向こうから……
 「リサちゃんね。入ってらっしゃい」
 という校長先生のいつもの優しい声がします。

 『いつも、この声に騙されて悪乗りしちゃうのよね。気をつけ
なくちゃ』
 リサちゃんは自分に言い聞かせてドアを開けました。

 一番奥の大きな机に校長先生がいてその脇にはクレマン先生が
立っています。
 20畳ほどの室内はワックスで磨き上げた板張り、ほんのちょ
ぴりカビ臭くてオシッコ臭いもする、いつに変わらぬ風景です。

 リサちゃんは劣等生ですから、ここはご常連でしたが、ここに
来ると、いつも背中がぞくぞくっとします。
 ですから、水をかぶったワンちゃんのようにそれをブルブルっ
と払い除けてから、いつも奥へと進みます。

 校長先生も、クレマン先生も、本心はともかくこの時はいつも
にこやかでした。お母さんみたいに最初から目を三角に釣り上げ
たりしていません。

 「そこのお椅子に腰掛けなさい」
 校長先生に勧められるまま、リサちゃんは校長先生と向かい合
う椅子に腰をおろします。

 これは生徒を尋問するための尋問椅子。ですから、リサちゃん
だって表情はまだ硬いままでした。

 『ここでホッとしてちゃまずいわ。いつものように調子に乗っ
ちゃうもの。ここは『ごめんなさい』って顔をしなきゃ』
 リサちゃんがそう思ってると……

 「どうしたの?今日はいつものような元気がないみたいだけど、
お母さんに怒られそうで怖いのかしら?」

 「…………いいえ」
 リサちゃんが搾り出すような声で答えますと……

 「それならいいけど、お母さんのお仕置きが気になるようなら、
先生、お手紙書いてあげてもいいわよ。『今回のことで、新たな
お仕置きはしないでください』って……」

 「ホント!」
 リサちゃんは思わず大声で立ち上がります。
 もちろんそれって、願ってもないことだったからでした。
 おまけに……

 「ホントよ。それに、今日はここでお仕置きもしないわよ」

 校長先生の言葉は耳を疑うような朗報でしたが、でもそれには
条件がついていたのです。

 「嬉しい?……そりゃそうよね。でも、それには理由があるの」

 「えっ?」

 「今日のテストに限らず、このところ成績が芳しくないのは、
あなたも自分で分かってるでしょう」

 「……はい」

 「そんな子に、ここでお仕置きしても効果は期待できないの。
お仕置きってカンフル剤みたいなものだから、ちょっとした躓き
には効果があっても根本的な治療にはならないわ。あなたの場合
は小手先の事じゃなくて、もっと本格的なお勉強が必要だと私達
は判断したの。わかるかしら?」

 「本格的なおべんきょう?」

 「そう、これから二週間の間は、放課後クレマン先生と一緒に
お勉強するの」

 「え~~~~~」
 リサちゃんは思いっきり嫌な顔をします。
 だって、お勉強が好きだったり興味があったら、テストのお点
がこんなに低いはずがありませんから……

 「体育だったらやってもいいけど……」
 小さい声で愚痴を言うと……

 「そちらはもう十分優秀だってわかってるもの、いらないわ。
あなたにとって大事なのは国語と算数よ」
 校長先生が諭すようにおっしゃると……

 「算数ってつまらないもの」

 「どうして?」

 「だって、数字と記号ばかりで、人間がでてこないもの。あれ
じゃ誰に頼っていいかわからないわ」

 「頼る?」
 思わず出たクレマン先生の驚きの声を制して校長先生は続けま
した。
 「そうね、でも、これもできないと、大人になって困るわよ。
家計簿がつけられないんじゃ、お母さん失格よ」

 「お母さんかあ……」
 リサちゃんが思わずつぶやきます。

 校長先生はリサちゃんがお母さんに憧れているのを知っていま
した。
 勿論、この星でもクレマン先生のように王様のお城に種を授け
てもらいに行かない人もいましたが、多くの人は苦労はあっても
『お母さん』と呼ばれたいと思っていたのです。

 「どのくらい勉強するの?」

 「一日、二時間くらいかな」

 「……(えっ!)……」
 クレマン先生は軽くおっしゃいますが、リサちゃんはその瞬間、
目がまん丸です。彼女そんなに長く椅子に座っていた経験があり
ませんでした。

 『いやよ、そんなの。そんなに長い時間電気椅子に座ってたら
お尻が焦げちゃうわ』
 リサちゃんは思います。

 科学の進んだこの星では子供が勉強する時は電気椅子に座らせ
てやるのが一般的でした。
 コンピューター管理のこの椅子は、ここに座った子が居眠りを
始めたり、問題を間違えたり、勉強と関係ない事を思ったりする
と、たちまち穿いてるショーツを伝って微弱な電気が流れる仕組
みになっていましたから、怠け者の生徒には効果的なアイテムだ
ったのです。

 お勉強嫌いのリサちゃんは、授業中に何回となく、「はっ!」
「はっ!」とさせられます。そのたびに背筋はピンと伸びますが、
もちろんそれで火傷なんてしません。
 ただ、それって心臓によくないですから、乱用を避けるため、
家庭には置いてありませんでした。

 そこでリサちゃん、電気椅子のない自宅でできないかと思って
 「お母さんに習っちゃいけませんか?」
 と尋ねてみたんですが……

 「もちろん、それが出来ればそれが一番いいけど……お母様は
お仕事がお忙しいでしょう?それに、クレマン先生は子供たちに
勉強を教えるのがお仕事だもの。きっと、あなたのお勉強だって
はかどると思うわよ」

 校長先生に説得されてしまいます。
 結局、放課後二時間、二週間も、リサちゃんはクレマン先生の
マンツーマン特訓を受けるはめになったのでした。

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5/6 女の都 ~2~

5/6 女の都 ~2~

*)派手なシーンはありませんが、一応Hな小説です。

 三人はスクールバスで学校へとむかいます。
 学校は小高い丘の上、幼稚園から小学校、中学校、高校までが
ここにあります。

 ですから、下はまだ赤ちゃんみたいな幼稚園児から身体つきは
すでに大人に見える高校生まで、みんな一緒に校門をくぐります。
 そしてすぐに現れる学校の創立者、ケイト・ミス先生の胸像
に一礼、その先にあるそれぞの学校、幼稚園、小学校、中学校、
高校へと流れて行きます。

 このケイト・スミス先生の胸像への一礼はこの学校に通う生徒
なら、幼稚園児であろうと高校生であろうと登校と下校の時には
必ず一回ずつしなければならない挨拶でした。

 小学校に通うリサも当然それはわかっていたのですが、今朝、
出来の悪いテストをお母さんに見られてしまいましたから、その
ショックを引きずっていたのでしょう。
 スミス先生の胸像を思わずスルーしてしまいます。

 すると、その直後、担任のクレマン先生のお腹へ体当たり。

 「どうしたのリサちゃん。スミス先生の前を通り過ぎちゃった
わよ」

 クレマン先生ににこやかに言われて、はっと我にかえったリサ
ちゃんは慌てて胸像の前に戻ると、そこに膝まづいてあらためて
ご挨拶します。

 普通は、この胸像の前を通り過ぎる時、スミス先生の顔を見て、
ちょこんと頭を下げさえすればよいことになっていたのですが、
このご挨拶を忘れて通り過ぎてしまった子は、改めてその前に膝
まづいてご挨拶をする規則になっていました。

 『もう百年以上も前に亡くなった人に今さらご挨拶なんて変だ
よ。意味ないよ』
 って、男の子なら言いたいところですが、女の子の社会では、
序列はとても大事なこと。そのトップに位置する創立者のケイト
スミス先生は、たとえ亡くなって何年経っていようと後輩たちが
必ずご挨拶しなければならない人だったのでした。

 「どうしたの?ぼんやりしてた?……さては、お出掛けの時に
お母さんに叱られたのかな?」
 スミス先生へのご挨拶が終わったリサちゃんの肩を、クレマン
先生が優しく抱いて、二人は小学校の敷地へ……

 「……あなた、昨日、返した算数のテスト。あれ、お母さんに
ちゃんとお見せしたの?」

 「…………」
 リサちゃんは何も言わず先生を見つめますが……
 先生はそれで全てお見通しでした。

 「隠してたのね。……それをお母さんに見つかった?」

 「…………」

 「図星みたいね。でも、だめよ。現実から逃げたってどうにも
ならないわ。どのみち夢の世界へは逃げ切れないもの。あなたの
立場がどんどん悪くなるだけよ。お仕置きがどんどんきつくなる
だけだわ」

 「うん」
 リサちゃんは小さく頷きますが、その拍子に、涙が一雫地面に
落ちます。

 勿論リサちゃんだって先生のおっしゃることは分かっています。
でも誰だって怖い目や痛い目にはあいたくないですからね。つい
つい怖くなって、先延ばし、先延ばしを考えてしまうのでした。

 「今日は国語のテストがあるけど、ちゃんとお勉強してきた?」

 「…………」
 先生の問いにリサちゃんは自信なさげに俯きます。

 「無理ないか、心配事抱えてたら勉強なんて手につかないもの。
……そんなことじゃ、今日の国語のテストも心配ね」


 先生の不安は的中してしまいます。
 リサちゃんの国語のテストは35点。合格点の80点には遠く
及びません。それどころか、これで国語は3回連続不合格点です。
 それはこの小学校においては放課後のお仕置きを意味していま
した。


 小学校の放課後、校長室に呼び出されたリサちゃんは、3人の
子供たちが順番待ちをしてる長椅子に並びます。

 どの子も緊張した面持ち。リサちゃんだって、とても笑顔には
なれませんでした。
 そんな張り詰めた空気の中、突然、部屋の中から悲鳴が聞こえ
ました。

 「いやあ、もうしないで、お願い、痛い、痛い、だめえ~~」
 
 悲痛な叫びは1分くらい続いたでしょうか。そして、しばらく
してから校長室のドアが開きます。

 出てきたのは、リサちゃんと同じ学年の子。
 担任の先生に付き添われていましたが、とても打ち萎れた感じ
で声さえ掛けにくい雰囲気です。
 おまけにその子、大事そうにベッドパンを抱えていましたから、
それだけでも何があったかが分かります。

 『私もお浣腸させられるのかなあ』
 リサちゃんは暗い気持になります。

 お浣腸は、厳しいお尻叩きや鞭打ちのお仕置きの際、女の子が
思わず粗相をしてしまわないように事前に行われるもので、部屋
の隅に置かれたベッドで行われます。

 まるで赤ちゃんがオムツ替えをする時のように仰向けに寝て、
両足を高く上げて、すっぽんぽんの自分のお股を大人たちの前に
晒します。
 いくら女の子ばかりの世界、いくら幼い小学生でも、そりゃあ
恥ずかしいに決まっていました。

 おまけにトイレへ行くことは許されず、部屋の片隅に置かれた
ベッドパンに跨って用を足すことになりますから、恥ずかしさも
ひとしお。先生にいくら『これはお仕置きじゃないのよ』なんて
言われても、子供たちにしてみたらこれ自体もう立派なお仕置き
だったのです。

 次に部屋に入ったのは、リサちゃんの小学校では最上級生の子。

 しばらくすると、部屋の中から鞭音が響き始めます。

 「ピシッ、…………ピシッ、…………ピシッ、…………ピシッ」

 『トォーズだわ。私もあれかなあ』
 リサちゃんの両腕に思わず鳥肌が……

 トォーズは女の子のお仕置き用に特注された幅の広い革ベルト
の事。低学年の子には脅かしで見せるだけなんですが、10歳を
越える頃になると実際に使われ始めます。

 もちろん平手より痛いのですが、籐鞭(ケイン)などと違って、
痕がつくことがほとんどありませんし、痛みがひくのも早くて、
校長室でいくつぶたれても自宅につく頃にはお尻に痛みがありま
せんでした。

 「ピシッ、…………ピシッ、…………ピシッ、…………ピシッ」

 結局、12回。鞭音が響きましたが、ついに悲鳴が聞こえる事
はありませんでした。

 ほどなく、校長室のドアが開きます。
 
 「お仕置き、ありがとうございました」
 お姉様は、部屋の中で一礼すると、まるで何事もなかったかの
ようにリサちゃんの前を通り過ぎていきます。

 『かっこいいなあ。やっぱり、お姉様になると違うのね。私、
一年経ってもああはなれないだろうなあ』
 リサちゃんはお仕置きされても凛として誇りを崩さないお姉様
の姿に憧れを抱きます。

 ちなみに、学校での上級生はみんな『お姉様』でした。
 いえ、たしかに間違いじゃありません。だって、この星の子供
たちは血縁でみれば、みんな腹違いの姉妹なですから、『お姉様』
でも間違いありませんでした。

 次に部屋に入ったのはリサちゃんより幼い子。

 でも、いっこうに鞭音も悲鳴も聞こえてはきませんでした。

 『いったい、何やってるんだろう。……チビちゃんだからなあ
お仕置きってないのかなあ』
 リサちゃんは羨ましそうに校長室のドアを見つめ、自分の事を
思い出します。

 というのも、校長室に呼ばれた子は全員がぶたれるというわけ
ではありませんでした。改悛の情が認められればぶたれない場合
だってあるのです。

 特に幼い子は校長室に呼ばれた段階で震え上がっていますから
先生方もお仕置きには慎重なのです。
 お小言の最中に泣き出す子もたくさんいますから、逆に先生方
がなだめたりします。

 このように、女の子社会の場合は改悛の情がお仕置きに大きく
影響しますから、校長室に入ったら、できるだけ申し訳なさそう
な顔をしていなければなりません。年齢に関わらず当然ため口は
タブーなのですが……

 でも、先生があまりにやさしかったのでリサちゃん思わずため
口で話し、普段の調子で冗談を言ったら、お手々とお尻に小さな
蝋燭の蝋を垂らされてしまいました。

 8歳の少女は、健気にも悲鳴はあげませんでしたが、そりゃあ
熱いに決まっています。恥ずかしいに決まってます。
 『あの時はまずかったなあ、つい悪乗りしちゃって……』
 苦い思い出が頭をよぎります。

 幼い妹は部屋を出て帰る時、手の甲をさすり、数回スカートの
上からお尻をさすっていましたから、ひょっとしてこのお仕置き
を受けたのかもしれません。

 そして、いよいよリサちゃんの番がまわってきたのでした。

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5/4 女の都 ~1~

5/4 女の都 ~1~

*)Hな小説です。

 銀河の外れに、全人口が1万人あまりという小さな星がありま
した。

 オニオン星。
 住民はヒューマノイド。つまり人間に近い形をしていますが、
その大半が女性。男性は王様と王子様のお二人だけ。ですから、
この星は別名『女の都』と呼ばれていました。

 何でも、美しい子や頭のいい子を求めて遺伝子操作を繰り返す
うち、Y染色体に異常が生じて滅多に男の子が産まれなくなった
のだそうで、男の子が産まれる確率は1万回に1回くらい。

 圧倒的な女性上位なわけですが、とにかく精子がありませんと
子孫が絶えてしまいますから偶然生まれてきた男の子は貴重です。
 そう、貴重な存在だったからこそ、このお二人が王様や王子様
に祭り上げられたというべきかもしれません。

 お二人の仕事は、とにかく子種を蒔くこと。
 つまり、人口の大半を占める女性とのSEXです。
 もちろん、彼らの科学力なら人工授精という方法もありますが、
過去の過ちに懲りたのか、もう長いことそうした技術は封印して
昔ながらの方法で子供を創っていました。

 つまり、20歳になった女性は、王様か王子様のお城へ行って
処女の膜を破ってもらうのです。
 これには良いとか悪いはありません。王様王子様が好きか嫌い
かも関係ありません。あくまで国民の義務として王様王子様に身
を委ねて子供を創るしか方法がありませんでした。

 そして、女の子ができると、これも義務として子育てします。

 もちろん、一回で着床するとは限りませんから、何回も何回も
王様や王子様に会いにいく女性も珍しくありませんでした。でも、
中には色んな事情から妊娠できない人もいて、そんな人は国から
子育て中の人たちのために養育費の負担金を出すように求められ
ますから、子供を授からないというのは結構真剣な悩みだったの
です。

 そんなことから、この星は女性だらけの星。女の都と呼ばれる
ようになったというわけです。

 ところが、ごくごくまれ。それこそ宝くじに当たるような確率
ではありますが、お腹に男の子を宿すことがあります。
 もし、そんなことになると大変でした。

 とにかく1万回に一回しか生まれない男の子ですからね、町は
お祭り騒ぎ。その女性は聖母とあがめられてお城へ上がることに
なります。

 一夜にして、平民から女王様になるわけですからシンデレラも
真っ青の夢物語です。
 もちろんこの星に住む女性なら誰もがこの夢物語を追いかけて
いました。

 ですが、現実はそんなに甘くはありません。
 大半の娘は女の子を生んで育てる人生です。
 そして、生まれた子もまた、そうした『女、女、女』の世界で
育っていくことになります。

 そんな女だらけの都ってどんな処でしょうか……
 男性と同居する一般の社会では綺麗好きでおしとやかと評判の
彼女たち。きっと町には四季に草花が咲き乱れ、華やかで清潔で、
誰もが上品に挨拶を交わしながら暮らしているとお思いですか?
 では、ちょっと覗いてみましょう。

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 カーソン一家はお母さんの他、11歳のリサ、14歳のケイト、
16歳のマーシと三人の娘がいます。

 この家庭に限らず、どのお宅でもお父さんというのはいません
から、お母さんは働きながら子育てしなければなりませんでした。

 事務の仕事をしながらの子育ては一見大変そうにも見えますが、
娘たちは幼い頃から家事を分担させられてきましたから、娘たち
もこのくらいの歳になれば母親代わりの仕事が一通りできるよう
になっています。

 一番下のリサにしても自分の下着は自分で洗い、お姉ちゃん達
が作ったおかずを自分で詰めてお昼のお弁当も作ります。
 朝の食事もお母さんが作るのではなく、すでに娘たちの仕事に
なっていました。
 お母さんは食堂へ来て、ただ新聞を広げて読むだけ。

 「何なの!これ、卵、焦げてるじゃないの。やり直しなさい。
こんなの食べられないわ」
 なんて横柄に文句を言うだけでした。

 女の都は、男以上に厳しい身分社会。
 男の社会では実力がつく事で父親の口を塞ぐことができますが、
女の都の娘たちはいくつになっても子供は子供。どんなに家事が
上手になっても、子供は母親に何一つ逆らえませんでした。

 「ルミホフお父様のご慈愛に感謝申しあげます」
 「セミホフお父様のご慈愛に感謝申しあげます」

 食事の挨拶には王様、王子様への感謝の言葉が必ず入ります。
 思えば、この母親も娘たちも王様、王子様のお子さんなんです
から、当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、王様王子様
に子種を頂くこと以外、庶民に特別な恩寵はありません。

 それでも、女の子たちにとって、王様王子様は権威そのもので
あり、尊敬や憧れの対象でした。王様王子様からじかに愛された
ということ、王室と血筋がつながっているという事が誇りだった
のです。

 さて、食事が終わると、娘たちは学校へ行くわけですが……

 「マーシ、こんな襟垢のついたブラウス着て、あなたちゃんと
洗濯したの?」
 お母さんはマーシの白いブラウスの襟を引っ張ります。

 「洗濯しました。でも、これ以上落ちないんです」

 「そんなことはないわ、あなたのやり方が悪いの。今日は期末
試験でしょう。先生方に襟元だって見られるわ。……いいから、
新しいのを下ろして行きなさい。……これは脱いで。私が洗って
おくから」

 「あっ、ケイト。ちょっとお待ち」
 もう、ちょっと声をかけるのが遅かったら玄関から飛び出して
いました。

 お母さんの言葉に仕方なく足を止めたケイトでしたが……
 お母さんはケイトの傍まで寄ると、彼女の顔をひと睨み。……
いきなり膝下10センチのフリルスカートの裾を捲り上げます。

 「いやぁ!」

 「やっぱり、そうね。……あんた、この間もシルクのショーツ
を学校に穿いて行って注意されたばかりじゃないの」

 「仕方ないでしょう、流行ってるのよ。みんなで見せ合ってる
の。だって、家の中で穿いてても誰も見てくれないもの」

 「そんなの他人に見せることじゃないでしょう」

 「だって、そんなことしたら私だけ仲間外れにされちゃうもん」

 「ほかの子は関係ないでしょう。学校の規則でショーツの生地
は綿と決まってるんだから従うのは当然じゃないの。規則違反で
またイラクサのパンツを穿かされるわよ」

 「さあ、あなたも穿き替えてらっしゃい」

 二人が着替えに戻ったあと、お母さんは残ったリサにも……

 「さてと、リサ。これは何かしら?」
 お母さんは皺くちゃになったA4版の紙をテーブルの上に広げ
はじめます。

 それはリサのテストの答案用紙。
 45点と書いてありました。

 「それは……」

 「ゴミ箱の中にあったお菓子の箱の底に、綺麗に折りたたんで
しまってあったわ。あなた、ずいぶん不思議な場所にテスト用紙
をしまうのね」

 「…………」

 「まあいいわ、その話は学校から帰ってからにしましょう」

 とまあ、お母さんはいつもこんな感じで子供たちを送り出すの
でした。


 女の都の学校には当然男性がいません。先生も生徒も女の子。
 ということは、当然、そこは華やかで上品で、粗野なんて言葉、
校庭の片隅にもありません。なんて言いたいところですが、事実
はそうではありませんでした。

 実は、女性が優しくて上品なのは男性を意識するから。
 生まれてこの方、どこにいても男性を意識する必要のなかった
彼女たち、そもそも上品に振舞う必要なんてありません。
 むしろ直感で行動する女の子たちは、男の子以上に自由奔放で
ハレンチ。優しい心の持ち主なんて童話の世界以外に存在しませ
んでした。

 そんな粗野で恥知らずな連中の面倒みなければならない先生達
もまた穏やかでやさしいはずがありませんでした。
 男性のように体力のない女の先生たちが頼るのは、細かすぎる
規則とそれに反した時、公明正大に許されるお仕置き。

 もともとハレンチな女の子に課すお仕置きですから、お仕置き
だって半端じゃありません。それにさらに輪をかけたものになり
ます。

 小学校から高校まで、男性の目があったらここまではまずやら
ないだろうと思われるようなハレンチなお仕置きのオンパレード。
女の都の子供たちはそんな試練を何度も受けて大人へと成長する
のでした。

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5/3 お父さん

5/3 お父さん

*)ショートショート。太郎君のお父さんの話でHありません。

 昭和30年代の頃というと、世間ではまだまだ怖いお父さんが
たくさんいた時代。
 でも、太郎君のお父さんは温和でおとなしい性格だったので、
太郎君、お父さんから怒られたという記憶がほとんどない。

 『勉強しろ』なんて言わないし『部屋のお片づけはどうなった
の』なんて声も聞いたことがない。
 そういう事は全てお母さんに任せて、そばに寄るといつもお膝
に抱き上げてよしよしって頭を撫でてくれた。

 そして、太郎君が興味を示せばなんでも教えてくれたんだ。
 学校では習わない方程式の仕組みや英語での挨拶、ロケットの
構造や漢詩の解説。体系的とか学問的にではなく、あくまで雑学
なんだけど、幼い子にはそれで十分子守唄代わりになっていた。

 幼い太郎君のボキャブラリーがあまりに豊富で大人たちを驚か
せていたのもお父さんのお膝あってのことなのだ。

 旧制中学しか出てない割りに、けっこう物知りだから、太郎君
にとっては知的好奇心の源泉でもあったんだ。

 書道と東洋哲学が趣味で、お友だちとご本も何冊か出している。
 みんな自費出版だから赤字。そんな本を出す時だけお母さんに
は猫なで声だ。

 「うちには出来の悪い長男がもう一人いる」
 ってお母さんがよくこぼしてたけど、この出来の悪い長男って
のがお父さんのことなの。

 そんなお父さんに太郎君一度だけ大声で怒鳴られて、ぶん投げ
られたことがあった。

 あれは、お父さんが展覧会に出すための作品を清書していた時
のこと。大きな紙に、やたら難しい字ばかり書いてたお父さんが
一息ついたように見えた。
 てっきり、もう終わったと思ったから……

 「お父さん」
 って……座敷の真ん中で正座して前かがみになったその背中に
ポンと乗ってみたら……

 「何するんだ!」って怒鳴られたあげく、まるで紙くずを放り
投げるように身体ごと襖にドン。
 まだ名前を書いてなくて、それが歪んじゃったみたいなんだ。

 まだお昼だけど、お星様が輝いた。

 冷静さを取り戻したお父さんに、すぐによしよししてもらった
けど、部屋の真ん中から隅までふっ飛んだんだもん、そりゃあ、
痛かった。よく襖が破れなかったなあって思うほどの勢いだった
んだ。

 そのあとは、お父さんと一緒に甘納豆を食べた。
 お父さん、書斎に必ずストックしておくから、行くと必ず食べ
られるんだ。

 遠い昔のお話なので、その時なぜお父さんの処へ行ったのか、
今はもう忘れてしまったけど、最初からそれがお目当てだったの
かもしれない。

 社会やお家のためには、何の役にも立たない人だったかもしれ
ないけど、どこかのおじさんが言ってたよ。

 『愛すべき人』なんだってさ。

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tutomukurakawa

Author:tutomukurakawa
子供時代の『お仕置き』をめぐる
エッセーや小説、もろもろの雑文
を置いておくために創りました。
他に適当な分野がないので、
「R18」に置いてはいますが、
扇情的な表現は苦手なので、
そのむきで期待される方には
がっかりなブログだと思います。

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